こんにちは。まさおです。
医学部の不正入試問題で、元受験生が大学側に損害賠償を求めていた訴訟で、大学側が不正を認め解決金を支払うことで和解が成立したとの報道がありました。
今回は「医学部不正入試問題」を取り上げます。
元受験生の和解報道
最初に元受験生の和解報道についてご紹介します。
「公正な入試」の定義は何なのかという問題がありますが、一般的に得点さえとれば合格できるとされる入試であれば、得点した人を合格にしないといけないわけで、この問題は大学側に様々な事情があったにせよ、時代の変化に合わせて制度変更をしなければいけなかった問題だったと考えるべきです。
医学部の男女合格率が逆転
この一件を受けて医学部入試の改革が進み、2021年度には医学部合格者の男女比が逆転しました。
以下に文部科学省の資料のリンクを張っておきます。
令和3年度医学部(医学科)の入学者選抜における男女別高確率について
年度 | 男子合格率 | 女子合格率 |
---|---|---|
2021 | 13.51% | 13.60% |
2020 | 12.56% | 11.42% |
2019 | 12.11% | 11.37% |
コロナ禍で受験生の減少などもあり合格率は全体的上がっていますが、2021年度入試で初めて女子の合格率が男子を上回りました。
不正入試が是正されたことで女子の合格率が上がってきたとみるのが妥当だと思います。
入試の公正性という意味では、これでよいのですが、もともと不正入試の背景に、医学会がどうしても男社会になりがちという問題もありました。
医学部医学科入試は全国の意思の数の母数にもなるので、ここの男子が減り女子が増えることで全国の医師の数が同変改していくかというのも見ていかないといけないと思います。
ジェンダーフリーの時代ですから、女性医師が結婚や出産を経ても医師として活躍し続けられるように社会インフラを整えることが重要だと思います。
公正な入試とは何か
最後に、「公正な入試」について考えたいと思います。
今回に学部不正入試発覚以後、「公正な入試」というのは高得点を取った人を上から順に性別や年齢に関係なく合格させること、合格最低点をそろえることと言われています。
国立大学や公立高校など、税金を投じて作られている教育機関は男女による差別などはあってはならないと思います。
一方で、私立大学や私立高校は設立者の建学の精神をはじめとした意図があって学校法人が運営されているわけですから、運営者側の意図によって入学者が選別されることはあってよいと思います。
問題は、募集要項などにその意図とともにどのような選抜方法で合格者を決めるのかを事前に公表することと、公表した内容に合わせて公正に合格者を決めるということだと思います。
誤解を恐れずに言えば、浪人生を多くとりたくない大学は浪人生は不利になる旨を明記すれば市立減点もありだということです。
司法試験に受験回数の制限があるのと同じように考えればよいということです。
一方で受験生側は、そのような制度をとっている大学は自分のポリシーに合わないから受験しない問なれば、大学側は受験者減少に直面することになり、減少が深刻になればポリシー変更を検討せざるを得ないということになります。
大学側と受験生側との相互牽制作用の中で公正な入試が行われるように制度設計をするのが正しいと思われ、一律に構成に入試をやれと支持する文部科学省は少し志向が硬直化(というか、世間の批判を怖がっている)しているようにも見えます。
5月19日は元受験生の女性13名が順天堂大学に損害賠償を求めた裁判の判決が出ます。もうしばらくこの問題を注視していきたいと思います。
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