こんにちは。まさおです。
4/25、脳科学者の茂木家日郎氏が、ツイッターで日本の中学受験を批判して話題になっています。コロナ禍以降、受験生が増えている中学受験。これはよいことなのでしょうか?
今回は自分の指導経験も踏まえ「中学受験は善か悪か」というテーマを取り上げます。
茂木健一郎氏のツイッターが話題に
4/25、茂木健一郎氏のツイッターが話題になっています。
「中学入試は偏差値に投資する行為で人に投資していない。」という趣旨です。
東京スポーツでもこの記事を話題にしています。
茂木氏独特の切り口で中学入試をぶった切っていますね…(笑)。果たして中学入試文化は悪なのでしょうか?
自分の指導経験も踏まえて少し考えてみたいと思います。
中学受験は悪か
茂木氏の言っている中学受験は悪かという議論、少し深掘りして考えてみたいと思います。
中学受験が子供の成長をゆがめるのは事実
自分の率直な意見として、中学受験には負の要素もそれなりにあると思っています。
一番大きな問題は、茂木氏も言っている通り、小学校2・3年生くらいから塾に何日も通ってある意味勉強漬け、しかも偏差値を上げるための勉強漬けにしてしまうことです。
塾の先生は、「中学受験の経験が将来役に立つ」とか「理不尽に勉強をした経験が逆境に強い心を作る」とかいうのですが、小学生は遊びたい盛りでもっと外で子供同士で遊んでいるのが本来の姿で、それを塾に閉じ込めるのは不自然であるという指摘は間違いなく正しいと思います。
12歳という年齢は発達段階の差が大きい
もう一つの問題点は、12歳という年齢です。
自分が見てきている限り、12歳できちんと中学受験に向き合える子とまだ幼くてそこまで成熟していない子が混在するのが中学入試だと思います。
女の子は概ね問題ないように思いますが、男の子は個人差が大きく、明らかに中学受験ではなく高校受験に回った方がよいと思われる子が存在します。
受験のための勉強の意味をきちんと理屈で理解して勉強に向き合えればよいのですが、何のための受験か本人が理解していないまま受験するのは本人にとっては必ずしもプラスではないように思います。
知識の詰め込みは子供を不幸にする
知識の詰め込みも問題です。
中学受験のテキストには小学校の教科書の範囲を超える「知識」を詰め込むものが多くあります。正しいロジックや考え方を小5・6あたりで身につけて、その派生として知識が多く入るのは良いと思うのですが、小学生のうちから覚えておかなくてもよいことを無理やり覚えさせるのは勉強の本質から少し外れていると思います。
教える側からすると、知識がなければ思考力も育たないのだということになるのでしょうが、世の中全体が知識の詰め込みに対して批判的な論調になっており、入試問題も変わってきているので、塾のテキストも早く知識重視のテキストから脱却すべきだと思います。
このように並べ立てると確かに中学受験はよいことではない感じがしますね。やらずに済ませられるならやらない方がよいと思いますが、現実的には公立中と私立中の教育格差が大きすぎて、受験させずにはいられないという親の心理が働いていると思います。
公私間の教育格差が受験を助長する
コロナ禍以降、中学受験生がどんどん増えて、過去最高の中学受験率になっています。
これはとりもなおさず、公立中と私立中の教育内容の格差が親に中学受験を選択させていることの現れだと思います。
学歴がその人の人生を保証しないと言われ始めていますが、それでも学歴はないよりはあった方がよいし、私立中の方が長い人生を乗り切るための質の高い教育をしてくれるのも事実です。
現在は、私立中の良い教育を受けるためには中学受験をするしか方法がないのでそのような選択になっていますが、そもそもこの仕組み自体を改めないと中学受験文化を変えることはできないと思います。
入学試験制度そのものが限界を迎えているとこのブログでは何回か主張してきていますが、進学時の入学者をどのように決めるのかを学力試験以外の指標に切り替えることが重要だと思います。
IQテストや知能テストもいざ導入されると対策塾が出てくると思いますし、作文と面接でも対策は可能なので、本当に難しい問題だと思います。
一方で茂木氏が言っている、「人に投資する」という観点は重要で、親が自分の子供の長所を見極めてその子に合った教育環境を選べるような社会にしていくべきだと思います。
その意味では親の教育の方が大事だと思います。
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