こんにちは。まさおです。
4/6、萩生田文部科学大臣は記者会見で教師不足の実態を全国一律で調査することを表明しました。
今回のテーマは「教員不足の実態調査」です。
文部科学省による教師不足調査
4/6、萩生田文部科学大臣は定例の記者会見の中で、学校の教員不足に関して実態調査を行う趣旨の発言をしました。各社が報道で取り上げています。参考に毎日新聞の記事を以下に記載します。
対象は全国のすべての公立小中学校でこのような悉皆調査は初めてとのことです。
調査は4月始業日段階の不足数と5月段階での解消状況の2段階とのことです。
過去の調査でも教員不足は存在し、不測の背景は非常勤講師が教員免許制で更新せず失効して候補者不足に陥ったということだそうです。
義務教育の現場が非正規の教員頼みというのもそもそも問題だと思います。
この調査が今後の待遇改善のきっかけとなるか
今回の調査で一定数の不足と5月までに充足が進むことになると思います。
特に5月に解消したかを調査することは重要で、これにより各自治体の不足に対する意識は一定レベル上がることになると思います。
一方で、多くの人が知っている事実として、学校の先生はとても忙しいという問題があります。
教師不足調査の目的が教員定数を満たさない学校をなくすことがゴールなのか、その先にある教師の待遇改善まで視野に入れているのかが非常に重要な問題だと思います。
学校の教員数は「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」で定められています。法律なので表記が小難しいのですが、たとえば、文科省の資料で小学校の教員数の例をまとめた資料を見ると以下のような記述になっています。
20学級の小学校で28人の教員を配置するということになるようです。
この人数がいれば「充足」ということになります。
学級数を超えた8人のうち、「校長」「教頭」「養護教諭」「事務職員」を除くと4名が授業を担当する教員ということにあります。
率で見れば20%増ということなのですが、この数字自体が業務実態と遊離してきているように思います。
スポーツにたとえると、レギュラー20人に対してリザーブが4人というようなバランスです。
学校の場合は、生徒が登校してきてから下校するまで、教師が休憩として生徒から目を切ってよい時間というのはほぼありません。休職中でも休憩にはならず、常に生徒の動向に対して一定の気配りをしている状況です。
そもそも論として標準数がすでに実態に対して不足状態であるならば、この数を満たしているかといった調査をしても本質的な改善にはならないと思います。標準数が適切かといった議論をぜひ進めてほしいと思います。
保護者の学校に対する意識の変化
学校の先生の多忙感の背景に、保護者対応が難しくなってきたという問題があります。
かつては保護者は学校の先生に「お世話になる」という感覚が実感をもってありましたが、今は学校の先生をサービス業の役務提供者のように思っている保護者が増えているようです。その極端な例がいわゆる「モンスターペアレント」です。
消費者に妙な権利意識やお客様意識が根付いてきているからだと思いますが、元来、教育の第1主体は「家庭」であって、第2の教育現場が「学校」です。
保護者が自分の子どもの面倒をきちんと見られず、学校に預けて学校で問題を起こすと学校の責任というようなことを言っているとしたら、その保護者の教育から始めないといけないのだと思います。
極端な言い方をすれば、学校が行う標準対応と責任を負えない部分を明示して、そこに対して責任を求める保護者からは費用を徴収するなどして、その費用で教師を加配するといった視点も必要な時代になってきているのかもしれません。
全てを無料でやるのが義務教育であってほしいですが、無料で(税金で)できる範囲は限られているのだということも改めて宣言する必要があるように思います。
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