【学校はどうなる?】文科省の学びの保障通達とこれからの学校

教育に関する政策
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まさお
まさお

4月21日に文部科学省が「学びの保障に関する通達」を出しました。
長引く休校に対して、各自治体の格差が大きく、このままではいけないとの認識に至ったようです。

今回はこの通達から見える現状と今後について考えたいと思います。

文科省の通達とこれからの学校

各自治体の対応がばらばらであることを文科省は問題視
最低限学習保障を学校が行うべきと考えている
学校の対応はばらばらで工夫が足りないようにも見える
各自治体は今後よりコミュニケーションと学習増の動きをとってくる

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臨時休業に関連した学習指導脳の取組状況調査

とても長いタイトルですが、文部科学省が学校設置者宛に実施した調査のタイトルは「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した学習指導等の取組状況調査」でした。

要は、学校は臨時休業になっているが生徒指導はどうしているか調査したと言うことです。
対象は公立の小・中・高校と特別支援学校です。

その結果があまりによくなかったので、今回の通達になったと言う背景があるようです。

では、その結果とはどんな内容だったのでしょうか?
結果そのものは以下のリンクから参照してください。

https://www.mext.go.jp/content/20200421-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf

ここでは特にみるべき項目だけ拾ってみます。

臨時休業を実施している公立学校の設置者

設置者数は1213。学校数は25223校。
この数値が基準になります。

学習指示の内容(抜粋)

項目設置者数割合
教科書や紙の教材を使った学習指示1213100%
デジタル教材を活用した家庭学習35329%
同時双方向型のオンラインの家庭学習605%
まさお
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公立学校でも全生徒がタブレット端末などを持っていると同時双方向型のオンライン家庭学習も始まっているようです。ICT化の差が取り組みの差になっています。

登校日の設定

項目設置者数割合
登校日を設定している設置者4638%
登校日の設定も予定もない設置者67055%
まさお
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約半数の学校は全く登校日の予定を立てていません。立てられないと言うのが本音かもしれませんが、本当にそうなのか、これ幸いと職務怠慢しているのか?一生懸命考えているかが謎ですね。

その他学習等の支援策

項目設置者数割合
家庭訪問の実施78065%
電話・FAXによる連絡101584%
一斉メールによる連絡99482%
まさお
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自分の担当している生徒に電話くらいは入れてあげてほしいと思いますが、16%の自治体は電話も入れていないようです。メールをすればよいと思っているのでしょうか。子供が放置されている感じ…

教科書の給与状況

項目設置者数割合
全て配布済み114895%
未給与の学校がある655%
まさお
まさお

教科書の配布が完了していない学校が残っている自治体が5%あるみたいです。
これはもう少しなんとかできたのではないか?と思ってしまいます。
※5%の学校が配布していないわけではないので注意

学校に呼べばよいだけなのですが…。

・教職員の体制

項目設置者数割合
在宅勤務(ICT活用のみ)28023%
在宅勤務(ICT除く)62451%
時差出勤39432%
特別休暇の取得76563%
職務専念義務の免除(つまり休み)36430%

教職員の勤務も大幅に減らしているようで、特別休暇や職専免とよばれるお休みもかなりあるようです。

まさお
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つまり、見方によっては生徒を放って先生が引きこもってしまっているのでは?と言う風に見えると言うことです。

まとめ

上記の通り学校現場の対応に相当の格差があり、それを問題視し具体的な対応を要請しないと、子どもたちが放置されて学びが維持されないという危機感を持ったようです。

まさお
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Twitterなどを見ると、「学校の先生は忙しいのだからこれ以上指示など出すな」という論調もあるようですが、実際現状では何が忙しいのかが見えないですね。電話やメールなどで連絡を頻繁に行っている所はともかく、教科書も配れていないところはもう少し頑張ってよいのではないかと思います。

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今回の文科省通知の内容

このような状況から文部科学省が「学習の保障」をきちんとしてほしいという通知を出したということです。

その具体的な内容は以下の通りです。学校にフリーズするなと言っています。

通知に記載されている主な内容

おもに具体的にやってほしいことを挙げ、それをチェックリスト形式で報告してもらうという手法です。先生が生徒に宿題をやらせるのと同じですね。

義務教育の重要性の観点から取り組むべき事項

以下の項目に速やかに取り組んでほしいということです。分散登校なども必要に応じてやってほしいという要請も含まれています。

・家庭学習を充実させるために課題を出すこと
・教科書の速やかな配布
・電話や電子メール等で学習状況を把握する
・ICT機器を最大限活用する
・児童生徒の心身の状況を把握・ケアする
・対面での指導が必要な場合は感染症対策を徹底した上で短時間最小限で実施を検討する
・教職員が自身の健康を間々るために休む場合も、生徒を家庭任せにせず必要な業務を継続的に行う
・テレワークに際しては、従来のICT機器の取り扱いルールにこだわらず業務遂行のために柔軟に考え方を変えていくこと

まさお
まさお

個人的には至極真っ当なことを言っているように思います。
心身の状態を把握・ケアするのは教師の仕事ではなく、家庭の役割だという論調もあるようですが、教師が自分が担任している生徒の状況が気にならないわけはなく、普通は把握・ケアしたいと思うはずです。
忙しいからそれもできないというなら、その人は子供を教える仕事には向いていないように思います。

取り組みの報告

以下のような様式で報告を求めています。非常に簡易なものですが、何もないと無視されるという危機感があったのだと思います。

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まとめ

この通知によって学校の動きに少しでも変化が起きればよいと思います。実際に子供が放置されたまま数か月たてば、これまで積み上げてきた教育が崩壊しかねないと思います。

また、このような通知は、元来、自治体が考えることで文科省が動くような話ではありません。
それぞれの学校の校長をはじめとした管理職が、教育者として本気でこの問題に取り組んでほしいと思います。

非常事態になるとその自治体ごとの教育への温度差が取り組みの差になって現れるということが図らずも露呈した格好です。

改めて公務員とは非常時にどうあるべきかというのが問われていると思います。

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