こんにちは。まさおです。
4/15にに開かれた教育再生実行会議の作業部会において、大学の9月入学を含めた入学時期の多様化促進と合わせて高校以下の9月入学はマイナスの影響も大きいことから断念の方向で検討していることがわかりました。
今回のテーマは「高校以下の9月入学は必要か」というテーマです。
教育再生実行会議の検討状況
教育再生実行会議のホームページに、4月15日の合同ワーキンググループの資料が掲載されています。
資料が多岐にわたっていますが、秋季入学(9月入学)については、主に以下のような議論がなされています。
高校以下の9月入学の検討
4月入学から9月入学移行する際に大きな課題がいくつか存在する
- 年度途中から学年が切り替わることによる学年の分断
- 半年間入学が伸びた際の園児・児童・生徒の受け入れ態勢の確保
- 1学年だけ1年半の間に生まれた子どもを預かることによる学年バランスのひずみ
端的に言うと、子どもの集団の変化、受け入れる教育現場の変化、移行に伴うコスト負担が膨大で、そこまでのお金や労力をかけて得られるメリットが少ないというのが主な論点です。
大学の9月入学の検討
大学は高校以下と異なり、4月入学にしなければらないという規定がありません。入学時期等はすべて学長の権限で決められることになっています。
すでに全国の大学の34%程度が4月以外に入学できる制度を導入している状況です。
そんな中で以下のような意見交換がなされていました。
- そもそも9月入学を議論する目的を明確化すべきではないか。
- 人生もキャリアも多様化している中で4月入学か9月入学かという議論ではなく、もっと多様化を前提とした議論を進めるべきではないか。
- 日本の世代効果がもたらす負の影響は他の国に比して大きい。一括採用の影響が大きいと思われるが、その意味でも入学・卒業時期の多様化することにメリットがあると考える。
小中学生の9月入学検討は混乱を助長するだけ
2020年の今頃はコロナの影響が時代で今後の見通しが立たず、強行だけが長引く不安な状態でした。そんな中で「9月入学」というアイデアが生まれてきたのはもっともだと思います。
一方で、9月入学に移行する議論は、コロナ終息後もそのまま9月入学で行くのかといった議論や日本社会全体の様々な年中行事へ与える影響なども議論できないまま、早く結論を出していこうすべきというような話になっていました。
個人的には、実務的にも現実的でないですし日本人の心情としても9月入学は簡単に受け入れられない話だと思っていました。
昨年の4月30日に以下のような記事をエントリーして9月入学は難しいだろうという結論に至っていました…。
いずれにせよ、日本の学校制度の大きな改革を半年や1年の準備で実施できるはずもなく、この議論自体は善意からスタートしたものとは言え、言われた側も相当困ったということは想像に難くありません。
今回、ある意味丁寧な議論を経て整理がついたのでしょうから、今回の判断根拠を首相以下が国民に丁寧に説いて理解を進めてもらうのが得策だと思います。
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