【文部科学省が通知】指導要録の「出席停止」欄の名称変更OK!

指導要録の出席停止欄の名称変更教育に関する政策
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まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
10/22、文部科学省は指導要録上の「出席停止・忌引等の日数」欄の名称変更を学校設置者の判断で変更してよいという通知を発出しました。オンライン授業の出席日数が「出席停止~」欄に記載されることに対する配慮としての対応です。
今回のテーマは「指導要録の『出席停止』欄の名称変更」についてです。

指導要録の「出席停止」欄の名称変更の要点

◆文部科学省の通知は「指導要録」上の名称変更が対象
⇒指導要録は成績証明の原簿となる資料
⇒学籍に関する記録は20年保管。出席日数や成績等の記録は5年保管
◆入試で使う調査書は「指導要録」をもとに作成される
令和4年度入試においては「出席停止」欄に日数記載をしないよう通知済み
政令都市市長会の要望を受けた対応も実質的な効果はほとんどない

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文部科学省の「出席停止」欄の名称変更の通知内容

10/22、文部科学省は全国の教育委員会等の学校設置者に対し、「指導要録」の「出席停止・忌引等の日数」という欄の名称変更を可能とする通知を出しました。

10/23段階、文部科学省のWebサイトにこの通知が掲載されていないようですが、以下のような報道が出ています。

今回の対応のポイントは以下の通りです。

  • 10/12、政令都市市長会がオンライン授業出席日数を「出席停止・忌引等の日数」欄に記載することについて保護者に不安を与えるので変更するように提言
  • 上記を受け、文部科学省内で検討の上、名称変更可能の通知を発出
  • 変更対象は「指導要録」の「出席停止・忌引等の日数」欄
  • 変更案として「オンラインを活用した特例の授業・出席停止・忌引等の日数」などを提示
  • 名称変更は学校設置者の判断で行う

「指導要録」は調査書などを作る際の原簿となる記録で、学校教育法で定められた保管義務があります。

2 前項の表簿(第二十四条第二項の抄本又は写しを除く。)は、別に定めるもののほか、五年間保存しなければならない。ただし、指導要録及びその写しのうち入学、卒業等の学籍に関する記録については、その保存期間は、二十年間とする。

「学校教育法施行規則」より

学校卒業後5年間は成績や出席日数等を記載したページを学校で保管するように規定しています。ちなみに、学籍に関するページは別になっており、ここは20年保管という規定になっています。

まさお
まさお

10/12の政令市長会の要望を受けて文部科学省が対応をしたという格好になっており、オンライン授業に伴う必要な対応を形式上は行ったことになっています。

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令和4年入試ではそもそもこの欄は使わない

上記のような通知は出されていますが、令和4年度入試においてはすでに文部科学省が調査書の「出席停止・忌引等の日数」に数字を記載しないように求めており、上記の対応は入試終了後の追跡などが必要になった際に混乱を招かないといった程度の効果しかないように思われます。

令和4年度の高校入試・大学入試で使用される調査書については以下の対応をするよう求めています。

  • 今後、作成する調査書について、「出席停止・忌引き等の日数」は記載をしない
  • 「出席停止・忌引き等の日数」が推測できる「授業日数」も同様に記載しない
  • 調査書作成に係るシステムの改修を要する場合や、既に調査書を作成し、志願者本人に発行している場合などで、新たな調査書の作成、発行に相当の負担が生じるなど、それが困難な場合には、従前の方法による調査書を作成、利用することもやむを得ない
  • 指導要録の「出欠の記録」の「備考欄」にオンラインを活用した特例の授業の参加日数を記載することとされたことを踏まえ、調査書の「出欠の記録」の「備考欄」にも同様に、オンラインを活用した特例の授業の参加日数について記載する

上記の中で唯一厄介なのが、調査書作成をシステムで対応している場合などでシステム改修が必要な場合は数値を記載しておいたままでも構わないとなっていることです。

費用対効果を考えればそういう対応もやむを得ないのですが、結局徹底のされない通知ということになります。

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保護者の不安払拭は高校・大学側の対応次第

最終的に保護者の不安に対する根本的な対応策は、高校や大学側が「出席停止欄を見て合否を決めない」と宣言することだと思います。

今回の問題の本質は「出席停止」という言葉が、何か問題を抱えて学校に行ってはいけない状態を抱えた生徒という印象を与えることにあります。

つまり、入試で不利に扱われて合格するべき学校に不合格になってしまうのではないかという不安ですから、学校側がWebサイトなどで調査書の「出席停止・忌引等の日数」欄の扱いについてどういう姿勢で臨んでいるかを明示すれば解決する話です。

すでに高校や大学側にはコロナによる出席日数をもとに不利に扱わないよう通知も出ていますので、すべて対応は済んでいるはずなのですが、やはり「出席停止」という言葉がどう場面で使われているかというのが不安をあおるということだと思います。

まさお
まさお

今回の問題は、ロジックというよりも保護者の不安感にどう寄り添っていくかという観点の問題です。お役所的にはかなりの配慮をした動きだと思いますが、合否判定を行う学校側がきちんとこの件に対してどう向き合うかをWebサイトや学校説明会で言及することが重要だと思います。保護者の立場では説明会時の質問や学校への問い合わせをするなどで、「出席停止」欄の扱いの確認を取れば安心だと思います。

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