こんにちは。まさおです。
5/10、九州大学は工学部の後期日程で得点集計にミスがあったとして、5名に追加合格を発表しました。これまでの多くは採点ミスによる追加合格でしたが、今回はシステムの不具合というこれまでとは少し違った原因です。
今回のテーマは「九州大工学部の追加合格」です。
九州大工学部の後期日程における集計ミス
九州大工学部の後期日程における追加合格の概要は九州大学のリリースにて確認ができます。
<得点計算ミスの内容>
- 「大学入学共通テスト450点、個別学力検査250点」の配点で処理すべきところを、個別学力検査の得点が2重に加算され、「大学入学共通テスト450点、個別学力検査500点」の配点で得点計算が行われた。
※工学部(後期日程)の個別学力検査試験科目は「数学」と「外国語(英語)」 - 大学入学共通テストの「地理歴史及び公民」の得点(配点50点)が加算されずに合計の得点計算が行われた。
上記の通り、2つの問題が生じていました。
1つ目は個別学力試験の結果が2回計上されるという問題。もう1つは地歴・公民の得点が加算されないという問題。
入試は得点順に並べて指定の人数の順位で線を引くというのが通常の対応ですから、合計得点の集計に2つのミスが絡めば大きな順位の変動が起きてしかるべきだと思います。
今の入試制度はシステムなしでは乗り切れない
一方で、現在の入試制度は共通テストと個別試験の2段階選抜に加え、共通テストの得点圧縮や線k宅科目の処理など複雑な処理で合計得点を出すようになっています。
採点結果をシステムに正しく登録し、得点処理がなされて合否を決めるようにしないと、かえって人為的なミスが起きる可能性があります。
その意味では、今の入試制度を運用するにはシステムの支援が不可欠という状況だと思います。
一方で、入試管理システムといった利用者が限られる特殊な用途のシステムは、導入時のシステムテストが重要です。
九州大学は2013年度から2021年度までのすべてのテストを再チェックして、ミスがあったのは2021年度入試のみだったと発表していますが、個別試験の二重計上や地歴・公民の1次県結果が算入されなかいといった不具合がなぜ2021年度のみに起こったのかをきちんと説明した方がよいと思います。
一般的に考えて、一切設定を変更していないシステムが2021年度にのみ不具合を起こすのは考えにくく、共通テストに変わったことで何らかの設定ミスがあったなど、原因を特定しておく必要があると思います。
コロナの予防接種の予約システムも不具合で問題を起こすなど、現代はシステム依存度が高いので、そのシステムを想定通り正しく動かすための人材が不可欠です。最後は人が精度を担保するといった気概がないと難しい時代になりました。
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