教育再生実行会議第12次提言案 ~中学も35人学級へ~

教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
総理大臣の諮問機関である教育再生実行会議は第12次の提言案をまとめたようです。今月中にも菅総理大臣に提出する予定だそうです。
今回のテーマは「教育再生実行会議の提言内容について」です。

教育再生実行会議第12次提言案

◆今後の教育のあり方について以下の骨子でまとまっている様子
中学校の1クラス人数を含め指導体制のあり方を検討する
9月入学はすぐには難しく、将来に向けての検討課題という位置づけ
大学の入学時期は4分割の導入が重要との認識
⇒ICTを使った教育は後戻りさせず、「データ駆動型」の教育への転換が重要

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教育再生実行会議の提言案

5/16の読売新聞に提言案に関する記事が出ていました。

公立中も少人数学級に・ICT推進検討を…教育再生実行会議が提言案
【読売新聞】 政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・前早大総長)が検討している第12次提言案が判明した。生徒にきめ細かな指導を行うため、公立中学校の少人数学級化の検討を求めることなどが柱だ。月内にも菅首相に提出する。 提言案には、少

骨子は上部のまとめ欄にも記載しましたが、以下の4つになりそうです。

1.中学校の少人数学級の導入
2.小中学校の9月入学は将来の課題としてじっくり対応
3.大学の入学時期は4学期に分けて対応が望ましい。企業の採用時期も多様化を提言
4.教育のICT化は後戻りさせない。「データ駆動型」教育への転換を提言

まさお
まさお

どれも現実的な提言内容だと思いますが、実行できるかは財源との調整になると思います。この会議が「教育再生実行会議」という名の通り、実行についてまで含めた提言であるなら、財源確保の具体案についても言及されるとよいと思います。

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公立中学校の少人数学級化は可能か

今回の提言の中でも、現場教員の待遇改善や生徒一人一人の教育効果の向上などを考えると、「中学校の少人数学級化」は最重要施策だと思います。

これまでの少人数学級の議論では、財務省の反対が強くなかなか予算取りがうまくいかないという経緯がありました。

今年4月になんとか小学校の学級人数を35人に引き下げることに成功した文部科学省ですが、中学校にも同様の流れで対応が利くかというと微妙だと思います。

少なくとも教育環境の国際比較をしたうえで、他国の少人数学級や日本と異なる、グループディスカッションを中心とした授業運営などをどのように実現しているかをきちんと学んだうえで、日本流のやり方にアレンジする必要があると思います。

まさお
まさお

クラスの人数を5人減らすとどれほどの教育効果の向上が期待されるのかが難しいですね。むしろ40人のまま教育サポーター的なインターンやアルバイトを採用して、実務的な対応サポートをしてもらうといった方法もあり得ると思います。
医師に対する看護師に当たるような役割を設けて、教師の授業進行をサポートするような位置づけもありだと思います。
いずれにせよ、財源の確保が最大のテーマですね。

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教育の「データ駆動型」への転換は急務

また教育ICTについては、これまでGIGAスクール構想がクローズアップされてきました。あの施策は小中学生が日常的にICT機器に触れることで、社会人になって最低限のリテラシーを持った状態にしておくことがゴールです。

一方で、本来の教育のICT化は、従来のアナログ作業をデジタル化することで個々の学習の最適化や学習履歴の蓄積、転校や進学時に学習データが引き継がれて、後から担当する教員が必要な情報を理解した上で指導に当たるといったことが重要です。

今回の提言でも、データ駆動型(データドリブン)への転換という内容が盛り込まれています。
学習履歴をデータとして蓄積して、その生徒の次の学習内容等が適宜変更されるような、蓄積されたデータが次のアクションをナビゲートするような未来を想定していると思います。

現在でも「アダプティブラーニング」と言われるシステム的な支援は民間企業においてはすでに実用化されています。
文科省の管轄する学校は母数が膨大になりますので、民間企業の取り組みを参考にしつつも全国規模で対応可能なシステム構築が必要になります。

全国の生徒に固有のIDを発行し、全国どこにいても学習記録が保存されるような仕組みを構築することが求められます。

まさお
まさお

この手の議論で重要なのは、教育とICTの両方に明るい人材が何名絡んでいるかということです。どうしてもIT側は自社の受注に意識が向きがちで、教育効果については語れない。一方で、教育側はシステムのことが疎くて、どうしていいか分からない。結果迷走してお金の無駄になるというケースが多いです。
どこにICTのテクノロジーを入れるのが良いか、冷静に考えられる人をきちんと入れておくことが重要です。

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