こんにちは。まさおです。
毎日同じ書き出しですが、休校が継続して3か月目になります。子どもたちも在宅の生活に慣れていると思います。
むしろストレスを溜めているのは親の方ではないでしょうか?
不規則な生活、家事も手伝わずにゲームばかり、勉強は最低限の量だけというような状況のご家庭も多いのではと思います。
今回は、在宅学習を加速させる親の子どもへの接し方について取り上げます。
今はこれまでにない長い時間を共に過ごせる機会
多くの大人と子供が同じ家の中に長い時間射るということは、今の世の中では早々実現しないことでした。
今回の新型コロナウイルスによる外出自粛要請は、図らずも家族が家の中で一緒に過ごす時間を作ってくれました。
それによって、今まで見えなかったお互いの姿が見えてしまったりして、かえって問題が起こってしまった家もあるのではないかと思います。
しかし、今回のこの一連の出来事をポジティブに捉えるならば、親が子供に影響力を発揮できる千載一遇のチャンスなのかもしれません。
学校に任せっぱなしではなく、親が自分の子どものことを真剣に考えて向き合う時間としてとらえることに意義があると思います。
共働きでテレワークの家などは、そんな余裕などないと叱られるのかもしれませんが、本来何のために仕事をしているかを考えれば、「家族と幸せに過ごす」ためだと思います。
その意味でも家族と過ごす時間を少し前向きにとらえることが大事なのではないかと思います。
子どもは未熟で課題だらけであることが多い
親が実際に長い時間子供の様子を見てみると、いろいろと課題や足りない部分が目についてしまうのかもしれません。
例えば、何時になっても起きてこない、長い時間家にいると部屋がどんどん散らかってくる、勉強すると言いながらなかなか取り組まない、そのくせ要求だけは一人前…、といった具合なのかもしれません。
今回ここで言いたいことは、その「未熟さをまずは受けれてみてほしい」ということです。
長い間塾で指導をしてきましたが、本当に手のかからない完ぺきなこと言うのは極めてまれです。また、塾では完璧に見える子でも、家では全く別の顔を見せていたりすることも間々ありました。
どんな子どもも(大人でも)、やりたいことと現実の間にギャップがあってその中で葛藤しながら生きていることには変わりがないのです。
そこを前提に、子どものやる気を引き出すにはどうすれば良いかを考えてみましょう。
アドバイスは子どものためであって親のためではない
子どものやる気をそぐ親の発言の第1位はもう何年も「勉強しなさい」に決まっています。これは、親が一番口にしやすい言葉であると同時に、子どもに対して何の解決策も与えない言葉でもあるからです。
子どもに「勉強しなさい」と言って勉強したら、世界から戦争はなくなっているかもしれません…(笑)。人間の心理とはそんな簡単なものではないことは大人の方がよくわかっているはずです。
「勉強しなさい」という発言は親のストレスの発露であって、決して子ども向けのアドバイスではありません。
子ども向けのアドバイスにするには、その言葉を聞いたら子供自身が勉強してみた方がいいかなと思うように導く必要があります。
それができたら一流の塾の先生になれるのですが、なかなか難しいですよね。
自分の過去の経験から、こんな接し方が大事というポイントを列記します。
やる気を引き出すアドバイスの考え方
以下のポイントは、長い間いろいろな生徒や保護者と1対1で話をするときに意識していたことです。生徒によってタイプは違いますが、多くの生徒にプラスの変化を起こしてきました。具体的に見ていきましょう。
子どもを一人の人間として客観的に見る
親が子どもを見るときの癖として、生まれてから今までのいろいろな出来事をすべて抱えてしまい、「この子はこうだから…」という先入観が強く入っていることが多いです。事実そうなのですが、それを踏まえて適切なアドバイスができるかを考える必要があります。
塾の先生は、親御さんからその子の幼少期の様子や現在の家庭での様子を面談等で伺っています。家ではものすごく甘えん坊なのですが、塾ではクールにふるまっているなんてザラにあります。
塾ではそれを逆手に利用して、生徒をちょっと大人扱いするのです。「君ならもうここまで理解できるだろう。」「過去の先輩はこんなことをやってきたんだが、君ならこのレベルにはもう手が届くだろう。」といった具合にです。そうすると、以外にもチャレンジしてみようという生徒が現れてくるのが面白いところです。
家庭で親が子どもに接する際も、ちょっと大人扱いをして客観的に様子を見てみるとよいと思います。実は気づかなかった成長がそこに見て取れるはずです。
子どもの興味関心があることをフックにする
勉強しようと思って勉強している子どもは本当にまれです。勉強している子になぜ勉強をするのか聞いてみると、「単純に〇〇が好きだから」とか「将来、こういうことをやってみたいから」と自分の興味が起点になっているケースが多いです。
「勉強しなさい」ではなく、「好きなことを徹底的に極めてごらん」がスタートラインです。それはアニメでも、歌でも、電車でもよいのですが、その道で一流になっている人は例外なく大変な努力をしています。そのレベルまで突き詰めれば、結果的に勉強したくなってきます。
成長や変化を認めて褒める
子どもは日々ものすごいスピードで成長・進化しています。1カ月も会わなかったら別人になっているくらいの成長を遂げる子もいます。
マインドとしては、「できていないことを指摘する」ではなく、「できるようになったことを認める」という考え方です。
毎日同じ家で暮らすとその変化に気づきづらいかもしれませんが、そこに目を向けてみましょう。
たとえば、「言葉づかいが変わって、少し難しい語彙を理解するようになった」とか「政治や経済のニュースを理解するようになった」とか「自分のことばかりでなく、友達のことにまで気をつかえるようになった」とか、わずかな変化を喜ぶ姿勢が大事です。
そしてその変化を褒めてあげることで、子どもたちはどんどん自信を深めていきます。子どもは親の所有物ではありません。一般的には親の方が先に人生を終えて、残された子どもは一人で世の中を生き抜いていかなければならないのです。そのために親が子供に何を与えてあげられるかという視点で、その子の人生を考えることが大事です。
子どもを信頼し、期待していることを伝える
子どもが自立して勉強するために重要な要素の一つに、親が子供を信頼しているかという要素があります。
今は遊んでばかりいるが、やるべき時にはきちんとやれる子であると信じているということを子どもに伝える機会を何回も持つことが大事です。これは、改まった場でいう必要はなく、日常の何気ない会話の中で「あなたもやるべき時はやると信じているよ」というような内容をそれとなく伝えればよいのです。
子どもの能力には個人差があるので、最初から決まったゴールを示すというよりもまずは自分で考えて動き出すことに重点を置いた方がよいでしょう。スタートしだしたらスモールステップで小さな目標を作って、クリアしたら1ランク上へと導いていくのがよいと思います。
子どもは親が自分のことをどんな目で見ているかをきちんと察しています。「ダメな子だと思われている」とか、「兄よりも劣っていると思われている」とか、かなり敏感です。逆にその敏感さを使って、自分で考えて動ける子になってほしいという期待だけを伝えることが重要です。ただし、親が本音でそう思っていなければダメです。
期待だけ伝えても、ずっと変わらない場合はどうするのか?というような声も出てくると思いますが、受験学年になるまでは興味関心を極めることと、信頼して任せていることを表明することだけでよいと思います。
受験学年になるともう少し別の要素が加わってきますが、それは別のテーマの時に取り上げます。
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