【今年は20%に届かず】東大合格者の女子比率を考える

2022年度東大合格者の女子比率 教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
3/10、東京大学の合格発表がありました。ここ数年、女子の合格者の割合が注目されていますが、東大の発表では今年は19.8%と前年の20.0%を下回ってしまったそうです。
今回は「2022年度東大入試女子の合格者について」を取り上げます。

2022年東大合格者の女子比率

◆全体の女子比率は19.8%と前年より0.2ポイント低下
⇒女子の出願者は前年より260名増加
⇒2次試験合格者は前年より5名減少
◆科類別にみると文Ⅰと理Ⅲは女子比率が増加
⇒文Ⅰはボーダーラインの低下が影響している?
⇒理Ⅲは他大学にもある女子合格率問題が影響している?
文Ⅱ・文Ⅲの割合が上がらないと女子比率の底上げは難しい

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2022年度東大合格者男女別状況

2022年度の東大合格者の男女別の状況は東大HP等にも詳細がアップされていません。
大学通信さんが東大合格発表をYouTube上で配信してくれているのですが、その中に男女別の合格者の資料が表示されていました。

22:07あたりで具体的な表を表示してくれています。

この表をもとに、まとめると以下のような状況となっています。

2022東大男女別合格状況

まずは全体状況です。以下の表は2か年で比較をしています。
2021年度女子の占有率は20.0%でしたが、2022年度は19.8%と0.2ポイントダウンしています。

もう少し状況をわかりやすくするために男女の差に注目してみたいと思います。

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科類別の男女別前年差

科類男子
志願者
前年差
女子
志願者
前年差
女子
志願率
前年差
男子
1次通過
前年差
女子
1次通過
前年差
女子
1次通過率
前年差
男子
合格者数
前年差
女子
合格者数
前年差
女子
合格者率
前年差
文科一類-4+25+1.5-26+26+2.2-11+13+3.1
文科二類+46+28+1.4+22+24+1.5+7-5-1.5
文科三類-31+74+3.9-49+49+3.5+5-5-1.1
理科一類-21+10+0.4-28+29+1.0+13-14-1.2
理科二類+147+108+2.2-36+43+2.20+1+0.1
理科三類+21+15+1.8-3+1+0.4-6+5+5.3
合計+158+260+1.8-120+172+1.9+8-5-0.2

これを見ると、志願者も1次通過者も女子は増えているにもかかわらず、2次合格者で減っていることがわかります。

東大は女子の受験者増のための活動も行っていて一定の成果は上がってきているように思います。ドラゴン桜の影響もあって男子の受検者も一定レベル増えたこともあり、最後は2次試験のボーダー付近でやはり女子が実力で負けてしまっているように見えます。

これは2次試験の問題セットの作り方なども含め、やはり男子有利の試験になっているような背景もあるのではないかと思います。

まさお
まさお

今年は共通テストの数学の難化が顕著でした。男子の上位生の数学の点数が下がったことで相対的に女子の1次通過者が増えた可能性が高いと思います。
一方で、共通テストの得点は900点満点を110点まで圧縮してしまうため、女子の1次通過時の優位性というのは2次合格にほぼ影響が出なかったのではないかと考えられます。

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文Ⅰと理Ⅲは女子の合格者が増加

上記の表をよく見ると、女子の合格者が増えている科類が2つあります。
文科Ⅰ類と理科Ⅲ類です。

文科Ⅰ類はこちらの記事でも紹介しましたが、昨年に引き続き今年もボーダーラインが文Ⅱや文Ⅲよりも下がっており、やはりボーダーラインが一定レベル下がってくると女子が合格しやすくなるのではないかという仮説が立ちます。

文Ⅱは女子以上に男子の受験者が増え、合格最低点も文系では最も高いことが背景でなかなか女子率が上がりにくい、文Ⅲはもともと女子比率が40%近くあり、ここをこれからさらに押し上げるのも少し難しいのかもしれません。

一方、理科Ⅲ類は男女の志願者増加もほぼ同数で、ガチ勝負になって女子が勝っているはずですが、これは医学部系で近年話題になっている女子が男子に比べて合格しにくいという話題との関連を考えておく必要があると思います。
東大理Ⅲが女子に不当な減点をしていたとは思いづらいですが、女子の医学部志望者がこれまで以上に合格しやすくなっているという社会的な背景はあるかもしれません。

まさお
まさお

ちなみに、前年も同様の女子合格率の記事を書きましたが、昨年は世界の他大学との比較をしています。参考までにご覧ください。

これからはジェンダーフリーの時代になるので、日本のトップを張っている東大と女子学生の比率の問題は継続して話題になると思います。

まずは、文Ⅰ・文Ⅱにおける合格者増の動きが必要で、その後は本丸ともいえる理Ⅰの改革が必要だと思います。

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