6/1より全国各地で学校が再開されました。多くの学校は分散登校の形式をとり、午前中と午後でクラスを分けるなどの対応を取りながらの学校スタートのようです。
一方で北九州市では、小中学生が学校で新型コロナウイルスに感染したと思われる状態で、一斉休校にせず学校が続いています。
今回は、新型コロナウイルスの学校におけるクラスターと休校継続の是非について取り上げます。
北九州市での感染事例の確認
新規の感染者の判明が相次いでいる北九州市。5月28日からの5日間での陽性判明者は91名と1日平均20名に迫る勢いで感染が広まっています。
その中で特筆すべきが小中学生の感染です。
北九州市立守恒(もりつね)小では5月28日からクラスメート5名の感染が判明しています。また、市内の中学校でも5月31日に2名の感染が明らかになっています。
5月31日に判明した12名の内6名が小中学生という事態になっています。
ここでクラスターの下となったと思われる小学生の様子に注意が必要です。
5月28日に感染確認がされた児童は5月24日まで熱があったようですが、25日・26日は熱がなく登校しています。27・28日も熱があったようですが、学校での検温では平熱と出たため教室に入れたとのことです。
小学生は免疫力が強く重症化しづらいこともあり、熱がないまま学校に来て感染を広げてしまう可能性が高いことが見えてきました。
北九州の事例は、学校におけるクラスターがどのように起こるかを示唆しています。無症状の感染者が知らないうちにクラスメートに感染させてしまうことが想像されます。
全国の小中学校は大丈夫か?
北九州の子の事例を見る限り、もし学校のクラスの中に新型コロナウイルスに感染した子供がいた場合、登校時の検温をすり抜けてしまえばクラスに多くの感染者を出してしまう可能性が高いことが見えてきました。
北九州に限らず、感染者が多い東京や大阪、北海道のエリアでは似たような学校におけるクラスターリスクがかなり高いと思われます。
特に子供が無症状のまま感染者となっていると、自宅に帰って、両親や祖父母に感染させてしまう可能性がかなり高いと思います。
当の小学生は元気でも、そのリンクから祖父母を感染させてしまい重症化するといったシナリオですと、移してしまった小学生自身も深く傷つく可能性があります。
全国の小中学校は、そのような小中学生が感染源となっての感染拡大や重傷者・死者を出さないような取り組みが必要だと思います。
ここで大事な観点は、小中学生自体が感染者になること以上に、小中学生が家族を感染させてしまうことです。万が一、祖父母がその感染が原因で亡くなってしまったりすると、その小中学生の人生にずっと残る深い傷を残す可能性が高いです。
周りに大人はそのようなリスクにまで目を向けて対応を考えていくべきだと思います。
自治体は勇気をもって再休校の判断を
全国的に緊急事態宣言が解除され、経済も復活に向けて一歩を踏み出したところです。一方で、このタイミングで大きな感染を出せば、せっかく明るくなりかけた世の中にまた暗い影を落としてしまう可能性が高いです。
しかし、ここで世の中の空気に忖度をし、再休校をためらってしまうと今後半年から1年程度影響が残る大きな問題を引き起こす可能性があります。
感染防止のための措置をとった学校再開も大事ではありますが、クラスの中にクラスター感染が疑われる事象があれば、すぐに学校を2週間程度休校として、濃厚接触者をたどっていくべきだと思います。
各自治体はオンライン授業をもう少し研究すべき
今回の北九州の事例は特集なものではないと思います。今後日本中の様々なところで程度の差こそあれ、似たような事例が発生すると思います。
重要なことは、分散登校や学校の防疫体制では新型コロナウイルスの感染は防げないということです。頭ではわかっていることですが、もう一度改めて事実を認識した方がよいと思います。
今後間違いなく第2波が来ると思いますが、幸いにして第1波は全国一斉休校のおかげで小中学生が感染元となる事例はほぼありませんでした。今回その事例が発生してしまわないように、大人が責任をもって子どもの安全(身体的・精神的安全)を担保するよう努力すべきです。
その意味でも、せっかく始まりかけたオンライン授業をさっさとやめてしまう自治体が多いのにはがっかりしています。
学校再開で忙しいのはわかりますが、オンライン授業と分散登校のブレンド型が一番学習効果と子どもの安全を守るやり方だと思います。
簡単にオンライン授業を棄てずに、もう少し知見を溜めった方がよいと思います。政府は2020年度中にGIGAスクール構想で小中学生に一人1台の端末配備を計画しています。その未来と今回の取り組みは間違いなくリンクするはずです。
自治体は、メンツだけでなく子どもの健康と子どもの家族の健康を守るために冷静な判断をしてほしいと思います。
子どもにとって身近な家族がこの病気で亡くなること自体、心に大きなダメージを負わせます。まだコロナは終息していないことを肝に銘じて第2波に備えましょう。
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