こんにちは。まさおです。
文部科学省は8/31、今年の5月に実施した全国学力調査の結果を発表しました。
文部科学省は休校期間と成績の相関はほぼないという結論付けています。
今回のテーマは「全国学力調査結果速報」です。
全国学力調査結果
全国学力調査の結果は「国立教育政策研究所」のホームページに公表されています。
小学校は98.7%、中学校は93.8%が参加
参加校の状況は以下の通りです。
私立の小中学校の参加率が低いですが、生徒数も少ないため全体の参加率は90%を超えるレベルになっています。
公立校に絞ればほぼ全員が対象になっている悉皆調査に近いとみてよいと尾見ます。
平均正答数・平均正答率
平均正答数と平均正答率は以下の通りです。
小学校の国語と算数は全開よりもやや上昇、中学校はやや低下という状況になっています。
問題内容がそもそも違うことや設問数が少ないと正答率の計算が粗くなるため、精緻は比較は難しいです。一方で、極端に率が下がったと認められるわけでもありません。
学力的な低下はなかったと考えるのが妥当と思います。
令和元年と比べると中学の国語の数値は下がっているように見えますが、前回の正答率が少し高すぎると思います。一般的には生徒率60%前後を想定して問題を作ると思われるため、前回の高すぎる正答率の反省から難易度調整が入ったとみるべきだと思います。
休校による学力低下はなかった
公表から時間が短く、自治体単位の精緻な資料確認がまだできていないのですが、各社の報道などを見ると休校による学力低下はなかったようです。
休校期間を10日ごとに区切って生徒率比較をすると以下のような結果になりました。
区分 | 休校が 10日未満 | 休校が 90日以上 |
---|---|---|
小学校国語 | 65.3% | 64.3% |
中学校数学 | 54.4% | 56.7% |
中学数学では休校が90日以上の方が正答率が高く出ています。
都市圏が休校が長かったにもかかわらず成績が高いのは、学校だけではなく塾の力が大きいです。塾もオンライン授業で学びを止めないという動きを取り、休校後の遅れ回復にも相当力を入れたはずです。
休校期間直後の調査ではないので、その後の学力回復のための努力との相関を見る必要があると思います。
学力不安と成績の相関
最後に、質問紙調査と成績の相関に触れておきます。
小中ともに「新型コロナウイルスの感染拡大で多くの学校が休校していた期間中,勉強について不安を感じましたか」という質問に対する回答と教科の平均正答率を比較した資料が公表されています。
小学校の結果
小学生では全体の55%が何らかの不安を感じたという回答をしています。正答率も算数においては不安を感じた生徒ほど正答率が低く出ています。
もう一つのポイントは「思い出せない」という生徒が6.9%いて、このグループが最も正答率が低いということです。思い出せない理由にもよると思いますが、こういうグループがあることは知っておくべきと思いました。
中学校の結果
中学生では何らかの不安を感じた生徒が62.5%と小学校よりも7ポイントほど高く出ています。国語・数学ともに不安を感じた生徒ほど正答率が低く出ています。
小学生同様、「思い出せない」というグループが5.3%いて、正答率ももっとも低く出ています。
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