こんにちは。まさおです!
9/3、国連児童基金(ユニセフ)が先進国38か国の子どもの幸福感調査を発表しました。新聞等でも報道されていますが、日本は38か国中37位という結果です。
日本の教育のどこかが間違っているのでしょうか?
今回は「日本の子どもはの幸福感はなぜ低い?」というテーマを取り上げています。全3回の内の第2回です。
前回の記事は以下からご確認ください。
前回の記事では、精神的な幸福度と肉体的な健康面のランキングについて説明しました。今回は様々なスキルがどうなっているかを取り上げます。
前回取り上げた項目のおさらい
前回のブログを読んでもらえればわかるので簡潔にポイントだけ確認しておきます。この後の内容とのつながりがあるので、要点だけでも頭に入れておいてもらえるとこの後の記事を読みやすくなると思います。
1.15歳の段階で精神的に幸福を感じている生徒の割合
62%で37位
2.15歳~19歳の人口10万人当たりの自殺者
7.5人で30位
3.5~19歳の肥満・過体重の子どもの割合
14%で1位
肉体的な健康の順位は高く、精神的な満足度は低いという傾向が見えています。
この後、前回紹介できていないいくつかの項目の順位を確認していきます。
スキル全体の順位:27位
今回のユニセフの調査で「Skills」と括られているものは大きく2つの内容があります。
1つは読解力と数学分野の学力によるものです。
もう1つは社会的スキルです。社会的スキルではちょっとわかりづらいのですが、簡単に言うと友達を作るスキルを取り上げてます。
それぞれを具体的に見ていきます。
読解力・数学分野の学力:73ポイントで5位
15歳段階の読解力と数学分野の学力は2018年度のPISAの結果を用いています。文部科学省はPISAの結果を見てゆとり教育を転換したわけですから、ここの順位が上がって来なければ新指導要領は何だったのかということになりかねないわけです。
果たして順位は5位ということで全体の中では状に位置づけられています。
日本のまじめな国民性は、結果を出すことに集中するあまりにその他の要素を犠牲にする傾向があるのかもしれません。PISAのスコアを上げて上位を維持するために日本の学生に無理をさせていると考えるべきなのかもしれません。
友だちを容易に作れると思っている生徒の割合:69%で40か国中39位
この調査も2018年のPISAからとってきています。友達を容易に作ることができると思っている15歳の子どもの割合は対象40か国中39位となっています。
日本の子どもたちの人間関係というのはSNSなどの普及もあって難しくなっているのかもしれません。塾の現場で見ている実感としても、本音で語り合える友達が少なく、家の中で過ごすケースも多くなっているように思います。コロナによってより孤独を感じている子どもは増えているかもしれません。
この後いじめの話題が出て来ますが、日本の子どもはひょっとすると目の前の友だちが自分の見方なのか敵なのか、常に距離を測りながら付き合っているのかもしれません。昔もそんな関係の友だち作りもあったと思いますが、本当に波長の合う何人かとは本音でいろいろなことが語り合えたようにお思います。
もし、そのような悩みを打ち明けたりできる友だちが減っているとしたら、それが幸福感の欠如の大きな一因だと思います。
いじめと幸福感の関係:33か国中32位
子どもの間のいじめの問題は日本に限らず世界でも起こっているようです。今回のレポートでは15歳の時のいじめの頻度と生活満足度の関係をグラフで示しています。
日本の子どもは頻繁にいじめを受けている子どもで生活満足度が50%、いじめを受けていない子どもでも生活満足度は65%程度です。
トップのオランダはいじめられている子どもでも、生活満足度は70%台後半であることを考えると、日本のいじめや子供の抑圧された精神状態というのは国際的には悪い環境と言わざるを得ないと思います。
先進国の中にあって、日本の子どもの生活満足度はやはり低い部類と認めざるを得ないのではないでしょうか。これは、高度経済成長以来の日本の教育制度に無理が来ていることを表していると思いますし、ゆとり教育から転換して以降の日本の教育が本質的な問題解決になっていないことも表しています。
やはり、教育は子どもが幸せになるために行われなければならないと思います。
ここまで見てくると、日本の子どもたちはやらなければならないことに駆り立てられるような生き方になってしまって、自分の人生を考えて満足のいく生活となるような状況にはなっていないように見えてしまいます。
日本のよさもたくさんあるはずですが、これからの世の中はグローバル化の前提で考えていく必要があると思います。日本の子どもたちが世界で活躍できるようにするにはどうすべきか、次回のこの記事で考えてみたいと思います。
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