【国文法攻略】中学国文法の品詞の知識13 ~助動その2~

国文法
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
前回から助詞の学習ポイントを解説しています。
前回は助詞とはどのような品詞かということと、助詞の4つの種類の見分け方をやりました。それだけでも助詞の問題は半分くらい解けるはずです。
今回と次回は「頻出の助詞の関わる識別パターン」を取り上げます。
コツさえつかめば、助詞はどんどん得点できるようになります。頑張りましょう。

助詞の識別パターン①

◆助詞の識別問題の見分け方
①意味を変えずに別の言い方に変えてその助詞の持っている意味を把握する。
②品詞や助詞の種類を文法的に確認して、その助詞の特徴を把握する。
このどちらかで対応が可能。
入試によく出る助詞
⇒格助詞と絡んだ以下の助詞に注意。
「の」「が」「と」「に」「で」
※次回は副助詞と絡んだ「ながら」「さえ」「ばかり」「でも」を取り上げる予定。

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助詞の識別問題の頻出パターンと対応法

最初に助詞の問題はどのように出るかとその問題への対応方法を確認しておきましょう。

例題 次の傍線部と同じ種類の助詞を選びなさい。
◆雨が降り始めた、すぐにやんだ。
 わたし、妹の世話をしました。
 数学一番苦手な科目です。
 何回も読んだ、理解できなかった。

傍線部の「が」と同じものがどれかは感覚的にも選べると思います。

答えは「」です。

どうやってこの解答にたどり着くかなのですが、感覚だけだと心もとないので、以下のように答えを絞り込む思考パターンを頭に入れておくことが重要です。

助詞の識別問題の解法パターン

.その助詞を「意味を変えずに別の言葉に置き換える

このやり方は助詞に限らず助動詞など他の品詞でも使える便利なやり方なので、最初はこのやり方をお薦めします。
先ほどの例題で言いますと、
◆雨が降り始めた、すぐにやんだ。
これを「雨が降り始めたけれども、すぐにやんだ。」とか、「雨が降り始めた。しかし、すぐにやんだ」などと置き換えられますね。

ア~ウの選択肢で「けれども」や「。しかし」に置き換えられるものを選べばおのずと解答が「ウ」と決まってきます。
ちなみに、アとイは適切に置き換える言葉がすぐに出てこないと思います。その場合は、2番目の解法パターンを使います。

.その助詞の「品詞や種類などの文法的な働きを考える

前回やった格助詞や接続助詞といった種類を考えることで仲間かそうでないかを識別することができます。
先ほど言い換えが難しかったアやイについては助詞の種類を考えるとすぐに解答が出せます。

◆雨が降り始めた、すぐにやんだ。
 ⇒助動詞「た」についているので「接続助詞
 わたし、妹の世話をしました。
 ⇒名詞についているので「格助詞
 数学一番苦手な科目です。
 ⇒名詞についているので「格助詞
 何回も読んだ、理解できなかった。
 ⇒助動詞「た(が濁ったもの)」についているので「接続助詞

これで解答がウと確定できますね。

まさお
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最初はめんどくさそうに見えますが、慣れれば簡単です。重要なことは自分が普段使っている言葉の間隔を大事にすることと、1つ1つ丁寧に見ていくことです。感覚に頼ると直感的に、ともするといい加減に答えを決めてしまうのですが、それは避けてください。1つ1つ丁寧に確認する習慣をつければかなりの精度で政界にたどり着けるようになります

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主要格助詞5つの識別パターン

では、入試頻出の助詞5つの識別パターンを取り上げます。
丸暗記ではなく、識別をするときの考え方に納得をするようにしてみてください。
これを確認する前提として、助詞の4つの種類の特徴は頭に入れておいてください。それがないと何を言っているかさっぱりわからないと思います。

「の」の識別

①主語を表す「が」に置き換えられる)
 ⇒太郎好きな音楽は民謡だ。
②体言の代用「もの・こと」など名詞に置き換えられる)
 ⇒ジョギングをするは成人病の予防によい。
③連体修飾語を作る下の名詞を修飾
 ⇒東京子どもには意外と素朴な子が多い。
④並立「~の~の」という形でくりかえす)
 ⇒行く行かないと町は大騒ぎになっている。

まさお
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これ以外にもいくつかあるのですが、まずは上の4つをきちんと見分けられるようにしておきましょう!

