こんにちは。まさおです。
全国の公立高校入試は、個性重視の前後期型の流れと、一括募集ですべてを決める一本化の流れが両方動いています。
例えば、長崎県公立高校は前期選抜・後期選抜して2年目、千葉県公立高校は一本化して2年目です。
どちらの受検生も不安を抱えているようです。
今回のテーマは「公立高校入試は分割型か一括募集型か」を取り上げます。
一括募集型と分割型のメリットデメリット
全国の公立高校入試は毎年少しずつ制度変更を行っていますが、大きな潮流は「前後期分割型入試」と「一括募集型入試」の2つになっています。
たとえば、東京都は前期に推薦入試を行い、後期に一般入試を行っています。
ところが、神奈川県・千葉県・埼玉県はすべて前後期分割を辞めて入試を一本化した一括募集他の入試になっています。
一方で、長崎県は2021年度入試から、これまでの推薦入学者選抜を「前期選抜」と変更し、校長推薦不要で誰でもチャレンジできるように変更しました。
どっちの受検生も緊張しているのは同じようです。果たしてどちらがよいのでしょうか?
メリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
区分 | メリット | デメリット |
---|---|---|
前後期分割型 | ・受検生に複数の挑戦機会が与えられる ・前期の結果を見て後期の出願先を変更できる | ・前期の不合格者が多い ・結果的に合格できる学校に一度落とされる |
一括募集型 | ・募集枠が大きく不合格者が少ない ・試験回数が少なく採点ミスが起きにくい | ・一発勝負で不合格になるとすべて終了となる ・受検生にプレッシャーを感じさせる |
前後期に分かれている東京都立高校の推薦入試(前期)の高倍率ぶりは以下の記事でもご紹介したところです。
最近話題になる入試のミスの観点では、試験回数が多いこと自体が採点ミスのリスクを増大させることになります。
採点体制を万全にするために前後期制を廃止するという県も出てきています。
同一問題の学力検査を重視したいのであれば一括募集型の方が理にかなっていると思います。一方で、学力検査を中心としたいわゆる「輪切り」的な入学者選抜になるので、個性重視の考え方とは相いれません。
これからの時代は個性重視型入試が重要
今後の入試の在り方としてはどう考えればよいのでしょうか?
大学入試では「総合型選抜」という形式が増えてきており、全体の50%以上が一般入試以外のルートで入学をしてくるようになっています。
高校入試も旧来型の「調査書点」と「学力検査得点」の合計で合否判定を継続するなら、一括募集型にシフトすべきだと思いますが、おそらく個性重視の流れの中で学力検査得点を重視する選抜方式への風当たりが今後強くなると思われます。
その意味では、「調査書点」+「エッセー+面接」のようなタイプの採点ミスが起きにくい新入試が今後必要になってくるのではないかと思います。
中学時代に取り組んできたことや本人が興味を持っていることを確認して、その取り組み内容の価値や本人の伸び代を見極めていくことが重要になってくると思います。
入試制度の変更は世の常です。現状の制度が導入から4~5年程度経過すると制度変更の意見が出始めます。その意味では、ずっと同じ形式でやること自体は難しいのですが、何を基準に合格者を選抜したいのかの軸が見えれば、おのずと入試方式も決まってくるはずです。
今後は基礎学力だけでは生徒の伸び代が図れないので、個性重視型が増えてくると思います。
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