【高校入試】志望校に合格するための過去問の使い方

高校入試
スポンサーリンク
スポンサーリンク

入試過去問題をやるべきか

入試が近づいてくると、塾などでよく過去問題をどの程度やったかという話題が出てきます。
そもそも過去問題をなぜやるのか? やらくてもよいのか?

都道府県の公立高校志望者、私立高校一般入試志望者は絶対にやるべきです。

・入試本番の2か月くらい前から 着手し、1週間前をめどに完了させましょう。
・第1志望なら過去5年分、第2志望以下なら2~3年分やれば十分です。
・(第2志望以下は当日の試験結果で不合格になる場合のみ)
 
その理由は以下の通りです。
スポンサーリンク

入試前になぜ過去問題をやるべきなのか

主に以下の理由が挙げられます。
1.受験校の入試問題の傾向を把握する。
⇒問題量や出題形式、解答方法(記述か選択式か)を理解する
⇒計算問題がとても複雑だったり、作文が出題されたりといった傾向を理解する

2.試験時間の使い方を把握する。
⇒自分の解くスピードで時間が足りないのか、余裕があるのか、体験をして確認する
⇒教科によって時間配分や解く順序に注意が必要な科目はないかを理解する

3.合格ラインへの距離(あと何点必要か)を把握する。
⇒各教科の合計得点を計算してみて、あと何点必要かを確認する
⇒本番までの残り時間でどの教科で何点積み上げればよいかを確認して勉強に入る

重要なことは、

「過去問を解いて採点する」ことがゴールではない

ということです。
合格に近づくための学習をどのようにするか、残り時間を見ながら対応しなければなりません。

スポンサーリンク

過去問題演習時の注意点

1.実際の入試の時間から5分程度短くした時間で演習する
1教科50分の入試だったら45分を目安に解くようにします。
入試本番は意外と緊張するので、時間の経過が早く感じられるためです。

2.解答用紙は本番と同じサイズのものを用意する
声の教育社や東京学参の過去問題集には解答用紙の縮小版が入っています。
コンビニなどで拡大コピーをして実物大にしておきましょう。
解答用紙の勝手を理解しておくことで、本番をスムーズに迎えられます。

3.同じ日にすべての教科をやらなくてもOK
まじめな人は入試本番と同じように、全教科同じ日にやるべきだと思うようです。
実際は、まとまった時間をとるのは難しいので、分けてやって構いません。
たとえば、50分×5教科の入試をきちんとやると、5時間程度必要になります。
過去問題演習に5時間使える日が入試直前期に何日もあるでしょうか?
塾のない日の夕食後に2教科とか、朝学校に行く前に1教科とか、計画的に演習することが重要です。

とても難しい自己採点

過去問題演習で一番注意が必要なのが自己採点です。
最近、大学入試共通テストで記述問題が自己採点と合わないという議論がありましたが、合わないのが普通です。
自己採点というのはとても難しい作業です。受験生が自分で採点する力があれば、もう合格したのも同然です。
皆さんも以下の点に注意して自己採点をしてください。

1.記号問題や抜出問題は解答と見比べて丁寧に、厳しく〇をつければOK
記号や抜出問題は解答と同じであれば〇なので採点しやすいです。
ここでミスをしないように自分の解答と模範解答を丁寧にみて採点してください。
ポイントは自分に甘えないことです。
「ここはと書こうと思ったけど、最後に直してと書いちゃったんだよな~。だから、〇でいいや」的な。
絶対にやってはいけません。本番では通用しません。
また、国語以外は解答がひらがなでも〇になることが多いので、ひらがなだから×とはしなくてよいです(漢字で書きなさいと指定があった場合を除く)。
※採点基準は各都県のHPなどに書かれていることが多いです。

2.国語の作文や数学の証明は自分で採点した後に先生に見てもらう
作文や証明は自己採点が難しいです。自己採点力が高い人は合格にかなり近づきます。
塾に通っている場合は、塾の先生に採点してもらいましょう
自分でも採点をしておくと、自分の採点と先生の採点ではどこが違うかが確認できます。違いを理解することで自分の採点力も上がりますし、解答を書く時のポイントもわかるようになります。
塾に行っていない場合は学校の先生にお願いしましょう

