こんにちは。まさおです。
7/24の日経新聞の記事に「遠隔学習、端末配備に遅れ」というのがありました。全国的に感染者の拡大が続く中、学校の一斉休校への備えとしての、端末配備が遅れているようです。
今回は「休校への備え、端末配備と使い方」について取り上げます。
日経の記事による端末配備状況
7/24の日経新聞の記事は以下の通りです。
12月までに端末配備を完了できる自治体は以下の通りです。
1.すでに完了
東京都渋谷区
2.9月までに端末配備ができる自治体
東京都豊島区・奈良県奈良市
3.12月までに端末配備ができる自治体
東京都板橋区・千代田区・福島市・新潟市・岐阜市・堺市・和歌山市・北九州市・福岡市
上記は全小中学生への配布完了の時期です。
もちろんこの端末は貸与という言ことになるでしょうから、年度が替わって卒業する生徒からは回収することになると思います。それをクリーニングしてまた新しい生徒に貸与するとなると、なかなか事務作業が大変というのは想像できますね。
端末は配布して終わりではなく、利用終了時の回収と再利用のための準備があります。配って終わりであれば楽なのですが、使うのが子供ですから壊しもするでしょうし、故障端末の交換など周辺業務・管理業務に膨大な工数がかかると思います。
端末配布をゴールにしてはいけない
日経の記事を見ると、多くの自治体の端末配布が遅れており、このままでは学習の空白を作りかねないという厳しい論調になっています。
実際はどうなのでしょうか?
仮に端末配布がうまく終わったとして、十分な遠隔学習環境になったと言ってよいのでしょうか?
簡単には「YES」と言いづらい状況だと思います。
なぜなら、端末配布そのものが遠隔学習を保障するものではないからです。
端末配布と同レベルで準備が必要なのが学習コンテンツの充実です。端末を使って、いつどのような学習を行うのかを生徒が知り、実際に学習ができる環境になって初めて学習がスタートできます。
端末を生徒の手もとに置くことにあまり注力しすぎると、かつて学校に電子黒板を入れたときと同じような状況になりかねません。
学校に入れられた電子黒板は、使える先生が限られてしまい、多くの学校でほこりをかぶってしまいました。ハードはコンテンツとセットで展開されなければならないことを学んだはずです。
端末の配備の遅れにだけ注目するのではなく、仮に休校措置が出た場合に端末を使うとどのような学習ができるように準備が進んでいるのかも併せて確認するという視点が重要です。
生徒の自宅の端末も有効活用できる
一方で、全ての生徒にもれなく端末を配布するという公教育の考え方は素晴らしいものの、主要都市の生徒宅にはその端末がなくても十分に学習できる環境がある家も少なくありません。
その意味では、全ての家庭にすべからく端末を配るというよりも、学習環境が整わず、優先的に配るべき生徒に先に配布するような機転の利かせ方も重要だと思います。
学校は端末の管理のノウハウをあまり持ち合わせていないのかもしれませんが、誰にどの端末を配布したかがわかる体制になっているならば、優先的に配布すべき生徒に配布することはそれほど難しいことではないと思います。
4月の休校措置のタイミングでは多くの自治体が端末配備を完了させられないままオンライン学習をスタートさせました。その際の知見があるならば、優先的に端末を配布すべき家がどこかはわかっているはずです。そこから優先的に端末を配布するという体制が取れれば、今回の報道とは別に有効な学習環境の準備を進めることが可能になると思います。
端末の配布・活用において、重要なことが保護者の協力体制だと思います。保護者が家庭で子供と一緒に端末を触ってあげるなどしてくれればよいのですが、子供の教育に無関心や丸投げだと端末活用はうまくいきません。配布する自治体・学校も保護者への協力を要請していくことも重要だと思います。
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