こんにちは。まさおです。
大学入試センターは、大学入学共通テストで英語民間試験と記述式問題の導入を見送ったったことにより、関連団体に約6億円の損賠賠償金を支払っていたことがわかりました。
今回のテーマは「記述式問題と民間英語試験見送りでセンターが賠償」です。
文科省の見送り決定で大学入試センターが賠償
大学入学共通テストの記述式問題と英語民間試験導入は新制度の目玉として鳴り物入りで準備が進んでいました。
一方で、実施に対する不安がくすぶる中、2019年12月に萩生田文部科学大臣が大勢準備が困難との理由で見送りを表明したという経緯があります。
今回明らかになったのは、上記の試験見送りに伴って、大学入試センターが関連団体に損失を補填する形で賠償を行ったということです。
具体的な内容は以下の記事を参照してください。
英語民間試験では「成績提供システム」の構築準備金に当たる額を、記述式問題では契約破棄に伴い委託団体に準備金に当たる額を、それぞれ支払ったと報道されています。
賠償金の財源は、本来国庫に返納される予定だった大学入試センターの積立金ということで、これだけの巨額の賠償の責任が不在になるのはよくないという議論が出て来そうです。
民間企業では6億弱の損害賠償を出したら、無事では終わらないはずです。今回の損害賠償について、誰も何の処分も受けないような状況だとすると、その体制自体が非常に厳しい状態であると言わざるを得ないと思います。
責任者不在の共通テスト改革
共通テストに記述式問題や英語民間試験を導入すべきという議論は2013年ごろから文部科学省内で熱心に議論がされていました。
最終的には結論ありきで具体的な問題点の解決議論がないまま、決定だけが先行してしまい、いよいよ具体的な体制構築という段階で、「ごめん、無理」という状態になったということです。
2019年12月の萩生田文部科学大臣の会見では、「歴代の文部科学大臣や文科省職員はきちんと議論をしてきたので中止の責任は私(萩生田氏)にある」という発言が出ていますが、本当に地に足の着いた議論であるならば、急転直下の延期という発表にはならなかったと思います。
生煮えの議論に結論ありきのトッピングでふたをしたというのが実態だと思います。
文部科学大臣も文部科学省の職員も責任ある議論を経て、責任ある決定をしてほしいです。その決定事項を背景ロジックとともに次の文部科学大臣に引き継いでいくのがあるべき姿だと思います。
英語民間試験と記述式問題の導入を最終的に決裁した人がだれで、その決裁理由は何かについて明示することが重要だと思います。
それが明示できない体制で結論を出してしまっていたわけではさすがにないと思いますが、先人に迷惑をかけないという後輩の忖度があるとすると、同じ問題がまた繰り返されるのではないかと心配になります。
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