こんにちは。まさおです。
毎年この時期になると入試関連のミスがニュースで報じられます。出題ミスも多いのですが、人為的なヒューマンエラーも増えているように見えます。制度的な問題も多くあるように思います。
今回は「入試におけるヒューマンエラーの撲滅方法」というテーマです。
人がかかわっている限りなくならないヒューマンエラー
日本の入試制度は厳密さが特徴で、試験時間や試験環境など公平性を担保して正しく受験をしてもらうことになっています。
一方で人が関与している限り、母数が増えれば必ずエラーが起きます。これはエラーを起こした本人の問題と片づけられるものでもなく、確率論に近い部分があります。
たとえば、2021年3月以降の10日間余りで以下のようなニュースがありました。
1.大学入試の願書を教諭が出し忘れる
2.提出した調査書の得点に記載ミス
3.入試を欠席した受験生宅に合格通知が届く
4.回収した答案を紛失してしまう
いずれも確率的には非常に低く、統計的に見れば誤差の範囲で処理されるようなことなのですが、当のの受験生本人にとっては大問題です。
これまでもこのようなミスがあったと思われますが、学校と本人の間でうまく収めていたはずです。
今はSNSやネットニュース等であっという間に拡散する時代ですから、このようなミスがあること自体を社会が許してくれなくなってきています。
普通に考えて、願書の出し忘れなど受験生側から見たら許せない、ありえない話ですが、毎年いろいろなところで起こっているようです。
このようなヒューマンエラーの被害者を出さないことがこれからは大事になってくると思います。
出願に関連する書類提出は先生を介さない方がよい
上記の例の中でも、高校の先生が出願書類を預かったまま出し忘れるというのは悲惨です。
気づいた先生が大学側と交渉して出願できれば救いですが、大学側から断られてしまうとそもそも受験することすらできません。
いったい何のためにこれまで勉強してきたのだということになるでしょう。
受験生の保護者は学校や教師を訴えるというかもしれません。
学校の先生も悪気があって出し忘れたわけではなく、数ある受験生対応の一つでミスを犯してしまったにすぎません。
学校の先生にもっと管理能力があればよいのでしょうが、日々多くの受検生と向き合っている学校の先生の中には、どうしても抜け漏れが出てきてしまうことがあります。
これからの時代は、出願書類の準備や出願手続きはすべて受験生の手続きに変更していく必要があります。学校の先生が何かを預かって手続きをするのではなく、学校の先生は受験生側の依頼に対して、期限までの書類を準備するまでにとどめるということが必要です。
現在、出願手続きも大半がWeb出願になってきています。調査書も本人が中身を見られないこと自体がすでに時代とずれているので、成績をつける段階からプロセスや基準を開示してそれにのっとった調査書をつけることが重要だと思います。
まとめると…
上記以外のトラブルも含め、これからの入試システムはどうあるべきかを考えると…
1.出願手続きは受験生側が責任をもって行う方式にすべき
⇒多く学校がWeb出願に移行しているので、その流れに近づいている
⇒学校の先生が受験生の書類を預かる形式はなくしていくことが望ましい
2.調査書・報告書の内容は本人に開示すべき
⇒秘匿性を維持するために学校側が抱えているリスクが大きくなってきた
⇒情報開示の時代の流れからも本人が内容を確認して提出することが望ましい
⇒本人確認が入ることで記載ミスがあっても事前に分かる可能性が高い
3.受験票にQRコードなどを付与し出席確認を電子化すべき
⇒答案の取り違いは座った席と受験番号を人がチェックしているから起こる
⇒受験票の写真と本人の照合も含め、普通は気づけるミスだが母数が多いとゼロにならない
⇒受験票にQRを付して、入場時にチェックすれば欠席者を電子的に管理できる
4.答案採点において、画像処理システムを入れる
⇒解答用紙にバーコードなどを付与し答案をスキャナで読んで画像処理を行う。
⇒画像処理化により原本が控えとなり、紛失リスクが大きく低減される
⇒試験終了直後の回収時の枚数確認が重要ポイントで、ここの徹底だけは残さないといけない。
入試のデジタル化もかなり進んでいると思いますし、すでに導入されている学校も多いと思いますが、最低限の安全性を担保する仕組みへの設計変更が急務だと思います。
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