こんにちは。まさおです。
2020年度はGIGAスクール構想として、小中学生1人に1台ずつ学習用の端末を配るという動きが進みました。現実的にこの3月末までに端末配布を終える自治体は70%程度という報告になっています。この端末、本当に活用できるのでしょうか?
今回は「新年度より1人1台の端末で何が変わる?」というテーマです。
文部科学省が21年度に向けた端末利活用通知を発出
3月12日、文部科学省は2021年度開港を見据えて、「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用について」という通知を出しています。
以下のリンクから現物を確認できます。
https://www.mext.go.jp/content/20210312-mxt_jogai01-000011649_001.pdf
この中で、21年度の小中学生の指導にあたって、学習端末を積極活用するために必要なポイントを示しています。
電子黒板のときは、機会を入れただけであまり活用されませんでした。財務省などは税金の無駄遣いとして、今回のGIGAスクール構想にもなかなか賛同しませんでした。それを押し切って端末配布を進めた文科省としては、積極的な利活用を推進したいという言うことだと思います。
文科省の端末導入の狙いは学習効果の劇的向上ではない
過去にも何度か書いて来ていますが、GIGAスクール構想をとらえる際に重要なことは、「学習効果を端末導入で高めることが主目的ではない」ということです。
文部科学省の人が聞いたら起こるかもしれませんが、実際に端末導入が学力向上に直結するから端末を導入するのだという感じにはなっていません。
むしろ国際社会における日本人のITリテラシーの低さを早い段階から端末に慣れ親しませることにより解消したいというのが狙いです。
日本はいい意味でも悪い意味でも恵まれているので、ICT機器を使わなくてもよい生活が送れます。端末なんかなくても何にも困らなかったりするので、ある年代以上の方になると「ICT機器なんか使って何になる?」みたいなことを言ったりするのです。
一方でグローバリゼーションは確実に進んでいるので、日本のような生活水準にない他国のハングリーな若者に日本人が技術的にどんどん抜かされてしまうという状況があり、国際競争の観点でも日本が将来窮地に立たされるのではないかと見られています。
我々が認識しておくべきは、学校への端末導入は学力そのものの向上ではなく、ICTリテラシーを小さいうちから高めておくことが主目的であるということを正しく理解しておきましょう。
最も望ましいのは子どもが端末で遊ぶ状態
そのような目的下で端末利用をするにあたって、保護者や子どもたちは何を意識すればよいのでしょうか?
一番重要なことは「端末を使って遊ぶ」ということです。
学習用の端末を使って遊ぶのはおかしいと感じるかもしれませんが、学習端末を使って学習をするだけでは端末がもったいないということです。
これまでも學校の先生からの宿題にどれほどの時間をかけて取り組んでいたでしょうか?おそらく勉強時間は必要最低限だったと思います。
宿題が学習端末を使ったものになっても、宿題として端末に触っているうちは必要最低限の域から出ません。
その延長では、ICTのリテラシーを高めることは難しいと思います。
むしろ、YouTubeでもマインクラフトでも、子どもたちの興味のあるものを徹底的にやらせることが重要です。
上述の文科省の通知にも出ていましたが、一部の自治体では学習用ツールを一部利用制限をしているようです。
これが最悪の展開です。
こ子どもたちの知的好奇心を刺激するには学習端末はうってつけなのですが、その際に子どもたちの安全を確保すると称して機能を制限してしまうのは非常に危険です。もちろんアダルトサイトなどの有害サイトのブロックはするべきなのですが、一定レベルの安全を確保した上で自由に子どもたちの発想に従って自由に端末を触れるようにしなければ、真のリテラシーは育ちません。
ICT機器に限らず、多くの場合、人は失敗や壁にぶつかりそれを乗り越えたときに成長するわけですから、端末利用も壁にたくさんぶち当たるくらい触らせなければ意味がありません。
幸いにして子どもたちはそれくらいの好奇心を持ち合わせています。大人がその芽を摘まないことがとても重要です。
端末配布の目的と、保護者や本人がどういう意識で端末を触るかが非常に重要です。学習端末は様々な可能性を持っているので、生活の友として活用することを強くお奨めします。
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