こんにちは。まさおです。
コロナの感染拡大で多くの学校が夏休みの延長とオンライン授業の準備を進めています。
夏休みが始まる前は2学期早々にオンライン授業をするとは想定していなかったところが多いのではないかと思います。
今回は「オンライン授業準備のポイント」を取り上げます。
学校再開に対する専門家の提言
政府「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、学校再開は感染リスク拡大につながるとして、オンライン授業の徹底などの提言をしています。
上記提言の中では、小学校は対面授業を実施するように求めています。
記事の中で背景が書かれていませんが、小学生を休校にして自宅に戻す場合、保護者の方の仕事への影響が出ることや小学校低学年への感染が比較的少ないこと、子供たちのメンタルへの配慮などがあると思われます。
一方で、保護者がこの状況下で仕事に影響が出ても学校に出したくないケースもあるでしょうし、ここ数日のニュースでも各自治体のオンライン授業実施があいつで報道されていることを見ても、小中学校を含めてオンライン授業の開始が待ったなしになっていると思います。
学校でのオンライン授業併用は可能か?
このような状況ですと、学校に来る生徒と自宅でオンライン授業を希望する生徒が混在することになりますから、教室で授業を行いつつ、その授業内容を自宅にいる生徒にもオンラインで配信するような対応が必要になってきます。
対応のための準備ポイントをいくつか確認したいと思います。
第1優先はネットワークの確保
過去にオンライン授業を行った自治体の大半はネットワーク帯域が確保できずに通信が切れてしまっています。
5月の大阪の事例は大きくニュースにもなりましたので記憶に新しいところです。
現在学校に引かれているネットワーク回線がどの程度の帯域を持っているかを確認しましょう。
たとえば、「fast.com」では帯域速度を示してくれます。
Zoomを例にとると、カメラをオンにして授業を実施する場合、2~3Mbps程度は使用すると見積もっておいた方がよいでしょう。
Zoomのサポートページを見ると1.5Mbpsと書いてありますが、帯域速度測定サイトの数字などをそのままぎりぎりで計算すると実は足りないというケースも多いので、少し多めに帯域を見た方が安全です。
たとえば、学校の回線速度が上りも下りも300Mbps出ているとした場合、オンライン授業にしか帯域を使わない前提であれば、理論上は100クラス程度の同時配信に対応する力があるということになります。
校務作業でシステム利用があったり、Office365を学校の先生が利用する際にネットワーク通信が走ったりすると、その分を考慮しないといけないので、上記の50%くらいに利用可能クラスを減らして考慮する必要があると思います。
教育委員会単位でネットワーク機器の構成確認も必要
回線の次は、ネットワークの構成です。
学校単位で直接インターネットに接続できている場合はここは考慮しなくて大丈夫です。
一方、自治体の中には学校のネットワーク通信を教育委員会に集約して、そこから外部のネットワークに接続するケースがあります。
その場合は、自治体内の各学校の通信が中央に集中しますので、そこがボトルネックになる可能性があります。
今から間に合うなら、センター集約をせず、緊急避難的に直接インターネットに出せるような設定変更を検討した方がよいでしょう。下の図の真ん中の青い点線を使うということです。
また、上記図の中の右側、拠点内ルーターなどの中継機器にも相当の負荷がかかるので、学校の先生間でテスト配信をするなどして、本当に学校の帯域を使って配信できるのかを確認することが重要です。
少し小難しい話になりましたが、ポイントは条件をそろえて実際に試すことです。学校内で完結しているのか、自治体単位で確認が必要なのかも重要ポイントです。
自治体のシステム部門がきちんとサポートする必要があります。
オンライン授業の質確保はカメラと音声次第
ネットワークが確認できれば授業は実施可能です。
その次にチェックすべきはカメラとマイクです。
カメラの設定ポイント
カメラはPC内蔵のカメラを使うか、ビデオカメラ等を外付けするかになりますが、外付けカメラの大量調達はすぐに難しいでしょうから多くの学校はPC内蔵カメラを使用するのではないかと思います。
その場合は、PCをどこに置くかがポイントです。
先生を含めた黒板の全体を移すのか、横に長い黒板の右半分に合わせて、そこに授業内容が収まるように板書エリアを狭く使うのかを確認します。
USBの外付けカメラで自動追尾などもしてくれますが、その場合、先生を中央に追尾するため板書が切れる可能性があります。
いずれにせよ、PCを固定して画角を決めてしまうことが大事です。
授業中にサポート教師などがいて調整してくれるならよいですが、先生は授業中にクラス内にいる生徒にも目配りしなければなりませんから、気にする項目を減らすことが肝要です。
マイクの設定も重要
オンライン授業の質を最終的に決定づけるのは音声かもしれません。
教室はどうしても音が響く構造になっているので内蔵マイクだと反響した音を拾って意外と効きづらいです。
教室内の生徒の声なども拾いたいかもしれませんが、授業をきちんと自宅にいる子どもたちに届けるならワイヤレスマイクを使うことが望ましいと思います。
ワイヤレスマイクも色々ありますが、今はスマホ用のワイヤレスイヤホンに通話用のマイクがついていますから、それを使うのがよいと思います。
自分が実際に使ったわけではありませんが、以下のような製品が使いやすいと思います。
試した方がいればコメントください。
ワイヤレスイヤホンで生徒が発言した際も聞き取りやすくなると思います。
私物でAirPodsなどを持っている方も、授業で使うとなると少し勝手が違うのでマイクの接続具合はきちんとテストをした方がよいと思います。
オンライン授業準備は、テストが大事です。テストなしのぶっつけ本番は大変危険なので、テスト日を設けて学校ぐるみで一斉に対応してみることをお薦めします。
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