群馬県公立高校入試、検討委員会が2回を1回に変更提言

まさお

こんにちは。まさおです。
3/26，群馬県の公立高校入学者選抜制度の検討委員会は、前後期の2回選抜を1回とする提言を県教育庁に提出しました。首都圏では千葉が今年から前後期制を廃止しています。
今回のテーマは「群馬県公立高校入試の前後期制廃止について」です。

群馬県公立高校の検討委員会の提言

群馬県では2020年9月から有識者による「入学者選抜制度検討委員会」で、3回にわたる議論を重ねてきました。3月26日に最終報告書をまとめています。

詳細は以下のサイトから確認できます。最終報告書はこちら。

入学者選抜制度検討委員会 - 教育委員会 - 群馬県ホームページ(高校教育課)

www.pref.gunma.jp

前後期制を1本化するべきとの結論に至った背景

主たる背景は以下の通りです。

・前期選抜と後期選抜で分割している定員を、１回の本検査で選抜する新たな制度を導入し、前期選抜において、多数の受検者が不合格となる状況を改めるとともに、受検期間の短縮化を図ることが望ましい。
・新たな制度の導入により、選抜業務に余裕が生まれ、より行き届いた対応とミスの未然防止につながることが期待される。
・今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえると、追検査の日程については、本検査から一定の期間を空ける必要がある。再募集をこれまでどおりに実施することを前提とした場合、全ての検査日程を年度内に完了するためは、本検査を２月中旬から下旬までの期間に実施することが望ましい。

「群馬県公立高校入学者選抜制度の在り方について」より

・前期選抜で多数の不合格者を出していること
・2回選抜は選抜業務負担が大きくミスの発生が懸念される
・新型コロナの状況下で追検査までの日程を空ける必要があること
という3点を主たる背景としているようです。

まさお

報告書には入試日程（受験機会）だけでなく、検査内容の在り方などにも言及されています。また、不登校などの生徒の受け入れの在り方にも言及しており、幅広い観点での改善提案となっています。

新制度の導入はいつ頃になるのか？

上記の変更背景に新型コロナによる追試験日程への配慮などがあるため、新制度への移行はできるだけ早い方がよいということなのだと思います。

今回の報告書でも、「新たな制度は、できるだけ速やかに導入されることが望ましい。」という記述がある一方で、「初年度に受検する子供たちが、志望校の選択を適切に行い、余裕を持って選抜に備えることができるよう、十分な配慮が必要」とも記述されており、周知期間をきちんととることになります。

具体的には、「令和６年度入学者選抜以降であれば可能」と記述されていますので、2021年4月に入学した新中学1年生が高校受験をするとき（令和6年度＝2024年度入試）からの導入と想定するのが適切だと思います。

首都圏の入試一本化の動き

前述の通り、首都圏では入試の一本化がここ数年続いていました。

埼玉県…平成24年度（2012年度）から一本化。
神奈川県…平成25年度（2013年度）から一本化。
千葉県…令和3年度（2021年度）から一本化。

いずれも前期で多くの不合格者を出し、後期でその不合格者が合格するのであれば、１回で合格にすればよいという考え方があります。
また、2回とも不合格という生徒も一定数いて、この生徒の心理的な負担などへの配慮なども背景にあります。

中学校側は、「入試期間が長いと生徒が落ち着いて学習に取り組めない」といった背景があり、できるだけ３学期の授業時間を確保したいという思惑もありました。

いずれにせよ、東京を除いた３県はいずれも入試の一本化にかじを切っています。

一本化された入試の多くは学力検査と面接に内申点を加味した形が多く、特色選抜的な個性やプレゼン能力などを重視した入試制度の比重が下がってきています。
今後は個性重視の入試制度に揺り戻しが来ると思われますので、5～10年以内に制度変更の動きが出てくる可能性が高いと思います。

まさお

ちなみに、大学入試が総合型選抜の比重が高まっており、むしろ学力検査よりも推薦入試型に受験生がシフトしている傾向もあります。学力検査型の入試は出題ミスなども毎年相次いでおり、長期的な視点では学力検査型よりも総合選抜型に入試全体が収斂していくのではないかと思われます。