【国文法攻略】品詞の知識④ ~接続詞とは?~

品詞の解説④接続詞の特徴 国文法
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まさお
まさお

接続詞と接続語の違いがいつもわからなくなる!
接続詞の勉強をすると、いつもこんな質問が出てきます。
今回は、「接続詞」を取り上げます。品詞そのもとしては、それほど複雑ではないのですが、ちょっと派生して読解問題での接続詞の扱い方などにまで言及できればと思います。

では、頑張って行きましょう!

前回の「副詞」の解説は以下からご確認ください。

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接続詞とは? 接続ごとの違いは?

最初に接続詞と接続語の違いを整理しておきます。

接続詞」は名前の通り接続の働きを持つ文節「接続語」になれる品詞です。

接続…接続の働きを持つ文節(文の成分)
接続…接続の働きを持つ単語(品詞)

上記の通り接続語は文節の働きに対して使う分の成分です。ところが、接続語になる文節は接続詞以外にもありますので、接続詞の特徴をきちんと整理をしておきましょう。

接続詞の特徴
  1. 単独で接続語になる
    接続語というのは、前後の文節と文節をつなぐ働きをする文節のこと。
    「だから」とか「それで」に代表されるような言葉。
    「単独」というのは、連体詞や福祉の時と同様で、その単語だけでという意味。
  2. 活用しない
    活用しない自立語と区分しているので当然なのですが、形は常に同じ。
  3. 接続詞の主な働きは6種類
    6種類すべて覚える必要はありませんが、「順接」だけはきちんと理解しておいた方が読解で有利になります。
まさお
まさお

接続語は慣れれば特に難しい問題にはなりません。試験でも接続詞の種類を問われるケースはほとんどないですし、選択肢を与えられれば選べるケースも多いと思います。
ただし、「順接」は勘違いして覚えている人も多いので注意が必要です。

接続詞の例と6つの種類分け

接続詞は実例を見て覚えてしまった方が早いので、6つの種類と具体例を示しておきます。

最初に6つの種類と代表例を下の表で示しておきます。その後、それぞれの働きの詳細を見ていきましょう。

種類働き接続詞の例(赤字は代表例)
順接原因⇒結果の関係を表すだから・それで・したがって など
逆接原因⇒想定外の結果の関係を表すしかし・けれども・だが など
並立・添加後の文節を並べたり、付け加えたりするそして・ならびに・また など
説明・補足前の文節を言い換えたり、説明を補ったりするつまり・なぜなら・ただし など
選択・対比2つの文節を比較したり選択したりするまたは・あるいは・もしくは など
転換話題転換をするときに使うところで・さて・では など
「接続詞の6つの種類」赤字は特に覚えておきたいもの

順接…原因⇒結果の関係

順接」という言葉はどこかで聞いたことがあると思います。

ところが、その働きは意外ときちんと説明されていなかったり、受験生の頭に入っていなかったりしますので、改めて理解しておきましょう。

例1)風邪を引いた。だから、学校を休んだ。
 ⇒「だから」の前が原因、後ろが結果

例2)熱を出した。それで、部活を休んだ。
 ⇒例1と同じ順接。「だから」と「それで」は同義と考えてよい。

まさお
まさお

「順接」は読解問題の空所補充問題でよく出ます。空所の前後が原因⇒結果の関係だったら「順接」の接続詞を入れればよいと考えましょう。

逆接…直前に原因⇒直後に想定外の結果

「逆接」は「順接」の逆という考え方なのですが、厳密には結果部分が順当に起こるはずの結果と逆の結果が来るという考え方を取ります。

感覚的に逆接は理解されていると思うので、あまり理屈で考えすぎなくてもよいと思いますが、文法用語としての「逆接」の意味を正しく理解しておくと助詞の学習のときなどに地味に役に立ちます

例3)雨は止んだ。しかし、体育祭は中止のままだった。
 ⇒雨が止んだのだから体育祭は再開してほしかったが、意に反して中止のままだった。

まさお
まさお

「逆接」に似た言葉で「逆」という言葉があります。「逆説」は接続詞とは全く関係のない言葉ですが、国語の文章ではよく出るので覚えておきましょう。
逆説…一見矛盾しているように見える真理。「急がば回れ」のような説」です。

並立・添加…後ろに前の文節と同列のものを並べたり付け加えたりする

「並立・添加」は少しわかりづらいかもしれませんね。「累加」などと言ったりすることもありますが、ますます訳が分からないかもしれません。
単純に「並べたり付け加えたりする働き」程度で理解をして、代表例を覚えると早いと思います。

