こんにちは。まさおです。
東京オリンピックまであと3週間を切りました。各社の報道を見ると、学校観戦については中止する自治体と実施する自治体がそれぞれの基準で判断をしているようです。
今回のテーマは「学校観戦の判断基準は?」です。
読売新聞が6月30日段階の自治体対応状況を公表
オリンピックは現時点でも有観客と無観客の方針は決まっておらず、コロナ感染者の状況を見ての判断というあいまいな状態が続いています。
一方、今回のオリンピック開催にあたり学校観戦は、当初目玉施策の一つでした。世界中が注目する最大級のイベントを間近で見る機会は長い人生でもそうそうあるものではないと思います。
コロナ禍の中で海外からの観客受け容れもない中、オリンピックを直接見る機会(いわゆる学校観戦)について各自治体がどう判断をしているか、読売新聞の記事に詳細が載っていました。
これを見ると、以下のような状況になっていることがわかります。
公立小中の全校が参加(7自治体)
港区・品川区・葛飾区・千葉市・千葉県一宮町・静岡県伊豆市・茨城県鹿嶋市
公立小中の希望校が参加(2自治体)
札幌市・横浜市
参加中止を決定(6自治体)
文京区・目黒区・板橋区・足立区・さいたま市・埼玉県川越市
検討中(20自治体)
千代田区・江東区・大田区・静岡県小山町・福島市など20自治体で、都内が17を占める
東京都から提示される観戦に関する詳細を確認後決定という判断
参加する自治体と注視する自治体がほぼ同数で、判断の難しさが数字に表れています。判断が難しいのは基準がないからで、感染リスクがないとは思わないが大きなリスクとも言えないと捉えている自治体が多いようです。
オリンピックの感染リスクはこれまでとは分けて考えるべき
オリンピック観戦による感染リスクはどう評価すべきでしょうか。
これまで国内のスポーツイベント、たとえば、プロ野球などは最大10,000人の観客を入れて実施をしていますが、これによって大きな集団感染がおこったという報告は聞いていません。
その事実だけを見れば、オリンピックの感染もこれまで実施されてきた国内のスポーツイベントと延長ととらえるべきという考え方もあるかもしれません。
しかし、オリンピックはこれまでの国内のスポーツイベントとは大きく性質が異なるので、同じ発想ではいけないと考えます。
海外から大勢の選手を受け入れていること
海外から大勢の外国人選手を受け容れていることで、従来のスポーツイベントとは異なるリスクがあると思います。
選手団の合宿地での感染確認や取材した記者の感染事例などを見ると、海外から大勢の人が移動すること自体が一定の感染リスクの拡大を意味しているように見えます。
子どもたちを普段接触していない環境や人のそばに長時間連れていくことには慎重になった方がよいのではないでしょうか。
連日の開催で多人数の接触機会が増えること
もう一つの問題は、多くのスポーツイベントが短日から長くても3日程度で終了するのに対して、オリンピックは3週間にわたって開催され続けることです。
一部地方の協議は短期間で終了するものもあるかもしれませんが、予選からの一連の流れを見ると5日程度は少なくとも試合が続くようです。
試合が連日続き、その日ごとに大勢の感染者が出入りするとなると、多人数の人々が接触する機会が物理的に拡大していくことになると思います。
ウイルス感染は物理現象なので、単純に接触機会や接触可能性が高まれば感染リスクが高まるということでしょうし、デルタ株などはあっという間に広まるリスクがあるわけですから、その場に子供たちを連れていくことには慎重になった方がよいと思います。
五輪観戦の教育的意義
さらにいうと、今回のオリンピックを観戦することによる教育的な意義をどうとらえているかという問題もあります。
海外からの観客を受け入れて、試合会場で日本流のおもてなしとはどういうことかとか、外国の方と簡単な交流の期間が発生するとか、文化の違う人々を受け容れるための会場の工夫といった学びの機会が減っているなら、現地に連れていく必要はないと思います。
形骸化してただの観光旅行になってしまった修学旅行と似たようなことになるのではないでしょうか?
記事を書きながら冷静に状況を整理すると、学校観戦は中止した方がよいと思います。保護者の保護下で感染してしまうのと、学校の引率による感染では重みが違うと思いますし、同時に複数の児童・生徒が感染するリスクと感染による教育効果を比較すると、今回は感染リスクをとってまで引率する必要はないように思います。
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