こんにちは。まさおです。
高校入試もほぼ終了となり、各塾は4月以降の在籍生徒の募集に躍起になっています。特に春期講習からの入塾生獲得に必要なのが、合格実績のアピールです。
今回は「都立高校の主要塾の合格実績比較」を取り上げます。
この数値は各塾が独自の基準で算出していることも多いので、その点も含めつつ説明します。
都立高校合格実績比較
早速主要塾の合格実績を比較してみましょう。
以下の表は3月20日段階の各塾のHPに掲載されている数字です。
日比谷高校の合格実績が多い順に並べ替えをしています。
塾名 | 日比谷 | 西 | 国立 | 八王子東 | 戸山 | 青山 | 立川 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
早稲田アカデミー | 87 | 32 | 58 | 12 | 40 | 21 | 17 |
ena | 75 | 39 | 75 | 56 | 52 | 29 | 72 |
Z会進学教室 | 53 | 73 | 34 | 15 | 60 | 28 | 24 |
臨海セミナー | 42 | 9 | 17 | 41 | 36 | 43 | 16 |
SAPIX | 27 | 14 | 2 | - | 8 | 6 | 1 |
市進学院 | 9 | 10 | 5 | 9 | 6 | 9 | 8 |
栄光ゼミナール | 6 | 14 | 7 | 6 | 9 | 19 | 14 |
湘南ゼミナール | 2 | 5 | 1 | 1 |
留意点は以下の通りです。
- 各塾の教室数・在籍数は異なるため合格数=塾の実力とは言えない側面もある
- 合格実績は上記の数字だが、不合格者が何名出ているかはわからない
- 合格実績のカウント基準は各塾独自のものがあるので注意が必要
特に注意が必要なのが不合格者数です。都立高校の進学指導重点校の合格実績を確保するために多くの受検生を不合格にしている塾は絶対に避けた方がよいです。
各塾に問い合わせる際は、合格率がどれくらいかなどを聞いてみるとよいでしょう。
合格実績のカウント基準
上記の数字を比較する際によく問題になるのが合格実績のカウント基準です。
過去には神奈川のStepという塾と臨海セミナーという塾が営業手法と合格実績の表示手法で対立して争うという醜いやり取りがありました。
また、合格実績のカウント方法は各塾に任されており、基準が共通になっていない点も注意が必要です。
主要塾のHPに記載されているカウント基準を一覧にしてみました。
塾名 | コメント |
---|---|
早稲田アカデミー | 合格者数は、早稲田アカデミーグループ(早稲田アカデミー・早稲田アカデミー個別進学館・水戸アカデミー・QUARD、及び早稲田アカデミー海外校)に、塾生として正規の入塾手続きを行い、受験直前期まで継続的に在籍し、授業に参加した生徒のみを対象に集計しています。 テストのみを受験した生徒、夏期集中特訓・正月特訓・その他選択講座のみを受講した生徒は、一切含んでおりません。 |
ena | enaでは10時間以上の指導実績のある生徒のみを合格実績にカウントしています。個別enaからの合格者も含みます。 |
Z会進学教室 | Z会進学教室本科生のみの合格者数です。Z会の通信教育、模試のみの方は含みません。 |
臨海セミナー | 合格実績カウントルールに基づき対象となる生徒のみをカウントしております。 |
SAPIX中学部 | SAPIXでは、内部生手続きを行い、継続的かつ受験期まで在籍した生徒のみを合格実績として掲載しております。テスト生や各種講習生などは、実績に含んでおりません。 |
市進学院 | 市進は公益社団法人 全国学習塾協会の合格実績自主基準に従い、事業活動を適正に推進しています。 合格者数は市進教育グループ(市進学院、茨進、平成進學アカデミー、典和進学ゼミナール、個太郎塾、プロ家庭教師ウイング、NPS成田予備校)の在籍生徒で受験直前の6か月の内、在籍期間が継続的に3か月以上かつ受講時間が30時間以上の合格者の合計です。なお、最終学年に在籍していない生徒、無料講座の受講生、テスト会員、一次試験のみの合格者等は一切含みません。 |
栄光ゼミナール | 栄光ゼミナールは、公益社団法人全国学習塾協会が定める基準に沿って、公正に合格実績を集計しています。以下の三条件に該当する、栄光ゼミナール・栄光の個別ビザビ・Z会エクタス栄光ゼミナール・E-style・アシスト学院・EIKOH LiNKSTUDYに在籍した生徒を集計しています。 一.受験直前の6ヵ月間の内、継続的に3ヵ月以上在籍している 二.正規の学習指導を受講している 三.受講時間数が 30 時間を超えている |
湘南ゼミナール | 上記合格実績は、湘南ゼミナール全体(小中部/公立中高一貫コース/個別指導コース)の集計結果を表記しています。 公立中高一貫校の合格発表後に合格辞退をさせる指導はしておりません。 合格実績は公益社団法人全国学習塾協会が定める基準に従って集計しております。テスト生や講習生は含めていません。 速報のため、合格者数を日々更新させていただいております。その中で、万が一誤りが発生した場合には訂正・お詫び申し上げます。” |
上記のコメントに出ている「公益社団法人 全国学習塾協会の定める基準」は以下の通りです。
・受験直前の6ヵ月間の内、継続的に3ヵ月以上在籍している
・正規の学習指導を受講している
・受講時間数が 30 時間を超えている
これを明示的に謳っている塾は市進学院と栄光ゼミナールのみです。
早稲田アカデミーは正規の塾生をカウントと言っていますが、指導時間に言及していません。「継続的」の基準が不明瞭です。
湘南ゼミナールは基準に合わせているとは歌っていますが、速報の正確性について最初からお詫びをしているあたりはスピード重視で多少のミスは許してほしい的な印象が強いですね。
enaは10時間以上ならカウントというルールで、学習塾協会の指導基準の3分の1でかうんとしていますから、他塾より多く出ていても当たり前と思った方がよいです。
講習に1回参加すれば全員カウントですし、塾生でなくてもカウントされているかもしれません。
臨海セミナーも基準が不明瞭です。合格実績カウントルールの中身が明示されていませんから、講習生やテスト性などもカウントされている可能性があるとみてよいでしょう。
合格実績は各塾の取り組み姿勢が見え隠れする貴重な指標です。通う塾を決める際には、その塾のカウント方針や説明内容にぜひ耳を傾けて、ご自身で判断をするようにしてください。
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