例4)彼は人一倍努力をした。そして、優勝を成し遂げた。
 ⇒努力しただけでなく、それに付け加えて優勝もしたということ。

例5)彼女、並びに、彼女の家族を国外に脱出させた。
 ⇒彼女と彼女の家族をならべて(並立して)あつかっている。

まさお
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ここで一番大事なのは「そして」は順接ではないということです。なんとなく順接を理解している人は、「そして」を順接と感覚的に捉えがちなのですが、原因⇒結果の関係になりませんので、注意してください。「そして」は添加、付け加えの接続詞です。

説明・補足…前の事柄の内容を言い換えたり詳しく説明をする

「説明・補足」もピンとこないかもしれません。例を見ておきましょう。

例6)彼は誰にも負けなかった。つまり、優勝者だったのだ。
 ⇒「誰にも負けなかった」ということを「優勝者」と言い換えている

例7)彼は学校を休んだ。なぜなら、熱を出したからだ。
 ⇒「学校を休んだ」理由を、「なぜなら」の後ろで説明している。

まさお
まさお

「つまり」も「なぜなら」も読解問題の空所補充でよく出る接続語です。
「つまり」…言い換えの接続詞で、前後の内容は同じ
・「なぜなら」…理由説明の接続詞。うしろに「~から」が来る

この2つは絶対に覚えておきましょう。

選択・対比…接続詞の前後の文節を比較したり選ばせたりする

「選択・対比」は実例をみればイメージしやすいと思います。

例8)犬、または、猿をお供に連れて行くなんてどうかしている。
 ⇒犬か猿のどちらかをお供にしないといけないという意味。

例9)パンを好むものもいれば、一方、ご飯を好むものもいる。
 ⇒パン好きとごはん好きを対比している。

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転換…これまでの話題を変えて、別の話に切り替える

これも実例を見ればすぐにわかると思います。

例10)今日の説明はここまでです。ところで、次回の予定はいつでしょうか。
 ⇒話題の転換をしている。段落が変わることも多い。「さて」も同義。

【補足】単独で接続語にならない事例

ここまで理解すれば接続詞の理解はほぼ完璧なのですが、冒頭の特徴で説明をした「単独で接続語になる」について補足します。

接続詞は「単独で接続語になる」品詞なのですが、単独でない接続語というのはどういうものがあるのでしょうか?

「文の成分」のところで、学校などでは習っているかもしれませんが、以下のような例です。

例11) 風邪をひいたので、学校を休んだ。
 ⇒「ひいたので」が順接の働きを持つ接続語となっている。「ひい/た/ので」と3つの単語に分けられるので、単独で接続語になっているとはいえず、ここには接続詞はない。

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まとめ

今回は6つの接続詞の種類についてそれぞれ例文を示しました。
その例文を使って理解をしておくだけでほぼ完璧だと思います。

例1)風邪を引いた。だから、学校を休んだ。
 ⇒【順接】「だから」の前が原因、後ろが結果

例2)熱を出した。それで、部活を休んだ。
 ⇒【順接】「だから」と「それで」は同義と考えてよい。後ろに結果が来る

例3)雨は止んだ。しかし、体育祭は中止のままだった。
 ⇒【逆接】前の文から予想される結果に反した結果が来る

例4)彼は人一倍努力をした。そして、優勝を成し遂げた。
 ⇒【添加】努力しただけでなく、それに付け加えて優勝もしたということ。

例5)彼女、並びに、彼女の家族を国外に脱出させた。
 ⇒【並立】彼女と彼女の家族をならべて(並立して)あつかっている。

例6)彼は誰にも負けなかった。つまり、優勝者だったのだ。
 ⇒【説明(言い換え)】接続詞の前の文の内容を後ろの文で言い換えている

例7)彼は学校を休んだ。なぜなら、熱を出したからだ。
 ⇒【説明】「学校を休んだ」理由を、「なぜなら」の後ろで説明している。

例8)犬、または、猿をお供に連れて行くなんてどうかしている。
 ⇒【選択】犬か猿のどちらかをお供にしないといけないという意味。

例9)パンを好むものもいれば、一方、ご飯を好むものもいる。
 ⇒【対比】パン好きとごはん好きを対比している。

例10)今日の説明はここまでです。ところで、次回の予定はいつでしょうか。
 ⇒【転換】話題の転換をしている。段落が変わることも多い。「さて」も同義。

まさお
まさお

入試などでも、接続詞の意味が直接問われるような問題はまず出ません。多くは読解問題中に空所補充問題として出されるということを念頭に置いておきましょう。
特に、「順接」「添加」「説明」の接続詞がよく出ます。かならず、例文を使って理解しておくようにしましょう。

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