入試本番。これまで準備してきた力を全て発揮して合格で締め括りたいと思うのですが、現実はなかなか綺麗に合格で終わらせてはくれません。
実力不足で明らかに不合格でも仕方のないケースもありますが、つまらないミスを連発してしまい実力とは程遠い答案を出してきて悔し涙を飲むケースも少なからずあります。
ここでは、本番に強くなるための秘訣を伝えたいと思います。
本番で緊張する理由
入試に限らず、部活の試合でも面接でも、本番には常に緊張感がついて回ります。
なぜでしょうか?
色々な理由が絡んでいますが、一番は何が出てくるかわからない不確実な未来への不安だと思います。
入試本番で過去問と違う問題が出たらどうしよう、試験会場が予想と違ってやりにくい環境だったらどうしようなど、予測しきれない未来への不安が緊張の原因です。
歌手がコンサートの前にリハーサルをするのも、事前に一通りの経験しておくことで、予定通りの未来を迎えられる準備をしていると考えるとわかりやすいでしょう。

何でも、「本番」と言われる大舞台で緊張するのはやむをえません。本番でうまくいかなかったらどうしようという不安が緊張の背景にあることを理解するだけでも緊張との向き合い方に変化が生まれるはずです。
本番の緊張は味方にもなる

ところで、緊張感というのはマイナスばかりではありません。
程よい緊張感は普段とは異なる鋭い感覚をもたらしてくれます。
たとえば、計算の途中で式の書き方を間違えた際に、程よい緊張感を持っていると間違いに気づきやすくなります。自分を客観的にみることができるようになるのです。
問題文を正確に読んだり、計算を正確に処理したりするときにはむしろ緊張感があった方がよいということもあるということです。
緊張感を味方につける準備ができれば最高だということになります。
練習を本番に近づけると本番での緊張は緩和される
適度な緊張感を呼び込むには、不確定な不安を極力取り除くことが大事です。
本番に向けた効果的な準備というのは、あらかじめわかっている情報を整理して要点を事前に頭に入れておくことに他なりません。
①入試問題に関する情報
②試験時間と当日のタイムスケジュール
③試験会場の情報
上記の情報を事前に持っていれば、かなり余裕をもって当日を迎えることができます。
① 入試問題の傾向把握
これはほとんどの人がやっていると思います。
以下の記事で詳しく取り上げています。
特徴的な出題傾向を把握しておけば、当日、要らぬらぬ緊張に振り回されることはありません。特に記述式回答がどの程度要求されるかは準備の質を大きく変える重要情報です。
試験時間の使い方(着手する問題の順序、捨て問題の選択)や教科別の力の入れ方(得点バランス)なども過去問研究により方針が決まります。
絶対に過去問演習をおろそかにしてはいけません。
②試験時間や休み時間の把握
意外と想定外となることが多いのが、試験時間とタイムスケジュールの把握です。
入試本番は、普段受けている模試に比べると間の休み時間がないことが多く、時間を持て余すケースが多くあります。
具体例を見てみましょう。
【2020年度センター試験2日目の時間割】
時間割 | 科目名 | 実施時間 |
---|---|---|
1時間目 | 理科① 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」 | 9:30~ 10:30 |
2時間目 | 数学① 「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」 | 11:20~ 12:20 |
3時間目 | 数学② 「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」 | 13:40~ 14:40 |
4時間目 | 理科② 「物理」「化学」「生物」「地学」 | 2科目受験 15:30~ 17:40 1科目受験 16:40~ 17:40 |
科目間の休み時間が最短でも50分あることがわかります。
50分も休み時間があると、前の科目のミスに気づいたり、同じ教室の他の受験生が気になったりしてきます。気にしなくていい余計な情報に振り回されて、次の科目が不利になることがあります。
③試験会場の雰囲気の把握
これは先輩に自分の志望校の受験生がいると良いのですが、なかなか語られない大事な情報があることが多いです。
試験場の時計は受験生に見えないように布がかぶせられていた。
万が一時計を忘れてしまうと、即死。
試験が終わると受験生は教室の外に出されるので、休み時間にあまり勉強できない。
試験場で休み時間に最終チェックをしたい人はペースが崩れちゃう…
トイレがめちゃくちゃ混むので、休み時間になったら早めにトイレに行っておく。
次のテストの開始直前にトイレに行くと焦るかも…(汗)
試験会場の机が思いの外狭くて消しゴムを落としやすい。
解答用紙を書く際に机が狭くて書きづらい。
こんな情報が事前に入っていたら、それなりの対策なり心構えをもって現場に入れると思います。そんなちょっとした差が当日の精神的なゆとりの差を生むのです。
練習は本番のように。本番は…
「練習は本番のように」というのは過去問演習でよく言われる言葉です。
時間配分や問題の選び方、捨て方なども、本番を想定してここで確認をしておきましょう。
そしてさらに大事なのが、本番当日です。
練習を本番さながらに準備してきたのならば、本番はそのまま本番のようにやれば良いのです。
本番当日だけわざわざ練習のようにやる方が難しい。
本番は本番のようにやれば良いのです。 これが本番に強くなる極意です。
だって、そのために本番を想定した情報収集や練習をやってきたのですから。

「練習は本番のように。本番は本番のように。」
「練習通りが最高のほめ言葉」
この2つの言葉は過去に多くの受験生を合格に導いてきました。皆さんも本番に強くなる準備を進めるようにしましょう!!
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