こんにちは。まさおです。
萩生田文部科学大臣は8/23、早ければ2023年度から教員免許の更新制を廃止するという方針を表明しました。もともと、PISAの学力低下などの問題を背景に教員の指導力の維持・向上を目的にした制度だったはずですが、結果的には負担増ばかりで成果につながらなかったという評価になったようです。
今回のテーマは「教員免許更新制の廃止」です。
免許制度更新制廃止の方針
萩生田文部科学大臣は8/23、教員免許の更新制を発展的に解消する方針を表明しました。
免許更新制廃止のポイント
- 免許更新制は多忙を極める先生にとって負担が大きい
- 更新時の講習の内容が制度の趣旨に合うレベルになっていない
- 免許制により産休時の代用教員が見つけづらくなった
- 教員の身分保証が弱まりなり手が減る一因にもなっている
そもそも教員免許を更新制にしたのは、ゆとり教育時代の学力低下や教育内容の変化について行けない教員を生まないための安全弁だったはずです。
結果、安全弁が教員のなり手を減らすなどの問題を起こしてしまったので、根本の制度設計に問題があったということだと思います。
更新制廃止後はどうあるべきか?
上記のような理由で更新制を発展的に解消するのは自分も賛成です。
本当に真価が問われるのは、更新制を辞めた後に何が残るのかだと思います。
教育と教員に求められるものは変わっていく
かつて教科書の内容を覚えさせればよかった学校教育が、「思考力・判断力・表現力」を掲げて新しい時代に向けた教育に変容しようとしています。
指導要領や教科書を変えることはできても、最後は教室内での先生のパフォーマンスが変わらなければ求められるような子供たちの変化は実現しないと思います。
求められる教育の在り方の変化に合わせて教員の在り方も変化をしなければなりません。教員は人間ですから性格や資質を根本的に変えるのは難しく、教室内での「行動」をどう変えていくかがポイントになると思います。
免許更新時に行われる30時間の講習は上記のようなレベルに対応できず、教員からは「自治代で行っている研修と変わらない」などと低い評価をされていました。
文科省は、更新制を発展的に解消させて、現場の都道府県教育委員会の教育研修の拡充をしようとしているようです。具体的にどう拡充していくかがポイントになると思います。
今の教員に求められる力とはどんなものか
自分は塾での指導経験しかないので、学校の授業は想像の域を出ませんが、現在の学校の教員に求められる力には以下のようなものがあると思っています。
1.学習の基本的な知識を教え覚えさせる力
これは旧来の授業でも求められていた基本的な力です。教科書の内容をかみ砕いて説明をし、理解をさせる力です。
2.児童・生徒とスムーズにコミュニケーションをとる力
これも古くから求められている力ですが、今の生徒は昔の生徒よりも対応が難しいと思います。かつてはおっかない先生が大きな声で「~をしなさい」と言えばある程度の姓とは言うことを聞いたと思いますが、今も同じやり方をしていたとするとその生徒は将来コミュニケーションで苦労すると思います。
生徒の個性に合わせて声掛けの仕方や内容も配慮が必要で、そのようなコミュニケーションのお手本を先生が示すことが、生徒のコミュニケーション能力の基礎になると思います。
3.児童・生徒のモチベーションを上げる力
教員にはモチベーターの資質が求められると思います。いつもと様子の違う生徒に何かあったか声をかけることはもちろんですが、学校という安全に守られた環境で思い切ってい生徒がやりたいことをできるように環境を管理し、チャレンジさせるという牽引力が必要です。
また、失敗したり不安に駆られている生徒を励まし、やる気を引き出す働きかけが必要だと思います。
4.児童・生徒の良さを引き出し、伸ばす力
今の時代は児童・生徒を型にはめる時代ではありません。クラス運営では少し対応が必要な(面倒な)子でも、その子が持っている良さが何かを見極めてその良さを伸ばす働きかけが必要です。
良い点を見つけて褒めることで子供たちの先生への信頼は変わってきます。先生の心が先に折れてしまわないようなタフさが求められると思います。
ほかにもクラスを円滑に運営する能力なども必要なのでしょうが、このように先生に求められる力を考えてみると、やはり学校の先生は大変ですね。クラス人数を30名以下に減らすくらいの目標を掲げないと、研修だけでは厳しいように思います。
また、先生の業務総量やモチベーション管理、サポート体制の拡充も併せて必要です。研修だけですべてを解決しようとするのは虫のいい話だと思います。
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