こんにちは。まさおです。
12月に入り、受験校も最終確定したころだと思います。この時期に意外と多いのが第1志望にすべてをかけるギャンブル入試のパターンです。
今回は「第1志望合格のための併願作戦」というテーマを取り上げます。
併願校に対する誤解
入試に向かうときに、第1志望への愛が強すぎて、併願校を受験すること自体をネガティブに捉える人がいます。
第1志望校に全力を振り向けたいので、「1校だけ受験してだめなら浪人します」というようなケースです。潔いといえば潔いのですが、受験をギャンブル的に捉えすぎちょっと危険な感じです。
本来、併願校というのは第1志望への準備を整えるステップのようなものです。跳び箱の踏切台といえば、併願校の人は気を悪くしてしまうかもしれませんが、実際は第1志望校の受験を気持ちよく迎えるための布石と考えるべきです。
もちろん、学力が十分で第1志望校と言えども模試での合格率は90%以上を安定して出していて、普通に結果を出せれば確実に合格ということであれば、併願校(第2志望)を多少後回しにして考えてもよいのかもしれません。
しかし、現実的には入試本番でありえないミスをして不合格を食らってくる生徒が毎年一定割合存在しています。そういう生徒を見てきた立場では、第1志望のみの受験計画は無謀にしか見えないのです。
併願校は第1志望をあきらめているわけではなく、第1志望に確実に合格したいがために必要な受験校だという認識をぜひ持ってもらいたいと思います。
併願校を正しく利用することが第1志望校の合格率を高めるということを知っておくことが大事です。入試は一発勝負でメンタルの戦いでもあります。メンタルをどういう状態に持っていきたいかを意識するとよいでしょう。
第1志望受験時の精神安定剤の必要性
前項でも少し触れましたが、第1志望校の入試を余裕の精神状態で受けられる生徒は意外と少ないです。普段ひょうひょうとしていて、どっしり構えている生徒でも第1志望校の入試本番はやはり緊張しています。そんな中で普段と同じ力が出せればよいのですが、意外と大きなミスをしてくるケースがあります。
たとえば、問題用紙に裏面があることに気づかず、表面だけ解答を書いて余裕で構えていたところ、試験終了時の答案回収のタイミングで裏があることに気づき、ショックでその後の試験科目がボロボロになって不合格になってしまうケース。
マークシートの学校で、マークシートの番号がずれていることに試験終了直前で気づいて、必死でマークを直したが結局すべては直しきれずに提出してしまうケース。
他にもいろいろあるのですが、一発勝負の第1志望校の本番入試で上記のようなミスを犯してしまえば、いくら学力的に確実と言われていても不合格のリスクを抱えることになります。
併願校はそうならないために必要なセーフティネットと考えましょう。
併願校受検の基本的な考え方
1.第1志望の受験前に合否が出ていること
第1志望校に精神的なゆとりを持って臨むには、1校合格を持っていることが大変重要です。万が一第1志望で何か問題があった場合でも、進学先があるということが受験生の心に余裕を生むのです。
不思議なもので、心に余裕があると物事を俯瞰してみることができ、おかしなミスもしなくなります。そのような精神安定剤的な効果を期待して併願校受検を考えるとよいでしょう。
2.進学先として納得できる学校であること
精神安定剤としての役割を果たすための条件として、その学校に進学してもよいと考えられる学校を併願先にしていることが挙げられます。
たまにいるのが、形だけ受験すれば良いと考え、学校見学にも行ったことがないとか、入学する気がないので第1志望に不合格でもそこにはいきませんとか、そういう対応をとる受験生がいます。
これでは、第1志望校受検の際の精神安定剤にはなり得ません。
3.入試会場の雰囲気字を事前に体感する機会ととらえる
入試本番の試験場の雰囲気などは自宅でやる過去問や模擬試験とはやはり様子が異なります。第1志望校の試験前に実際の入試の様子を体感しておくことは第1志望時の精神的なゆとりにつながります。
その意味では、併願入試の雰囲気はできるだけ第1志望に近い方が良いということになります。
入試の実際は各エリアで異なるため、できないエリアもあると思いますが…。
第1志望校の合格確率を少しでも高めるにはどうすれば良いか、という視点を常に持つことが重要です。本番試験も場数を積めば慣れてきます。併願校受検が練習に当たる位置づけであれば、第1志望はやはり合格しやすくなるでしょう。
万が一の第1志望不合格でも逆転はいくらでもできる
上記のような背景を理解して、併願受験をきちんとやっておけば、第1志望の入試日は万全の状態で試験場に向かえると思います。
一方で、第1志望校というのは、多くの受験生にとって「挑戦校」であることが多いと思います。ご隔離確率は30~50%くらいの人が多いのではないでしょうか? 受験生によっては20%未満ということもあるでしょう。その場合は、合格するにはよほどの良い巡り合わせがないと合格通知を手にすることは難しいのかもしれません。
ただ、そんな挑戦的な入試であっても絶対に意識してほしいのは、「やれるだけの準備を確実に行い、併願校受検も含め合格可能性を高めるための最大限の準備をしてきた。」と胸を張って言える状態で第1志望の試験日当日を迎えるということです。
入試の結果をあらかじめ知ることはできませんし、合格確実と思われていた第1志望で不合格になってしまうケースもゼロではありません。
そんな時に、第1志望校に入学できなかったことをいつまでも引きずってしまうと、その後の人生が暗いものになってしまいます。
「やれるだけの準備はした。入試結果は出なかった。次のステップに向けて再出発。」という切り替えをきちんとする意味でも、できるだけの準備をして力を出し切った状態で合格発表を迎えることが大事なのです。
逆に言うと、そういう状態で合格発表を迎えて、不合格になってしまった場合は、いわゆる「縁がなかった」というあきらめがつきやすいのです。自分が納得のいく併願校に入学して、次のステップで更なる飛躍を期して頑張るという姿勢が大事です。
入試において重要なことは、第2志望校をどのように捉えているかであるとよく言われます。第1志望は放っておいても勝手に熱が入るものです。そんな状況下で、冷静に入試結果に対する備えをしておくには、第2志望を現実的に考えておくことが大事なのです。ぜひ、併願校・第2志望を意識した入試に臨むようにしましょう!!
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