こんにちは。まさおです。
2022年度の予算編成をめぐり、少人数学級の実現を目指す文部科学省は財務省に予算要求するも財務省に検討が甘いと押し返されているようです。学校の教員の負担減には予算調整が必須なため、この動きには注目が必要です。
今回のテーマは「小中学校の少人数学級と予算措置」です。
文部科学省 VS 財務省の報道
昨年に引き続き、文部科学省VS財務省の予算要求に関する応酬が勃発しています。
毎日新聞が以下のような報道をしていました。
ポイントは以下の通りです。
- 文科省は小学校教科担任制拡大を目指したい
- 2022年度は教員定数2000名増のため44億円を要求
- 財務省は人員配置の工夫によりもう少し金額を下げられるのではないかと指定
- 文部科学省は地理的条件で困難な場合もあると反論
ちなみに文部科学省の概算要求資料はこちらから確認が可能です。
教員増のページを抜粋すると以下のような記述になっています。
文部科学省側の要求に対して、財務省は各省の要求の妥当性を検討し本当にその要求が正しいのかを検証します。今回は、「もう少し要求額を下げる余地があるのではないか」という提示に対して文部科学省が「そういうわけにもいかない」と反論している図になっているようです。
文科省側の反論資料がどれだけ精緻なものになっているかがポイントかと思います。
経済合理性を教育にも持ち込む必要がある
文部科学省の概算要求の算定根拠がどの程度精緻なものか不明ですが、財務省側も「財政制度等審議会」の作業部会で要求内容のチェックをして、「小規模校においては、中学校の教員を活用する『小中連携』により導入できる可能性がある」という指摘をしているようです。
過去にも何度かこのブログで取り上げたことがありますが、財務省は文部科学省の予算要求についてあまり信用していないところがあるようです。
とくに、数年前の「電子黒板」導入の時に、せっかく導入された電子黒板が多くの学校で活用されていない実態を見て、文部科学省の検討や計画について要注意と思っている節があるようです。
文部科学省は反論の根拠を丁寧に積み上げる必要がある
文部科学省の費用算定にあたっては、少なくとも財務省の調査以上の精緻さをもって反論しないと、簡単に予算確保は難しいと思います。
具体的には、各自治体の実情及び少人数学級実現のための具体的な施策を自治体単位で提出されて積み上げる必要があります。
また、この検討に当たってはモデルパターンを文科省側から各自治体に提示する必要もあると思われます。
- 都市型の自治体における教員増のモデルパターン
- 小規模校(1学年1学級など)におけるモデルパターン
- 地域の小中連携のモデルパターン
などを示したうえで、経済合理性や導入費用対効果の試算と合わせてこれだけの要求をしたいという根拠を示すことが重要だと思います。
教育にお金がかかるのは自明なのですが、逆に強意君には際限なくお金をかけてよいのかと言われれば、今の日本の状況はそういうわけにもいかないというところだと思います。
財務省も納得いくような提案が出せるとよいのですが、文部科学省側にそれだけの実力があるかが問われますね…。
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