こんにちは。まさおです。
11/20、政府は菅政権で創設の話が出ていた「こども庁」について、令和4(2022)年度中の発足を見送り、令和5(2023)年度4月以降の設置で調整に入る東邦道が出ています。
そもそも「こども庁」の創設はげんっじつ的に可能なのでしょうか?
今回のテーマは「こども庁創設の先送りについて」です。
「こども庁」創設延期に関する報道
11/20、政府は令和4年発足を目指していた「こども庁」について、創設を先送りし令和5(2023)年度の発足を目指す方向で調整に入ったようだと、報じられました。
たとえば、読売新聞で配下の記事で報じています。
今回の報道のポイントは以下の通りです。
- 2022年度中の創設は難しく設置を延期する
- 2023年度よりもさらに後倒しにする案も浮上している
- 設置に際しても「幼保一元化」は当面見送りとする
となっています。
「こども庁」という名前では何をする省庁かイメージがしづらいですよね。
そもそも「こども庁」設置の目的は何だったのかから整理しておいた方がよいと思います。
そもそも「こども庁」とは何なのか
こども庁の創設については、本ブログでも、5月21日以下の記事を出していました。
主には、児童虐待や貧困問題など、子供をめぐる問題に対応する省庁という位置づけになっており、各省庁の重複機能(いわゆる「縦割り行政」)を整理統合するという位置づけになっています。
一方で、「こども庁」の創設自体を菅政権の選挙対策だとする向きもあり、どこまで実効性のあるものを作れるのか、新政権下でも慎重になっているようにも見えます。
こども庁で優先して解決すべき課題は?
上記の通り、「幼保一元化」は3府省の意見の隔たりがあり調整に時間が必要なため、当面見送りとなる方向のようです。
そうなると、こども庁では何をするのでしょうか?
2021年の内閣府のいわゆる「骨太の方針」では以下のように記載されています。
少⼦化の克服、⼦供を産み育てやすい社会の実現
内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2021」より
● 結婚・出産の希望を叶え、⼦育てしやすい社会の実現
男性の育休取得促進、結婚⽀援、⼦育て⽀援、包括的な政策パッケージを年内策定
● 未来を担う⼦供の安⼼の確保のための環境づくり・児童虐待対策
困難を抱える⼦供への⽀援等が抜け落ちることのないような体制の構築(⾏政組織の創設)
まずは、児童虐待や不妊治療といった、少子化対策と子供の権利を守る体制を優先するということになると思います。
5月の本ブログの記事でも「幼保一元化」はすぐに難しいので、虐待や不妊治療といったところに業務分掌を絞って構築すべきという意見を記載しましたが、現実的にその方向に落ち着く可能性が高いようです。
岸田政権は現実路線を着実に進めると思われますので、この議論も詳細を検討する中で解決困難な問題に直面した場合は更なる延期やこども庁構想そのものの抜本的な見直しが走ることになると思われます。
「こども庁」という組織が少子化問題そのものを解決してくれるわけではないので、実効的な政策を立案、実装できれば「こども庁」にこだわる必要はないのではないかと思います。
むしろ、具体的な政策提言がどこならできるのかをきちんと見極めて、適切な手段を選ぶことが大事だと思います。
「こども庁」構想自体はひょっとするとこのままフェードアウトする可能性もあると思います。
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