こんにちは。まさおです。
4/9、大学入試センターは「運営審議会将来構想ワーキンググループ」の議論をまとめたレポートを公表しました。
今回のテーマは「大学入試センターの経営難と共通テスト」です。
大学入試センターが将来構想レポートを公表
大学入試センターは4/9、大学入試センター自身の将来のあり方に関するレポートを公表しました。
概要と詳細資料が以下のページで確認できます。
このレポートの中で、「継続的・安定的な運営に向けて取り組むべき事項」として、⓵収入確保、②経費削減が提示されています。
ある意味当たり前の2つですが、ここに独自の努力の余地がどの程度あるかというのがポイントになります。
検定料収入は相当厳しそうです。
共通テストの受験料は2教科以下で12,000円、3教科以上で18,000円と決して安くはないのですが、この金額は省令事項で平成17年度以降据え置かれているようです。
文面からは「もう少し値上げしないと厳しい」という思いがにじみ出ていますが、自分たちで検定料は決められないのです。
また、大学入試センターの自己収入の9割が検定料なので、ここの収入に大きな変動があると一気に収益構造が悪化するリスクを抱えているとも書かれています。
共通テストの検定利用が比較的高いのは、大学入試センターの研究開発費も検定料収入で賄っているという背景があるからです。
この構図がそもそも無理があると思います。研究成果が収入に反映できるようにしないと、中長期的には衰退してしまいますね。
共通テストの受験者は今後減少傾向
共通テストの受験料が仮に値上げされたとして、受験者数が一定数確保されなければその値上げも意味がなくなってしまいます。
2020年度入試から総合型選抜という名称でAO入試を再編し、コロナの影響も追い風となって受験者が増加傾向です。
総合型選抜で早期に進学先が決まれば、共通テストを受験しない可能性は高いです。
受験率が漸減するような状況であれば、検定料を上げてもその効果は限定的にならざるを得ません。
もし何かの事情で共通テストがたった1年中止になっただけで大学入試センターは立ち行かなくなってしまうことになります。
中長期的には「同一期日」「同一問題」「試験場参集」「一斉実施」といった前提条件そのものの見直しをしていくことが必要です。
入学段階での「選抜」の要素を弱めて、基礎学力をチェックする資格審査試験のようなもので簡素化するのも一つの方法ですし、高校側の学習態度を中心とした推薦方式にするという方法もあると思います。
いずれにせよ、公平性という名のもとにがんじがらめに縛ってきた試験制度は間もなく限界を迎えようとしているわけで、その後の世界をどう作っていくのかの議論をすぐに始めた方がよいと思います。
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