【正解が違う?】国語の読解問題にありがちな解答の食い違い

早稲田大学教育学部の国語の正解が予備校と違う 読解力をつける
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
今年の早稲田大学教育学部の現代文の問題で、引用文の著者が大学側の発表した解答が違うと猛抗議をして話題になっています。
国語の読解問題ではしばしば起こる解答の食い違い。入試の性質を考えると本来は起こってはいけないはずですが、実際は毎年様々なところで起こっています。この問題にどう向き合得がよいのでしょうか?
今回は「国語読解問題の解答の食い違い」について取り上げます。

国語読解問題の解答が食い違うケース

◆2022早稲田大学教育学部の事例
大学が発表した解答と予備校の解答が違う
⇒出典となった素材文の著者が予備校の解答を支持
大学側は解答に間違いはないという姿勢
◆現代文ではよくある解答の食い違い
⇒過去問の出版社によって回答が異なるケースも多い
選択肢の作り方と素材文の抜き出し方で解答はブレることがある
作問者の実力も問われるが、選択問題を辞めたてしまった方が早い

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話題の早稲田教育学部の国語問題

ここ数日、早稲田大学教育学部の国語問題の大問1の解答に素材文の著者が異議を唱えていて話題になっています。

もととなったのはシノドスの以下の記事です。
大変興味深いのでぜひ読んでみてください。

大問1の素材文の著者である明治大学の重田園江教授が、早稲田大学の発表した解答と自分の解答が違うということで問い合わせをしたそうです。
早稲田大学からは具体的な回答がなく、正解を訂正する必要もないということで、重田教授が猛反発をして記事を投稿したという図になっています。

早稲田大学と各予備校の解答比較

解答者問1問2問3問4問5問6問7問8
早稲田大学
河合塾・代ゼミ
駿台
重田園江教授

なかなか激しい食い違いを見せていますね。
一つ注意したいのは重田教授は自分で断り書きとして、「この論文全体の論旨、およびフーコーの思想を研究してきたうえでの私が考える解答例」としている通り、筆者である自らの意図を汲んで解答を選んでいる点です。

また、問1については、筆者が考える論文全体を考慮するとハが正しいものの、抜粋されたこの文章だけを読むとホが正解でもよいだろうというスタンスでした。

ポイントは、大学側が発表した正解のみ異なっていて、各予備校が発表している解答は一致しているという点です。
つまり、大学の解答作成者(作問者)のみが間違っていて、一般的な読み方をした場合は予備校側の回答が正しいのではないかと思われる点です。

この点に対して、早稲田大学側は「ご意見いただきありがとうございました.頂いたご意見に基づき,
学部内で検討した結果,いずれの設問についても訂正の必要はないとの結論に至りました.入試問題への問合せについては,個別にお答えはしていませんので回答は差し控えますが,今後の参考にさせていただきます.
」という回答をしてきたそうです。

これは、「訂正の必要はない」という結論ありきの解答のようにも見えてしまうので、重田教授が説明を求めるのももっともだと思います。

まさお
まさお

早稲田大学側としては、ここで解答に間違いがあったなどとなると、採点のやり直しのみならず合格発表自体のやり直しにもなり、大問題となってしまうという危惧があったと思います。一方で、発表されている正解について妥当性をきちんと主張できれば事態は終息に向かうかというと、かえって泥沼の論争になりかねず、この対応になるのもやむを得ないような気がします。

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国語の読解問題の解答間違いはよくある

国語の現代文の読解問題において、選択問題の解答間違いというのは意外とよくあるように思われます。

高校受験指導をしていた際には、過去問出版社の「声の教育社」「東京学参」「旺文社」がいずれも違い選択肢を正解としていたこともありましたし、1社だけ異なる解答を正解として掲載していることもしばしばありました

作問者が素材文全体への理解をベースに解答を作っているのか、あくまで抜粋した範囲のみで解答を作っているのかによって、正解の選択根拠が微妙に変わってくるように思います。

また、選択肢の作り方によっても解答の選び方は変わってきます。作問者は自らの理解のもとに選択肢を作成するので、正解とする選択肢の根拠を明確にしていれば解答の混乱はある程度防げると思います。

一方で、全素材文をそのまま載せきれずに部分的な抜粋によって国語の問題を作成する場合は、抜粋されなかった(切り落とされてしまった)部分に書かれている内容をなかったことにして解答を作る必要があり、これが実は難しいと思います。

今回の問題は、大学側に不備があるように見えますが、実際の大学発表の模範解答をベースに採点がされ、合格発表もされているため、このまま終息させたいと大学側は考えるでしょう。
一般庶民も含めて、実際の入試問題に当たってみてどれが正解かの議論が深まっていくと大学側も自らの間違いを認めざるを得なくなるかもしれません。

まさお
まさお

現代文の読解問題である程度の難問を出そうとすると、どうしてもこのような問題が出て来ます。やはり長い選択肢を比較して解答を選ぶということ自体が難しいことなので、そのような選択形式の問題を今後減らしていくことが解決への近道だと思います。

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