こんにちは。まさおです。
今回は助詞のポイント解説の第3回目にして最終回です。
「頻出の助詞の関わる識別パターン」の第2回めを取り上げます。
コツさえつかめば、助詞はどんどん得点できるようになります。頑張りましょう。
主要副助詞4つの識別パターン
では、前回の続きで入試頻出の助詞4つの識別パターンを取り上げます。
丸暗記ではなく、識別をするときの考え方に納得をするようにしてみてください。
これを確認する前提として、助詞の4つの種類の特徴は頭に入れておいてください。それがないと何を言っているかさっぱりわからないと思います。
今回は副助詞と絡む4つを解説します。これイガにも助詞の問題は出題されますが、ここまでが理科出来ていれば他の助詞の問題も解答は出せると思います。
「ながら」の識別
①動作の並行を表す接続助詞(「~しつつ」に置き換えられる。「同時に」を補える)
⇒テレビを見ながら、宿題をする。
②逆接の接続助詞(「しかし」を補える。「~のに」と同義。)
⇒先に出発しながら、遅れてしまった。
③接尾語(名詞+「ながら」の形でいろいろな意味を表す)
⇒昔ながらの町並みである。(「~のまま」の意。「昔ながら」で一単語。)
⇒三人兄弟が三人ながら大工になった。(「~全部」の意。「三人ながら」で一単語。)
動詞についたら接続助詞、名詞についたら接尾語と整理しておくとわかりやすいと思います。
「さえ」の識別
①最低限の必要条件の副助詞(「せめて~(ば)」を補える)
⇒水さえあればまだ生きられるのに。
②添加の副助詞(「そのうえ~」を補える)
⇒雨が強くなり、雷さえ鳴り出した。
③他を類推させる副助詞(「極端な話」を補える)
⇒こんな問題は幼稚園児でさえ解ける。
①と③の違いに悩む人がいるかもしれません。
①はこれがないと本当に困るときの使い方であるのに対し、③はたとえで出しているだけにすぎません。言い換えると、①は本当に水が必要であるのに対し、③は幼稚園児でなくてもよく、「小学1年生」といっても意味は同じということです。
この違いを意識できれば、①③の識別もできると思います。
「ばかり」の識別
①限定の副助詞(「だけ」に置き換えられる)
⇒彼はいつもサッカーばかり見ている。
②程度の副助詞(「ほど」に置き換えられる)
⇒十分ばかり心を静めてみてください。
③行われそうな状況を示す副助詞(「今にも~しそう」の意のもの)
⇒親友が今にも泣き出さんばかりの顔でこちらを見ている。
④完了間もない意味の副助詞(「たった今」を補える)
⇒起きたばかりで、頭がさえない。
「ばかり」の意味がたくさんあるということを理解しておいてください。ほとんどの用法は言い換えで解決するものばかりですので、識別問題の難易度がそれほど高いものになるとは思いませんが、こういう言い方自体を知らないと難しく感じてしまうと思います。
「でも」の識別
「でも」の識別は、「で」「も」の二語に分けられる場合とそうでない場合に分けて考えていきましょう。
①「も」を切り離せるもの(「も」を除いても文が成り立つもの)
ⅰ)近くの公園でも、桜が見頃だ。(「~公園で、桜が…」と言える)
⇒格助詞「で」+副助詞「も」
ⅱ)電車はあまり混んでもいない。(「~混んでいない。」と言える)
⇒接続助詞「で」+副助詞「も」
ⅲ)彼は選手だがコーチでもある。(「~コーチである。」と言える)
⇒断定の助動詞「で」+副助詞「も」 ※わからない人は「で」の識別を参照
ⅳ)これは大切なものでもない。(「~大切でない。」と言える)
⇒断定の助動詞「で」+副助詞「も」 ⅲと同じ
②「でも」で一単語のもの(「も」をとることができないもの)
ⅰ)例示の副助詞(「たとえば~(でも)」を補える。「でも」の前の言葉が例にすぎない。)
⇒ラーメンでも食べない? ※ラーメンにこだわっているわけではない
ⅱ)類推の副助詞(「~でさえ・~であっても」に言い換えられる)
⇒子供でもできることだ。 ※「さえ」の類推と同義
ⅲ)逆接の接続助詞の「ても」が濁ったもの(動詞の下に付き、「しかし」を補える)
⇒呼んでも返事がない。
ⅳ)接続詞の「でも」(文節の先頭にあり、「しかし」にかえられる。逆接を示す)
⇒でも、僕は彼女のことが忘れられない。
「さえ」と「でも」に出てくる「類推」という言葉には注目をしておいてください。極端な例を挙げて他の場合までも想像させるという特別な表現です。
「子供でもできる」という文は「子供ができる」ということが伝えたいわけではなく、「そんなことができないあなたは子供以下だ」という言外に伝わってくる意味が重要です。このように他のケースを想像させて言葉に含みを持たせるのが「類推」の使い方です。
まずは助詞も識別もここまでを理解しておけば良いでしょう。
これ以外にも識別問題はあるのですが、ここまでの知識を活用すれば対応可能なはずです。
文法の記事は全部で27本にもなりましたが、高校入試で必要な文法の知識はほぼすべて網羅しました。この内容に基づいて問題演習をきっちり行えば、慶應女子高校で毎年出題されている品詞分解問題まですべて対応可能です。
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