こんにちは。まさおです。
一橋大学の外国人留学生向け入試の問題流出事件で、受験をした中国人容疑者の自宅から小型のワイヤレスイヤホンが見つかったそうです。これを使用していたとすると、試験中の発見は相当困難だと思います。
今回のテーマは「一橋大学留学入試不正事件の小型イヤホン」です。
不正防止の在り方も大きな壁にぶつかりそうです。
不正事件容疑者自宅からワイヤレスイヤホンを押収
6/8、警視庁は1月31日に実施された一橋大学の外国人私費留学生向け入試で試験時間中の数学の問題を流出させたとして、20歳代の中国人の男を偽計業務妨害容疑で逮捕しました。
不正の手法がはっきりしていませんでしたが、この容疑者の自宅から小型のワイヤレスイヤホンが見つかったことで、これを使った可能性が高いことがわかりました。
このイヤホン、Amazonで「Exam Gadgets」として紹介されています。
入試のカンニングに使えるよということだと思いますが、売れれば何でもよいということなのですかね…。
このような形で紹介されていたら、この件だけでなく他の入試などでも使われている可能性は高いと思いました。
世の中の技術はどんどん進化し巧妙化していく中、監督強化の手法にも限界があると改めて感じます。
学力試験の不正抑止策は罰則強化か?
現在文部科学省は入試要項における「不正行為は警察に被害届を出す可能性がある」という周知と、試験監督の手法強化(目線や手の位置、スマホの事前電源オフ)などを対策として打ち出しています。
強い意志をもって不正を行おうとしている受験者に対しては「被害届を出す可能性」などという言葉は抑止効果を持たないかもしれません。
また、スマホの電源を事前にオフにすると言っても、スマホを複数持っていれば1台だけ電源をオフにしてもう1台は使用するといったことも可能で、実効的ではありません。
最後の砦は監督が目線や手の動きなどから不審な動きを確認するということになりますが、ここも人が対応している以上100%の精度というわけにはいかないと思います。
つまり、不正防止策はいずれも完ぺきではなく抜け道があるということです。
どんな問題でも、完璧に防ぐ手法を導入すると莫大なお金がかかってしまい、費用対効果が見合わないことが多いです。
電波を遮断する仕組みなども導入に100億円程度かかるという試算もあるようで、ほんの数名の対策のためにかける費用ではないと思われます。
不正発覚時の罰則を強化
最終的には罰則強化によって、ある程度の「見せしめ」による抑止効果を狙うしかないと思います。
不正行為により入試を突破することは、それによって不合格になる他の受験生にも失礼な話ですし、それ以前にその不正行為をする受験生の人間性に大きな問題があると言わざるを得ません。
不正が発覚した場合に、その受験生が刑事罰を受けることを社会的に周知し、恥ずべき行為であることを世の中に知らしめることが大事だと思います。
試験中の不正行為をゲームのようにとらえている受験生もいるかもしれません。そのような軽い話ではないということをきちんとメッセージとして発することは重要だと思います。
学力試験型入試を縮小またはやめる
まったく逆のアプローチは、試験場に受験生を集めてペーパーテストをやらせるという現在の入試形態をすっぱりやめてしまうという方法です。
事前提出のエッセーに面接試験というような総合型選抜を入試の大半として、学力検査型の入試の規模を縮小すれば目も行き届きますし、不正もしづらくなります。
出題ミスや採点ミス、得点集計ミスなど、学力検査型の入試は様々な問題を抱えているので、現代の公正性重視やミスに対する不寛容な世の中の変化を見ると、時代に合わなくなってきている手法であるのは間違いないと思います。
現在はこれに代わる代替案が整理できていないのでこの手法をとっていますが、いずれはなくなっていくものと考えた方が未来は明るいかなと思います。
この状況を考えると、CBT(Computer Based Testing)化も新たな手口の不正行為を生む可能性があると思います。
サーバー上にある問題の事前ハッキングによる流出や、使用デバイス側の脆弱性を利用して問題流出なども今よりやりやすくなってしまう可能性すらあると思います。
試験を設計する人が最新技術動向に疎かったりするので、有識者の正しい監修の下、設計をしていく必要があると思います。
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