こんにちは。まさおです。
来年度、小5・6の一部授業で「教科担任制」が導入されます。7/21に文部科学省で開かれた「義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議」では、外国語・理科・算数に加えて体育にも教科担任制を取り入れるべきという案が出ています。
今回のテーマは「小学校の教科担任制の効果」です。
政府有識者会議の内容とは?
7/21の「義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議」の議事や資料は以下のページから確認が可能です。
特に、「教科担任制の在り方」に関して過去の政府方針から、以下が要点としてまとめられたようです。
- 小学校英語専科指導のための加配
- 小学校高学年における教科担任制の推進
- 理数教育の強化にむけ、教科担任制を推進
- スポーツ△人口の拡大を目指し、小学校における体育の専科教員の導入促進
上記をまとめると、英語・算数・理科・体育の4教科を教科担任制にすべきということになりますね。
たとえば、ある日の午前中の時間割が「国語・算数・理科・英語」となっていると、場合によっては4人の先生が入れ代わり立ち代わりで授業をするということになりそうです。
これにより専門性の強化や労働環境の改善は一定レベル測られる可能性は十分あると思います。
小学校における教科担任制のデメリット
小学校の教科担任制におけるデメリットはないのでしょうか?
デメリットのない施策は原則ありませんから、いくつでメリットが存在します。
子どもの全体像が見えづらくなる
教科担任が増えれば増えるほど、担任が全体像を把握しづらくなります。
今回の教科担任制により、すでに音楽や図工などにも教科担任が入っていると、
・英語
・算数
・理科
・体育
・音楽
・図工
・家庭
が教科担任制となり、残る教科は国語と社会くらいになってしまいます。
中学校と事実上変わらないことになるので、担任がよほど他教科の担当から情報収集をしていかないと児童の把握がしづらくなってしまいます。
担任の裁量時間が減る
担任の裁量時間というのは、たとえば、学校行事の準備などをしなければならなくなったときに授業コマを入れ替えたりして時間を作り出す遊びのようなものです。
学級担任制は先生1人がすべての教科を教えることで時間の融通が利かせやすいというメリットがありました。教科担任になると、各担任の他のクラスでの授業との調整が必要になるので弾力的な運用というのは難しくなってしまいます。
指導教員が不足すると毎年違う科目を教えることになりかねない
教科担任制は1クラスに関わる教員が増えるため、ある一定数の教師数がそろっていないと運用が難しくなります。指導教員数が不足すると、ある年は算数を教えていた先生が翌年は理科担当になるといった、教科担当の理念を骨抜きにするような運用実態が出てきかねません。
教科担任制で専門性を高めるということであれば、自分の指導教科は固定にするのが望ましい対応と言えます。算数と理科は両方やってもいいような気もしますが、他の教科との入れ替えなどがあまり頻繁に起こるとデメリットの方が強く出てしまうことになります。
教科担任制にすれば、小学校の先生の忙しさは間違いなく軽減されると思います。一方でそのために必要な人の手配や制度運用の手間も一定数あり、強い意志を持って導入にかじを切る必要があると思います。
これまでの文科省の他の施策のように制度設計が甘くて、「やってみたら難しかった」とならないようにしてもらいたいですね。
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