【国文法攻略】品詞の知識⑦ ~動詞2 活用表と活用の種類~

品詞の知識⑦動詞の特徴その2活用の種類国文法
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まさお
まさお

動詞は有名な品詞なんで、たぶん大丈夫です
受験生が動詞は大丈夫という言ことが多いけれど、たいていは知識不足のままということが多いようです。
今回は全3回ある「動詞」の第2回目を取り上げます。
前回とりあげた、動詞の特徴、活用形、活用表を使ってもう少し動詞の特徴を深掘りしてみたいと思います。

動詞の第1回の記事は以下からご確認ください。

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まずは動詞の活用表の復習

動詞と活用のポイント

最初に前回取り上げた動詞の活用表を再度確認するのですが、その前に6種類ある各活用形の下に続く言葉を整理しておきます。

動詞の活用形と後ろに続く言葉

未然形から命令形まで6つの活用形は下に続く言葉によって決まります。

たとえば、「泳ぐ」の下に「ます」を続けると「泳ぎます」となりますね。この「泳ぎ」の部分は、後ろに「ます」が続いていますから、下の表の「連用形」にあたるということになります。

活用形意味下に続く言葉の例例(太字が動詞部分)
未然形主にまだ起こっていないことを表す形
下に「ない」などが続く形
ない・う・よう
ず・れるられる
話さ/ない
話そ/う
連用形下に用言や「て」「た」が続く形ます・た・て話し/ます
終止形文末の形。句点(。)が続く形「。」・らしい話す
連体形下に名詞(体言)が続く形とき・こと・他の名詞話す/とき
仮定形仮定したという条件を示す形
下に「ば」が続く形
話せ/ば
命令形命令の形で言い切る話せ

色々な動詞を下に続く言葉によって、活用させる練習をしてみるとイメージがつかめてくると思います。

動詞の活用表の確認

上記の活用形が見えてくると以下の活用表が作れるようになります。

ここでは、「言う」「聞く」「読む」「見る」「考える」「来る」「する」の7つの動詞について表にしてみます。

基本形語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
言う

聞く

読む

見るみるみるみれみろ
みよ
考えるえるえるえれえろ
えよ
来るくるくるくれこい
する

するするすれしろ
せよ

例えば「言う」は「言/ない」「言/う」「言/ます」「言/て」「言」「言/とき」「言/ば」「言/(!)」という風に後ろの言葉をつけて活用をさせて、太字部分を活用表に埋めていくという作業をしています。

まさお
まさお

活用表をすらすら埋められるようになるには少し慣れが必要です。よく見て覚えておくとよいでしょう。たとえば、「見る」の命令形を「見て」などと思ってしまうケースが最初はあると思います。「見て」は「見て(ください)」の「ください」が省略されたものと考えますので、連用形になります。

動詞の活用のパターン分け…活用の種類

この活用表を見ていると、どうよら動詞の形の変わり方にはある法則があることに気づきます。

動詞の活用の仕方をパターン分けしたものを「活用の種類」と言います

活用の種類は大きく5種類。覚えてしまうと活用表がすらすら埋められるようになりますので、よく覚えておきましょう。

動詞の活用の種類

1.五段活用
 ⇒活用語尾にア段・イ段・ウ段・エ段・オ段の5つの段の音が入るのが特徴
2.上一段活用
 ⇒活用語尾にイ段(中心のウ段からみて上の一段)の音が必ず入るのが特徴
3.下一段活用
 ⇒活用語尾にエ段(中心のウ段からみて下の一段)の音が必ず入るのが特徴
4.カ行変格活用
 ⇒「来る」のみの特殊な活用の種類。活用語尾に「カ行」の音が必ず入る。「変格」とはイレギュラーという意味
5.サ行変格活用
 ⇒「する」「~する」のみの特殊な活用の種類。活用語尾に「サ行」の音が必ず入る。

上記の活用の種類を先ほどの活用表に付け加えると以下のようになります。

基本形語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形活用の種類
言う

五段活用
聞く

五段活用
読む

五段活用
見る
上一段活用
考える
下一段活用
来るカ行変格活用
する


サ行変格活用
まさお
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活用表に色を付けて、活用語尾に使われる音の特徴を目立たせてみると活用語尾と活用の種類の関係がわかりやすくなると思います。

活用の種類の見分け方

今回の最後は活用の種類の見分け方についてです。

活用の種類はテストでよく問われます。特に学校の定期テストは頻出です。
出題パターンはほぼ決まっていて、「次の動詞の活用の種類を答えなさい。」というものです。

もちろん、活用表を作って答えてもよいのですが、上の表をよく見ると「未然形」だけ作れば活用の種類は確定することに気づきますか?

よく参考書に載っている活用の種類の見分け方とは、この「未然形を作って判定する方法」をとっています。
具体的には以下のようなやり方です。

活用の種類の見分け方
  1. 基本形が「来る」の場合は何も考えず「カ行変格活用
  2. 基本形が「する」「~する」の場合は何も考えず「サ行変格活用
  3. 「来る」と「する」「~する」以外は以下の手順で判定をする。
  4. 調べたい動詞の下に「ない」をつけて未然形を作る
    例)書く ⇒ 書かない
  5. 未然形ができたはずなので、活用語尾(「ない」の直前)を確認する
    例)書ない
  6. 未然形の音から活用の種類を判断する
    ア段の音の場合⇒五段活用 (例、書く⇒書ない
    イ段の音の場合⇒上一段活用(例、見る⇒ない
    エ段の音の場合⇒下一段活用(例、教える⇒教ない
まさお
まさお

最初の内はこの手順に沿ってきちんと対応してほしいのですが、慣れれば動詞を見た瞬間に活用の種類は勝手に頭に浮かんでくるようになると思います。

練習が大事なので、問題集などを使って問題をたくさん解いてみるようにしてください

【補足】サ行変格活用「~する」の取り扱い

活用の種類を教える際に、何気なく通り過ぎてしまいがちなのが「~する」はサ行変格活用だという説明です。

多くの中学生は「~する」はサ行変格活用だと頭で理解しても、実運用ではうまく判断できないケースが多いのです。

例えば、

例)彼は勉強するのが得意です。

この例文からサ行変格活用の動詞を正しく抜き出すとどうなりますか?

今説明したばかりですから「勉強する」と抜き出せる人が多いと思うのですが、突然聞かれると、「勉強」を名詞と考え、「する」だけを動詞として抜き出してしまうのです。

「成功する」「失敗する」「愛する」「トライする」「(電子レンジで)チンする」など、なんでも「~する」と言ったら一単語でサ行変格活用の動詞なのだということを強烈に頭に入れておく必要があります。

まさお
まさお

動詞の学習も基本的なところはここまでで終了です。
まずは、活用形・活用の種類がどのようなものかをきちんと頭に入れておくとよいと思います。このブログでは問題演習ができていませんが、身近にある問題集を実際に解いてみることを強くお勧めします。問題を解いて練習すれば一気に定着させることができます

次回は、ここまでで説明できていない残りの細かな補足知識の説明をします。ここまでできれば、かなり深く動詞を理解したことになりますので、頑張りましょう!!

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