こんにちは。まさおです。
入学試験において、採点基準が公表されているケースが意外と多くあります。受験生の皆さんは過去問だけでなく公表されている採点基準に目を通しておくとかなり有利です。
今回は「入試の採点基準を確認しよう!」というテーマです。
採点基準を知ることはゴールを知ること
かつては入試における採点基準はあまり公開されていませんでしたが、ここ10年くらいで一気に情報公開も進み採点基準もだんだんと詳しくわかるようになりました。
採点基準が分からないと以下のような迷いが生じます。
- 漢字に自信がないときに漢字で書いた方がよいのか、ひらがなにした方がよいのか
- 作文は指定字数に足りないと0点になるのか、部分点が来るのか
- 国語以外のテストの漢字の間違いは減点になるのか、ならないのか
上記のような迷いへの対処方針が明確になっていれば、入試本番も自信を持って対応を決めることができます。
孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」とあるように、相手がどのような答案を望んでいるのかを知ることが、入試対策の基本になります。
東京都立高校を例に具体的に考えてみましょう。
都立高校の採点基準を考える
たとえば、東京都立高校はどのような採点基準を出しているのでしょうか?
こちらのページの令和3年度の各教科の「正答表」と「(参考)採点のポイント」を見ると各教科の採点基準が書かれています。
詳細にわたる記述ではありませんが、十分ヒントになる情報になっています。
国語の採点基準を例に考える
まずは2021年度国語の正答表を確認してみましょう。
これを見るとなかなかに面白い情報が出ていますよね。
たとえば、大問1の漢字の読み取り問題は、ひらがなでもかたかなでも正答扱いになります。
次に、大問2の漢字の書き取りはなんと、旧字体も正答扱いすると書かれています。特に「潔」などは学校のテストでは絶対に正答にならないと思います。
さらに採点のポイントを見てみましょう。
これを見ると、都立の作文は字数による減点はなさそうです。
逆に
・自分の意見、主張が適切に書かれているか
・筆者の主張を的確に適切にとらえているか
・自分の主張の根拠が適切に書かれているか
がポイントということがわかります。
もちろん字数が少なければ上記の③ポイントをうまく書き表せないと思われますので、普通は一定の字数になると思いますが、少なくとも字数を気にして解答を書く必要はありません。
誤字に対する重要情報
最後に誤字に対する重要情報が書かれていますね。
今回の記事は国語を例にとりましたが、すべての教科の採点のポイントに、各校が独自に定める採点基準として、
「誤字が一つ以上ある。 (1点減点) 」のように、部分点の基準を加えること。
という記載があります。
全ての学校が同様の記載をしているかははっきりわかりませんが、少なくとも具体的な事例として「誤字が1カ所以上あれば1点減点する」という記述がありますので、多くの学校が同様の対応を取っていると考えるべきでしょう。
結果的に、国語以外の教科も誤字を書くくらいならひらがなを使うか、同じ意味の別の言葉を考えるかといった回避策が有効だということになります。
ひらがなで書いたら減点という記述はありませんから、まだひらがなの方が点数が来る可能性があるということだと思います。
かつては採点をする先生1人1人の好みで採点基準がブレていたこともあったようですが、今は採点基準の厳格運用が求められていますので、ひらがなも減点と学校側が決めれば、全ての答案のひらがな表記が減点となります。すべての事例をひらがな表記で減点と扱うのは採点ミスを誘発するので、基準の作成が難しいのではないかと想像されます。
よって、「誤字を書くくらいならひらがなで書く」という方針は一定レベル有効だと思います。
いかがでしたか?
多くの都道府県は県公立高校の採点基準を公表していますので、ぜひ、採点基準に書かれている内容を確認してみるようにしてください。
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