こんにちは。まさおです。
来年度の入試から共通テストが始まり、中学校も2021年度から新指導要領がスタートします。「思考力・判断力・表現力」を重視する指導の本格スタートです。
一方で、中学校の定期テストも変化を始めています。ノートの持ち込み可やそもそも定期テストを廃止するなど。
今回は「大きく変化中の定期テスト」を取り上げます。
定期テストはどう変わったか
親の世代の定期テストは、膨大の試験範囲の大半を暗記で乗り切るものでした。ところが、暗記主体の学習では今の時代は乗り切れないということで、文部科学省は大学入試改革をきっかけに「思考力・判断力・表現力」を重視した学習に切り替えを進めています。
11月17日の日経新聞に以下のような記事が出ていました。
定期テスト自体が大きく変化し始めているという記事です。
具体的には…
1.自筆ノートの持ち込みを許可する定期テスト
2.定期テストを廃止し、週に数回の単元テストに切り替え
3.定期テストを廃止し、実力テストを年に数回実施
共通点は、「決まった試験範囲を丸暗記して乗り切るタイプの定期テストをやめた」ということです。
定期テストを辞めると何がよいのか
一般的には、定期テストを廃止すればますます勉強しなくなると考えがちです。前述の日経新聞の記事では、定期テストを廃止して1年くらいから自習をする生徒が増えてきたというのです。
いったい何が起こっているのでしょうか?
定期テストはイベント色が強すぎる
年に4~5回実施される定期テストは、学校行事の中では、勉強に関する中心行事です。学校の先生が成績をつけるために便利だという理由でスタートしたようですが、生徒の側には「このテストさえ乗り切ればOK」という印象を与える危険なイベントになっています。
特に試験1週間前は部活動も中止するというのは、生徒に「この1週間で詰め込め!」というメッセージを発しているのと同じです。
当然生徒は一生懸命試験前に知識を詰め込むのですが、その達成感がある程度あるがゆえに、それ以外の勉強を一生懸命やらなくなるという状況です。
メリハリが効きすぎているということなのです。
こまめな単元テストが学習の本質を理解させる
逆に週に2回の単元テストというのは、取り立てて大きなイベントというよりも日々の学習習慣に組み込まれたテストということになります。
従来の定期テストのようなイベント色が薄れ、学習そのものに対する達成感があまりありません。それがゆえに、「ちゃんとやった方がよいのではないか」、「日々の学習を大事にした方がよいのではないか」という余白のようなものが学習に目を向けさせると考えるのがよいでしょう。
心に余裕があると、やるべきことに向き合う力が発揮できるということだと思います。
これからの時代に必要なのは解答ではなく問いを設定する力
定期テストを廃止した学校の先生が口々に言うのは、国際社会で競争していくには解答暗記タイプではだめだということです。
確かに、今の時代は変化のスピードも激しく、1年前に常識だったものが大きく変化してしまう世の中です。オンライン授業など1年前は馬鹿にされたものでしたが、今は対面よりオンラインの方がよいという生徒も多くなっている状況です。
そのような変化の激しい時代には、あらかじめ設定された解答を導くのではなく、見えない回答を求めるための「問いを設定する力」の方が重視されます。
今置かれている状況を把握し、どんな問題が解決されれば状況がどう変わるかを見通し、自分がやるべき課題を設定するということです。
その意味でも定期テストは早く全廃した方がよいと思います。
定期テストは評価をする側にはとても負担の軽い楽な方法です。同じテストを一斉にやらせて点数の高い順に評価をつければ簡単なのですが、それ自体がすでに時代遅れのやり方だということなのです。
個々の個性に向き合い、その個性を伸ばすような指導に切り替えていくべきです。
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