【国文法攻略】品詞の知識⑩ ~形容動詞の特徴と活用~

【国文法攻略】品詞の知識⑩ ~形容動詞の特徴と活用~ 国文法
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まさお
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形容動詞は形容詞と動詞をくっつけたものなんですよね?
国文法の学習で意外と重要なのが形容動詞。名前がなんでこうなったのかは諸説ありますが、動詞に近い活用をするのに働きは形容詞に近いという古典文法に由来するようです。

今回はその「形容動詞」を取り上げます。
形容動詞は形容詞とその働きはほとんど同じです。ただ、言い切りのことばと活用するときの活用パターンが形容詞とは異なっています

前回の形容詞の解説はいかかからご覧ください。形容詞の解説が頭に這っていれば形容動詞はすぐに終わります。

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形容動詞とは?

まさお
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形容詞と形容動詞は働きは同じです。活用の仕方が異なることと、識別問題のバリエーションが違うことにだけ気を付ければ十分対応可能です。覚えてほしいことは以下の2つです。

1.形容動詞の特徴
2.形容動詞の活用パターン

では、形容動詞の特徴を確認しておきましょう。

形容動詞の特徴

1.様子・状態を表す
2.自立語で活用する
3.言い切りの形が「~だ」となる。(また、「~な」という言い方にもできる。)
⇒「静かだ」「朗らかだ」「和やかだ」など、「~だ」で言い切り、「(とても)~な」という言い方にもなる活用する自立語であれば形容動詞となります。
※「(とても)~な」と言えると付け加えたのは、「あれは山だ」など「~だ」という言い方は形容動詞以外にもよくあり、識別に迷うことがあるためです。「あれは山だ」の「山だ」は「(とても)山な」には変えられないので、形容動詞ではないという判定ができます。
厳密にいうともう少し奥が深いのですが、まずは「~だ」「(とても)~な」と両方言えたら形容動詞と覚えておきましょう。

まさお
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形容動詞かどうかを半手ウするポイントは以下の2つにまとめられます。
①働きは形容詞と全く一緒であるということ
②「~だ」で言い切るが、「(とても)~な」ともいえることが重要だということ
です。
②に(とても)を付け加えているのは、見た目は「~な」と言えるのですが、意味合い的に「とても」をつけると成り立たなくなるケースがまれにあるからです。詳細は助動詞の識別のとき(いつになるかわかりませんが…笑)に取り上げます。

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形容動詞の活用の仕方

形容動詞も形容詞と同様に活用します。各活用形の後ろにつく言葉も原則形容詞と一緒です。

形容動詞の活用形の後ろに続く言葉

形容動詞の各活用形に続く言葉は以下の表のとおりです。形容詞の時とほとんど同じなのですが、連用形に「なる」だけ付け加えています。

活用形形容詞・形容動詞
後に続く言葉
動詞
後に続く言葉
未然形ないよう
連用形て・ないなるます
終止形
連体形とき・こととき・こと
仮定形
命令形命令で言い切る命令で言い切る

形容詞のときと一部重複しますが、以下の特徴を確認してください。
①「ない」は動詞の場合は未然形につくが、形容詞・形容動詞では連用形につく
②「よう」「ます」は動詞の活用語尾につくが、形容詞・形容動詞では使わない
③「なる」は形容詞・形容動詞の連用形につくが、動詞にはつかない

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形容動詞の活用表

では、各活用形の後ろにつく言葉に留意して形容詞の活用表を作ってみましょう。

基本形語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
静かだ静かだろだっ

なら
朗らかだ朗らかだろだっ

なら
穏やかだ穏やかだろだっ

なら
平和だ平和だろだっ

なら

例えば、「静かだ」であれば、
静かだろう」
静かだった」「静かない」「静かなる」
静か
静かとき」
静かならば」
と活用し、命令形は存在しないということになります。
連用形のみ複数の言葉が入ります

形容詞と同様に、どの形容動詞も活用表の中に入る言葉は常に同じでです。

この活用表のパターンを暗記してしまえば、活用表は朝飯前ですぐに埋めることができるということになります。

形容動詞の活用パターンは未然形から順に「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・○」ということになります。何度も口ずさんで覚えてしまいましょう。
だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・○
だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・○
だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・○

ちなみに、形容詞は
かろ・かっ・く・い・い・けれ・○
かろ・かっ・く・い・い・けれ・○
何回も唱えて完璧にしておきましょう。

まさお
まさお

形容動詞も活用表が頭に入ってしまえば、ほぼ学習は終わりです。
活用表をもとに活用形を言い当てられるようになれば、形容動詞の学習の大半は終わったことになります。

形容動詞の識別

形容動詞の識別は2パターン練習をしておきましょう。

与えられた語群から形容動詞だけを抜き出す

まずは、与えられたものから形容動詞を正しく選ぶ練習です。
つぎの3つの例文の下線部が形容動詞のものはどれでしょうか?

例1)この部屋は静かだ
例2)彼は一年生だ
例3)今はとても幸せだ

形容動詞かどうかは、「~だ」という言い切りだけでなく、「~な」という言い方が出来るかにも注目する必要があります。この3つの例文で「~な」と言わないものが1つだけありますよね。

例1)この部屋は静かだ。⇒「静かな」と言えるので形容動詞
例2)彼は一年生だ。⇒「一年生な」とは言わないので形容動詞ではない(名詞+助動詞)
例3)今はとても幸せだ。⇒「幸せな」と言えるので形容動詞

形容動詞の活用形を識別する

例1)この部屋は清潔だ
例2)顔は笑っているが、気持ちは穏やかでない。
例3)授業中なので、静かだろう。
例4)この公園がもっときれいならばよかった。
例5)今日は1日憂うつだった。

形容詞のときと同じで、形容動詞の後ろの言葉に注目するのではなく、形容動詞の活用語尾(最後の言葉)に注目します。

形容詞と違って、活用表の中の言葉がすべて違っているので、形容詞のときのように「終止形」「連体形」がともに「い」でややこしいということもありません。活用のパターンが頭に入っていれば、秒で解けるはずです。

念のため解答を確認しておきましょう。
例1)この部屋は清潔。⇒終止形
例2)
顔は笑っているが、気持ちは穏やかない。⇒連用形
例3)
授業中なので、静かだろう。⇒未然形
例4)
この公園がもっときれいならばよかった。⇒仮定形
例5)
今日は1日憂うつだった。⇒連用形

まさお
まさお

形容動詞の知識はここまで身につけておけばよいと思います。
①形容動詞かどうかを見極められるようになる
②形容動詞の活用形を言い当てられるようになる

形容動詞の問題が解けるだけではなく、今後出てくる付属語(助動詞・助詞)の学習で大変役立つはずです。

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