こんにちは。まさおです。
7/7、都立高校入試で使用される英語スピーキングテスト(以下、ESAT-J)の受付が開始されました。Web上に開設される生徒マイページに基本情報を登録していきます。参加料は東京都教育委員会が負担します。採点内容が開示されないなど、公平性に課題がありますが東京都は実施に向けて粛々と対応を進めるようです。
今回は「都立高校入試スピーキングテスト受付開始」というテーマです。
ESAT-Jをめぐる問題点
これまでも何度かこのブログでESAT-Jの問題点については紹介をしてきましたが、改めて整理をしておきたいと思います。
東京都教育委員会はこれに対する一定の見解を持っているはずですが、きちんと公表しないので「入試改革を考える会」などを中心に批判が噴出しています。
たとえば、「1.採点の公平性の担保」については、国語の作文にも同様のことが当てはまります。
これまで長い間実施されてきた作文の得点については、採点者による公平性が担保されてきたというエビデンスが出ているわけではありません。これと同様に考えれば、この点は強弁可能なのですが、かえって国語の作文も巻き込まれて議論が大きくなるのを避けるために、あえて説明しないという態度なのかとも予想してしまいます。
2.も3.も同様に「こういう制度なのです」と言ってしまえばそれまでというレベルだと思います。
最大の問題は4.で、ここだけは試験制度としては欠陥だと思います。
以下の記事で制度上の不備を取り上げています。
私個人の意見としては、入試の得点には組み込まず、高校への申し送り事項として内申点に記載しておくというところにとどめるべきだと考えます。
どうも「実施ありき」で話が進んでいるようにしか見えず、入学試験が受験生にあたえるプレッシャーや生涯残る心の傷などには思いが至っていないようです。
ESAT-Jの申し込み開始
上記のような問題点への解決策を具体的に提示しないまま、7/7、ESAT-Jの申し込みがスタートしました。生徒マイページから必要情報の登録を行います。参加費用は東京都教育委員会が負担します。
全員受験必須なのになぜ申し込みが必要なのでしょうか?
これは、実施業者が民間のベネッセということもあり、
・外部委託への承認を生徒個々からとること
・ESAT-Jの採点上必要な個人情報をシステムに登録すること
が主たる目的のようです。
一連のプロセスの中に「利用規約の確認」という項目がありますが、これは保護者が同意しないといけないものだと思います。生徒マイページという記載は生徒個人に作業をさせる前提に見えるため、ここも対応不備が懸念されます。
具体的な登録項目
具体的な登録項目は以下の通りです。
- 生徒姓名・カナ姓名・生年月日・組・出席番号・顔写真
⇒受験票に印刷
⇒試験当日の本人確認
⇒スコアレポートに掲載する基本情報 - 電話番号
⇒入力内容に不備があった場合の連絡先情報として使用
⇒緊急事態発生時の連絡先情報として使用 - (任意)メールアドレス
⇒申し込み完了メールを送付
⇒顔写真に不備があった場合再登録のご案内を送付
かなり込み入った項目の登録が必要になりますね。
特に氏名・生年月日・電話番号と紐づいた顔写真の管理はかなり重い機微情報に当たると思いますので、注意が必要だと思います。
東京都教育委員会は、どうしてもこのテストを実施したい意向が強いのですが、大きな事故や問題が発生しないように祈るばかりです。
受験生の皆さんは、制度がどうであれベストを尽くすしかないので、持てる実力を発揮できるように日々頑張ってください。
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