こんにちは。まさおです。
文部科学省が行った「新型コロナウイルスの学生生活への影響に関する調査」によると、2020年度後期の大学のオンライン授業は「満足」が13%、「ある程度満足」が43%という結果が出ています。
今回のテーマは「大学のオンライン授業の満足度」です。
文部科学省の調査結果
文部科学省は「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」の結果を5月25日に公表しています。
この調査は、令和3年3月5日~3月27日にWebで行われ、1744名の学生が回答をしたものとなっています。
調査結果PDFは以下から確認可能です。
https://www.mext.go.jp/content/20210525-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf
調査項目は以下の通りとなっています。
1.オンライン授業
2.経済状況
3.悩み
4.(大学側の)情報発信
5.退学・休学について
6.国や学校などへの意見・要望
オンライン授業の満足度
以下のような結果になっています。
Webアンケートに回答している時点で、ある程度オンラインに対して抵抗のない回答者が多い可能性もありますから、多少高めに結果が出ていると考えるのが妥当だと思います。
あまり満足していない、満足していないが20%いることは注目してよいと思います。オンライン授業の良い点がこれまで指摘されてきましたが、5人に1人は不満な状況のまま、コロナ終息後も継続するのは難しいと思います。
不満の原因をきちんととらえて解決しつつ継続するような努力が必要です。
オンライン授業の良かった点
主に4点が抽出されました。
一番良かった点が「自分の選んだ場所で授業を受けられた」で、自宅等での受講が満足度の大きな理由になっています。
「自分のペースで学修できた」も事前録画された授業を好きな時間帯で見られるというところにメリットを感じているということだと思います。
よくいわれる「いつでも」「どこでも」というのがメリットと受け取られているようですが、大学の授業の本質として、各自が好きな時に好きな場所で動画を見るという形が望ましいのかという根本的な議論は必要だと思います。
オンライン授業の悪かった点
以下の7点が抽出されています。
最も評価が低かった項目が「友人などと一緒に授業を受けられず、寂しい」というものでした。これは工夫で乗り切れるような気がしますが、対面型の授業でも授業中にろくに先生の話も聞かずにおしゃべりをしている学生が多かった状況を考えると良しあしかもと思ってしまいますね…。
「レポート等の課題が多かった」が次に満足度が低かった項目でした。これは授業を行う側は理解しているか不安なためにレポート提出で不安を補ったということだと思いますが、多くの授業が一斉にレポートを課すと学生側が総量的に対応しきれなくなる可能性はあったかもしれません。
他にも不満ポイントはいくつかありましたが、地味に重要なのが「授業形態について十分な説明なし」だと思います。
教材入手の方法や授業時の発言ルール、マイクのオンオフ、チャットの使い方などといった細かな点をきちんと制御するとストレスがぐっと減るのではないかと思います。
今後のオンライン授業のあり方
今回の調査結果を受けて、今後のオンライン授業はどうあるべきか少し考えてみたいと思います。
オンライン授業はこれからも残る
コロナ終息後もオンライン授業で経験した便利さ(大学まで来なくても授業が受けられる)は、学生側も学校側も大きなメリットと感じたと思います。
今後も、大教室での一斉授業などはオンラインの方が効率的だと思います。
オンライン授業の視聴履歴や授業アンケートを活用
現在、オンライン授業の視聴履歴をどの程度活用しているかがあまり見えていませんが、講義の視聴状況と試験結果などを大学側がきちんと管理する体制が望ましいと思います。
さらに動画視聴後に満足度アンケートを講義単位でとることで、学生の満足度の高い授業とはどんな授業か、オンライン授業のあるべき形の検討に役立てられると思います。
オンライン授業の共同視聴の仕組み検討
今後のオンライン授業の形態として、任意のグループによる「共同視聴」のようなものを検討するとよいと思います。
一緒に授業に参加したい何人かのグループが同時に授業動画を見ながら、意見交換などをしていくような流れです。
オンライン授業で友人と一緒に授業を受けられず寂しいというような問題に向き合うことは重要だと思います。
他にも学内の学生マッチングサービスのような友達づくりの支援があってもよいのかもしれません。本来の大学の学びは同じ学問を志す学生同士の自由なコミュニケーションが発展の源泉でもあるので、学生間のコミュニケーションをどう担保するかは大学側もきちんと向き合うべき課題だと思います。
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