3.各教科の得点を一覧にして合計点を出す
作文や証明の得点がわかれば合計点に組み込みます。
採点が難しい場合は、合計得点に組み込まず満点からも差し引きます。
例)作文が10点であれば、90点満点にした上で作文の得点も加算しない など

【表1】過去問題結果国語数学社会理科英語合計
H31年度県立高校8075607090375
H30年度県立高校8580657085385

4.合格ラインとなる目標点と過去問題の得点を比較する

目標点は地域の模試会社などで調べられることが多いです。
都立高校の新教育研究協会による目標点確認サイトなどを使ってみましょう。
「そんな便利なものないよ~」という人は、学校や塾の先生に相談しましょう。
私立高校は過去問題集に合格最低点が出ていることも多いので、確認しておきましょう。

自分の志望校の目標点と過去問題の演習結果を比較して何点足りないかを確認しましょう。

得点差を把握してからが勝負!

ここまでで目標校との差を把握できましたか?
合格ラインから20点くらい高い点数がとれていれば、当日まで油断せずに頑張れれば合格の可能性は高いです。
おそらくそんな人は少ないと思います。
行ける学校よりも行きたい学校を目指した方が、その後の人生にプラスになることも多いです。
では、この得点差の埋め方を教えます。

1.足りない得点をどの教科で補うかを考える
合格ラインまで20点足りない場合は、その20点を5教科に振り分ける必要があります。
先ほどの【表1】の例では、明らかに社会科が足を引っ張っています。
ここで社会を捨ててはいけませんよ!!
社会を75点まで持っていければ、あと5点で合格ラインまで届きます。
他の教科では15点も伸ばすのはかなり難しくないですか?
また、理科も他の教科に比べると得点が低く、伸ばせる余地がありそうです。
合格ライン達成のカギは理社にあると考えることができそうです。

2.志望校のレベル別直前期の考え方
上記のように不足する得点を各教科に振り分けて合格ライン達成を目指すのが基本なのですが、目指している学校のレベルによって考え方を変えた方が効率的です。
以下のように考えてください。
(1)志望校の偏差値が60を超える場合
苦手科目を補強して合格ラインに到達するように考える。
偏差値60以上ある人は得意科目がある程度あるケースが多いです。得意科目は得点を維持する程度にして、苦手科目に全力を注ぎましょう。
10点あげたいケースを考えたときに、80点取れている科目を90点にするよりも、60点の科目を70点にする方が簡単だと思いませんか?
苦手から逃げないことがとても大事です。

(2)志望校の偏差値が40~60程度の場合
原則は得意科目を磨く(好きな科目に集中する)勉強がおすすめです。
例えば、数学の計算問題は好きだけど図形問題は苦手というばあいは、計算問題を磨いて確実に得点できるようにすることが重要です。
過去問題で間違った問題を解きなおして確実に得点できるような勉強法です。
また、英語が好きな人は教科書の基本例文を一通り見直してみるだけでもかなり安定して得点できるようになります。
得意を磨くと他の教科にもメンタル面での波及効果が出てきます。
得意科目に自信を持つことがとても大事です。

ただし、苦手科目をまったくやらないのはNGです。学校や塾の問題集や入試直前総チェックといった内容のものは手を付けるようにしてください。やらないとさらに成績が落ちる可能性があります。

まとめ

・入試過去問題演習は必ずやる
・演習時は解答用紙を実物大にして、実際より5分程度短い時間でやる
・自己採点は丁寧に厳しくやる。自分でできないところは学校や塾の先生に採点をお願いする
・得点を出したら目標との差を確認する
・上位校狙いの受験生は苦手から逃げない。中堅校狙いの受験生は得意科目を磨くことを意識する


入試までの時間は限られています。他の受験生も一生懸命準備をしていますので、競争していることを意識して最後の追い込みを図りましょう。
どんな結果が出ても後悔しない準備が重要です。

コメント