結局どうなる? 自民党検討チームが大学入試日程先延ばしを提言

教育に関する政策
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まさお
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こんにちは。まさおです。
6/2、自民党ワーキングチームが来年度の大学入試日程を2週間から1か月程度遅らせることを、萩生田文部科学大臣に提言したそうです。また、同時に来年の9月入学への移行は困難であるとも発信されたそうです。

今回は、結局大学入試日程はどうなるのかというお話です。

大学入試日程の落としどころ

9月入学は現実的に不可能ということで見送りはほぼ確定
⇒2021年度以降再検討の可能性があるも5~10年スパンの話になりそう
大学入試日程は、高校側の対応に無理がなければ2週間程度は遅れるのでは?
⇒高校側の卒業と新入生の受け入れスケジュールとの調整がキモになるはず

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自民党ワーキングチームの提言

自民党のワーキングチームの座長は柴山昌彦前文部科学大臣です。ある意味教育行政においては萩生田現文部科学大臣よりも造詣が深いかもしれません。

そのワーキングチームの提言内容の骨子は以下のようなものです。

・9月入学については総理の下に会議体を設置しそこで詳細の議論をする
・21年度の大学入試については2週間から1か月の後ろ倒しを行う
・大学1年生の入学のみを1カ月程度遅らせ5月開始とし、年度末までに遅れを取り戻す
・大学の卒業時期は3月のまま据え置く

9月入学についてはこれまで何度かこのブログでも話題にしてきましたが、周辺へ影響が多岐にわたり、学校だけの話ではなくなってしまうため、全国民を巻き込んだ冷静な議論が必要だと言われています。

一方、大学入試については、9月入学がないわけなので、日程の後ろ倒しにも限界があるということで、2週間から1カ月ということになるようです。

5/29のこのブログの記事内容とほぼ同じ結論になっていますね。

推薦型選抜(旧AO)9月の出願を11月などに後ろ倒し
11月~12月末までで実施
学校推薦型選抜(旧推薦)11月出願開始を12月などに後ろ倒し
12月~1月の2か月程度で実施
大学入学共通テスト1月中旬実施予定を後ろ倒し?
私大と国立2次が対応可能なら2週間程度は動かせるか
1月末~2月初旬対応
私大入試2月の上旬から中旬に多く行われる
2月中旬から2月下旬に実施
国立2次試験2月25日ごろに実施
3月10日ごろに実施し3月25日ごろ発表
後期は全廃
入試日程後ろ倒しはどこまで可能か?
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この提言の通りの実施は現実的か

自民党の現文部科学大臣と前文部科学大臣がこの方向で検討するというのですから、基本は共通テスト以下の各試験を2週間から1か月程度遅らせる方向で議論の具体化が検討されるはずです。

そうなった場合に現実的に対応可能なのかを考えたいと思います。

各種試験日程の後ろ倒し

共通テスト・私立大学の個別試験・国公立の2次試験の実施日程自体は、大学側との合意形成さえできれば問題ないと思います。
その際に各大学が困ると思われるのが、合格発表後の入学者数の確定と受け入れ準備の時間が取れるかということになると思います。

仮に国立大学の2次試験の発表が例年の3月6日~10日ごろから2週間後ろにずれますと、3月20日~24日ごろとなります。4月入学を死守しようとすれば、発表から入学までを1週間程度でやらなければならないため、受け入れ人数の多い大学ではかなり厳しいだろうと思われます。

特に補欠繰り上げなどがある私立大学などでは、国立の発表後に私大への事態の連絡が入り、それを受けて繰り上げ合格となるので、日程的に2週間程度は調整の時間が欲しいと思います。

ワーキングチームはその点まで考慮に入れて、入学を5月にすべきだという提言になっていると思われます。

5月入学の実現可能性

4月に入学する予定だった学生を、大学入試の日程の後ろ倒しによって、5月入学するのはどうでしょうか?

大学で使用している学生管理のシステムが学生の情報がないまま4月を迎えられる設計になっているかがキモになるかもしれません

入学者の確定や学費納入などのスケジュールが年度をまたいで4月以降になった場合に、特にシステム上の制約がなければ学籍番号の発行や学生証、履修登録といったもろもろの管理システムが正しく稼働できると思います。

逆に、スケジュール的にあまり自由度のないシステムを使っていると、当面手動運用等で大学側の対応が難しいという回答が出てくるかもしれません。

まさお
まさお

とはいえ、システム的に対応が難しいということであっても、全体方針が5月入学となれば、各大学はなんとかして対応しないといけなくなると思います。

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結局高3生はどう捉えていればよいのか

自民党のワーキングチームの提言は、その実効性に疑問がなくはないものの、各方面に目配りを利かせたいわゆる「落としどころ」をわきまえた内容になっていると思います。

詳細の検討が行われ、今月中にも大学入試日程が発表されると思います。高3生の皆さんはどう考えればよいのでしょうか?
まとめると以下のようにしかならないということだと思います。

2021年度大学入試日程

例年と同じか、2週間~1か月程度の遅れを持って実施される
試験範囲の調整はされない可能性が高い

非常にふり幅の少ない、1か月以内の日程のずれしか検討の余地がありません

したがって、受験生は原則、例年通りの日程で大学受験の準備を進め、日程が後ろ倒しになった分だけが調整機関に充てられる時間だという逆算で考えるのが妥当だと思います。

学校の授業が遅れている人は、1日でも早く後れを取り戻すための勉強を進めましょう。塾や予備校はもちろん、利用でき物は何でも使うという覚悟が必要だと思います。

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