こんにちは。まさおです。
東京都立高校は、2023年度入試(現中2)から入学者選抜にスピーキングテストを導入予定です。今年の9月~10月でプレテストの2回目を実施し、いよいよ次年度に向けての準備も佳境になってきたようです。
今回のテーマは「都立入試校入試スピーキングテスト導入効果」です。
スピーキングテスト導入の影響
12/11のNEWSポストセブンの記事に、都立高校入試へのスピーキングテスト導入が取り上げられていました。
記事としては、一部の情報しか扱っていないようにも見えますが、意外と現状を端的にまとめて書いているようにも見えますね。
- スピーキングテストはベネッセが請け負う
- スピーキングテスト用のタブレット・イヤーマフ等もベネッセが容易
- 事業費は年間4億円
- 授業への導入も十分でない現状でテストがいきなりスタートする
- 配点は1000点満点に対して+20点ほどで影響は少ないという意見もある
⇒試験は11月ごろ行われ、得点が内申点に加算される。 - スピーキングテストにより現場職員の意識が変わる可能性もある
都立高校入試の観点では、4億円かけて20点分のテストを作っているように見えますね。本来はテストが主ではなく、スピーキング指導の重要性やその取り組みの成果を見えるようにすることが目的なのでしょうが、都立高校入試で使われるとなるとどうしてもテスト主体の取り組みに見えてしまいますね。
民間試験導入に批判の声も
今年実施したプレテストは都内の中学生約8万人とほぼ全員を対象に行った大規模なものでしたが、果たして採点基準等は問題ないのでしょうか。
Twitterなどを見ていると、フィリピンで採点したとか、採点の公平性に疑問が残るとか、問題点がいくつか指摘されています。
最大の問題点は、民間業者に丸投げ感があり、その結果について都教委がどこまで責任を持つのかなどが明示されていない点のように思われます。
個人的には、すぐに中止すべきとまでは思っていませんが、プレテストの結果を公表して専門家の意見も聞いた冷静な判断が必要だと思います。
都立高入試にすぐに使うのではなく、まずは定期テストの評価に加算するとか、日常指導の到達度を見るような設計が有効なように思います。
テストの前に日常指導の充実が重要
上記のような流れを受けると、教育現場におけるスピーキング指導の充実が先のように思えます。
型が決まっていないまま、試験をやっても導入効果はあまり期待できないのではないでしょうか。
- 日常のスピーキング指導の型を決める
⇒教材と指導法の標準化 - 到達度評価の型を決める
⇒何をどのような基準で評価するのか - テストの型を決める
⇒どのような問いにどのように応えさせどこを得点化するか
上記の流れがどのように整理されているかを改めて細かく見ていく必要があると思います。
本番までいよいよ1年を切って、最近この話題がにわかに注目されているようです。これからしばらくは、定期的に状況を注視していきたいと思います。
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