「が」の識別

①主語を表す格助詞名詞について主語になっている)
 ⇒彼、この本の著者です。
②逆接の接続助詞動詞や助動詞に付き「しかし」に置き換えられる
 ⇒フランス語は得意だ、日本語は苦手だ。
③並立の接続助詞動詞や助動詞に付き「そして」に置き換えられる
 ⇒健介君はよく勉強する、プロレスもしていた。
④前置きの接続助詞前後の文を単純につなぐ。「だから」「しかし」に置き換えられない)
 ⇒夏は暑いです、勉強の調子はいかがですか。

まさお
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圧倒的に①②のパターンが多いのですが、受験生を振るい落とすために④を使うケースがあります。④の「が」はあまり意味がなく、ただ前後の文をつなぐ働きしかありません。②との違いをよく確認しておくとよいと思います。

「と」の識別

①引用の格助詞(『「……」と、』の形のもの)
 ⇒志望校に受かりますように、お参りをした。
②動作の共同の格助詞「~とともに」に置き換えられる =with)
 ⇒友達浅草の遊園地に行った。
③結果の格助詞「~に」に置き換えられる)
 ⇒結局、S氏が総理大臣なった。
④順接の接続助詞「すると」を補える
 ⇒雨が降る、彼は気の毒なほど落ち込んだ。
⑤逆接の接続助詞「それでも」を補える
 ⇒雨が降ろう、試合は決行する。

まさお
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①の「引用の格助詞」は注意してください。格助詞は通常名詞につくのですが、このケースは「  」全体を名詞として扱う形で、上の品詞が名詞でないこともあります。「 」の下の「と」は格助詞と刷り込んでおく必要があります。

それ以外は「動作の共同」や「結果」という言葉よりも、言い換える言葉に注目した方が頭に入りやすいと思います。

「に」の識別

「に」は格助詞以外の品詞でもよく出てくる言葉なので、品詞の識別ができることが重要です。

①形容動詞の一部「に」を「だ」にかえられて、「とても」が補える
 ⇒試験会場では静かしてほしい。
②助動詞「ようだ」の一部上に「よう」がついているもの
 ⇒夜空に輝く星のようなりたい。 ※「ように」で1単語
③助動詞「そうだ」の一部上に「そう」がついているもの
 ⇒楽しそう踊っている。 ※「そうに」で1単語
④副詞の一部「に」ととることができないもの)
 ⇒つい、悪は滅び地球に平和がきた。 ※「ついに」で1単語
⑤格助詞名詞+「に」の形。「に」だけを他の言葉に変えられる)
 ⇒今度の休日は渋谷出かける予定だ。

まさお
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種類が多くてめんどくさそうに見えますが、②と③は一度知ってしまえば単純なので、①と⑤を中心に頭に入れておくことが重要です。

「で」の識別

最後に「で」も種類はたくさんあるのですが、品詞とその言葉が持っている意味を正しくくみ取れば意外と覚えることは少ないはずです。

①手段材料の格助詞名詞に付き「~を使って」と言い換えられる
 ⇒はしでご飯を食べる。 米で酒をつくる。
②場所や時間の格助詞名詞に付き、上の言葉が場所や時間を示す)
 ⇒ステージ踊る。
 ⇒学校まで奪取したら、3分着いた。
③原因理由の格助詞名詞に付き、「~が原因で」と言い換えられる
 ⇒熱学校を休んだ。
 ⇒台風家が流された。
④動作の様子・状態を表す格助詞名詞に付き、下に続く言葉の様子などを示す)
 ⇒すごいスピード走り始めた。
⑤接続助詞(「て」が濁ったもの。動詞+「で」の形になる)
 ⇒空を飛行機が飛んいく。
⑥断定の助動詞名詞の下に「~でない」「~である」「~ではない」等がついているもの)
 ⇒この政策は失敗ある。
⑦形容動詞の語尾上に「とても」が補える
 ⇒その国はとても平和ある。
⑧助動詞「そうだ」の一部上に「そう」がつく
 ⇒彼女は岩手県出身だそうある。
⑨助動詞「ようだ」の一部上に「よう」がつく
 ⇒となりの家は留守のようある。
⑩副助詞「でも」の一部下の「も」を省けない
 ⇒プロレス見に行こう。

まさお
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10個も並べられるとやる気がなくなりますが、以下のように整理してください。
①~④は格助詞のグループ。名詞についていることを確認し、その文節の意味を考える。
⑤は接続助詞で「動詞+で」の形。
⑥はとても大事で、「名詞+で+ある(ない)」のパターン。
⑦も⑥と合わせてとても大事で「とても」が補えるパターン。

⑧⑨は一度知っておけばすぐにわかるパターン
⑩は「でも」で1単語。

①~⑦を優先的に見ておくとよいでしょう。

最初にも書きましたが、1つ1つ丁寧に見ていくとそれぞれの違いがあるのですが、1回ですべて理解しようとせずに何回かに分けて慣れていくことが大事です。
手もとにある文法の問題集などを解きながら、こちらの内容を見ておくと知識の厚みがどんどんまして、自信をもって解答できるようになるはずです。

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