こんにちは。まさおです。
全国の県立高校入試もおおむね終わりを迎えてきました。今年もいくつかの自治体で出題ミスが相次いで報告されています。茨城県と兵庫県は該当問題を全員正解としたということです。
今回のテーマは「相次ぐ県公立高校の出題ミス」というテーマです。
茨城と兵庫の県公立入試で出題ミス
全国の公立高校入試もほぼ終了という時期になりましたが、出題ミスの情報が入ってくるようになりました。
毎年出題ミスによる繰り上げ合格等のニュースが聞こえてきますが、自治体や学校側も相当神経をとがらせていることと思います。
最近入ってきた高校入試の出題ミスを2つ取り上げます。
茨城県公立高校社会科のミス
3/11、茨城県教育委員会は3/3に実施された県公立高校の社会科の大問1の地図の表記に誤りがあったとして、全員に得点(2点)を与える措置を発表しました。
NHKニュースのリンクは以下の通りです。
社会科の地図でブエノスアイレスを指したかった④を別の地点にしてしまったということでした。
確かに、よく見ると地図上の④はブエノスアイレスになっていませんね。
正しいところがどこかわかるようにすると以下のような状況です。
校正段階のミスだということですが、それなりの知見を持った多人数のチームで校正をしないとこの手のミスを完全になくすことは難しいかもしれません。
入試問題はどうしても秘匿性が高いために、安易に大勢を関わらせられないことが背景にあると思いますが、この制度を何年も5科目で維持するのは相当のコストをかける必要があると思います。
兵庫県公立高校の出題ミス
3/12、兵庫県教育委員会は県公立高校の英語に出題ミスがあったと発表しました。
県教育委員会がまとめた「兵庫版中学生のための英単語集」に未掲載の熟語が設問で問われていたということで全員に得点(3点)を与える措置を取ったとのことです。
以下のリンクからニュースの詳細が確認できます。
該当箇所は以下の赤線部分です。
この「 such as 」が兵庫県版の英単語集になかったので全員加点ということになりました。
これは事前にチェックしきれるものかわかりませんが、この程度の表現も範囲外として全員加点にしてしまったら、国語の読解問題などはもはや作れないのではないかとも思ってしまいます。
今は世間の風当たりも強いので、疑わしきは公表して全員得点という状況なのだと思います。
逆に、こういう方針ですべてチェックするなら、それ相応の体制をきちんと取ってやり切ってほしいものです。
入試問題とチェック体制のバランスが大事
毎年、この時期の本ブログで記事にしていますが、今の入試問題はどちらかというと「思考力・判断力・表現力」を標榜する学習指導要領のもとで、できるだけ記述をさせたい方向になってきています。
一方で、入試問題の公平性については世間のチェックが大変厳しく、共通テストも記述問題を見送りとした経緯があります。
今年の茨城県公立高校入試は以下の記事でも紹介した通り、記号問題ばかりで採点ミスが出ないように配慮したはずなので、出題側のミスで結局全員加点になるようなお粗末さです。
はたして、このまま入試制度を維持し続けることが出題者側にも受験生側にもメリットがあるのか再度考え直した方がよいのではないかと思います。
特に、出題者側はこのレベルのミスを完全になくすことは難しいと思われ、これにより毎年どこかの件で出題担当者が処分されるような事態が起こるとなると、労働環境としてもどうなのかといった問題につながっていくと思います。
ミスなく仕事をするのは基本ではありますが、入試問題作成のような特殊な業務の場合は特定の数名に大きな負担がいかないように自治体側が一定の配慮をしてあげる必要があると思いますよ。
個人的には、学力検査自体を辞めてしまって、「作文と面接と内申点」のような一発勝負の要素を極力消すような方向にかじを切るべきだと思います。
学力検査を維持するにしても、1問1答で基本知識を聞くような形式にするなど、込み入った問題を出さないようにシンプル化するのであれば、ミスの予防は可能かもしれません。
いずれにせよ、今の入試制度が本当にあるべき姿なのか、世の中の変化に合わせて再度考え直すべき時期に来ていると思います!
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