こんにちは。まさおです。
私学の雄と言われる早稲田大学が2月4日で一般選抜の出願を締め切りました。
最終志願者数が同大学のホームページに低公表されています。
今回は「早稲田大学の最終志願者数」を取り上げます。
早稲田大学政治経済学部数学必須化の波紋
2021年度の入試において早稲田大学政治経済学部の数学必須化は大きな話題となりました。
大学内でも相当議論があったようですが、論理的な思考を身につけたり、経済的な視点をきちんと学ぶ上では数学を学んでいることが重要ということなのだと思います。
日本では経済学を学ぶ学生が、数学を余り学習しておらず、大学に入って数学ばかりやることに辟易とするという話をよく聞きます。
自分は経済学は専門ではありませんでしたが、大学の一般教養で学んだ経済学でもやはり数式が出てきて驚いた記憶があります。それほどに数学と経済学の関連性を日本の学生は意識していないということなのでしょう(自分の例は30年も前の話なので役に立ちませんが…)。
いずれにせよ、早稲田の政経学部が数学を必須にしたことは世の中の流れにも合致しているし、よく決断したなと感心しました。
後は受験生がこの影響をどう感じているかという言ことになると思います。
2/4、早稲田大学は出願締切
早稲田大学の出願は2/4まででした。現在早稲田大学のホームページには以下の志願状況がアップされています。
http://www.admission.waseda.jp/shigan_list.pdf
上記のPDFに各学部の最終志願者数が記載されています。
ちなみに前年の入試結果は以下のURLにて確認が可能です。
https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2020/07/2020_1.pdf
上記の2つのPDFを比較することで各学部の前年度との出願状況が見えてきます。
日本の伝統的な私大文系タイプの学生は政経学部の受験を回避した可能性が高いです。共通テストの数学Ⅰ・Aの得点と、個別試験の数学Ⅱ・Bが必須となります。他の教科も含め難易度も高く受験生のレベルも高いため、数学に自信のない受験生は他の学部、他の大学に流れざるをえないということもあるだろうと思います。
政治経済学部と法学部の受験者の前年比較
実際に政治経済学部の出願数がどうなったのか、法学部も比較対象に入れて一覧にしてみました。
2020年度は共通テスト方式ではなく、センター試験利用入試となっています。
政治経済学部
一般入試では共通テストの「数学Ⅰ・A」が必須科目で25点に圧縮。個別試験は「総合問題」方式で科目横断型となっています。この総合問題形式を受験生が敬遠している可能性も高いです。
学部 | 入試制度 | 学科 | 2021 定員 | 2021 最終志願者数 | 2020 定員 | 2020 最終志願者者数 | 志願者数 差異 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
政治経済 | 一般 | 政治学科 | 100 | 870 | 150 | 1,563 | -693 |
政治経済 | 一般 | 経済学科 | 140 | 2,137 | 200 | 2,895 | -758 |
政治経済 | 一般 | 国際政治経済学科 | 60 | 488 | 100 | 1,126 | -638 |
政治経済 | 共通テスト | 政治学科 | 15 | 382 | 25 | 454 | -72 |
政治経済 | 共通テスト | 経済学科 | 25 | 1,478 | 35 | 1,525 | -47 |
政治経済 | 共通テスト | 国際政治経済学科 | 10 | 314 | 15 | 318 | -4 |
合計 | 350 | 5,669 | 525 | 7,881 | -2212 |
法学部
法学部は、従来通りの英語と国語が必須で、地歴・公民・数学から1科目選択という私大文系の王道パターンです。
学部 | 入試制度 | 2021 定員 | 2021 最終志願者数 | 2020 定員 | 2020 最終志願者者数 | 志願者数 差異 |
---|---|---|---|---|---|---|
法 | 一般 | 350 | 4,797 | 350 | 4,712 | +85 |
法 | 共通テスト | 100 | 2,187 | 100 | 1,905 | +282 |
合計 | 450 | 6,894 | 450 | 6,617 | +367 |
このように比較してみると政治経済学部はどの入試制度も志願者を減らし、対照的に法学部は志願者を増やしていることがわかります。
一般選抜はともかく、共通テスト利用入試も数学の得点が使われるのは嫌だという受験生が多いようです。
一方で、これからの社会では政経学部のような入試問題に対応できる力がますます必要になっていくはずです。今回の入試変更初年度を逃げずに出願した受験生はやはり素晴らしいと思います。
入試本番では力を出し切って、結果に関わらずこの経験を活かしてほしいと思います。
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