文部科学省が学習端末活用サイト「StuDX Style」は機能するか?

教育に関する政策
まさお
まさお

こんにちは。まさおです。
文部科学省は、GIGAスクール構想によって生徒一人一人の学習用端末が配布されることを受け、その活用のためのサイト「StuDX Style」を解説しました。
このサイトの活用の是非がGIGAスクール構想の成否に大きくかかわるようにも見えます。
今回は、「StuDX Styleと端末活用」について取り上げます。

StuDX Styleと端末活用

◆GIGAスクール構想の目的の再整理が第1歩
⇒GIGAスクール構想の目的はICT活用能力の向上で学力向上ではない!?
⇒端末を使って生徒や教師がつながることが目的でよいのか?
◆教師の役割は指導要領に基づく学習内容の教授と定着促進
ICT活用能力の向上を教師の役割にどう織り込むかがポイント

GIGAスクール構想の目的はわかりやすそうで難しい

GIGAスクール構想というとどんな施策を連想しますか?
世の中で流布されているGIGAスクール構想は「生徒1人1台の学習端末配布」「学校のネットワーク整備」というイメージでとらえられているのではないでしょうか?

今回のStuDX Styleを見て感じることは、GIGAスクール構想の目的を今一度整理しないと、現場の先生がついて来なくなってしまうのでは?という危惧でした。

GIGAスクール構想の目的の再確認

萩生田文部科学大臣が2019年12月に出したメッセージには以下のような表記がありました。

子供たちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手として、予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成していくことが必要です。その際、子供たちが ICT を適切・安全に使いこなすことができるようネットリテラシーなどの情報活用能力を育成していくことも重要です。

令和元年(2019 年)12 月 19 日 文部科学大臣メッセージより

端的に言うと、「学校現場でICT機器を使いこなす力を身につけなさい」という趣旨です。新指導要領などでも、「情報活用能力」というキーワードが提示されていて、ポイントはICT機器を使いこなす力があるかどうかという点がポイントになっています。

GIGAスクールと親和性が高いのは学活や委員会活動?

このような目的と学校の先生の仕事のメインとなっている教科指導をどう結び付けるかが学校の先生の悩みの種になっています。

はっきり言えば、ICT機器を使わず従来の紙の教科書と黒板で授業をした方が指導効果は高いというのがこれまでの学校の先生の意見の主流だと思います。散々苦労して、ネットワークやPCの設定を行い、学習効果が魅力になるのはほんの一部だけというのが学校の先生の本音かもしれません。

しかし、目的はICT機器を使いこなす能力を身につけることであって、学習効果を高めるのはひょっとすると副次的な効果にすぎないと考えた方が腑に落ちるのかもしれません。授業におけるICT機器の活用はあまり気張らない方が先生も生徒も取り組みやすいと思います。

一方で、委員会活動や学級会活動といったみんなで意見交換をしたり合意形成をしたり、わかりやすく情報共有をしたりする授業外活動はICT機器が大いに活躍する場面だと思います。こちらの活動においける情報機器の活用を先に推進した方が望む成果は得られやすいと思います。

まさお
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GIGAスクール構想の主要な成果として、生徒がICT機器を日常生活で使いこなして、調べ学習や自分の考えの整理などができるようになることをゴールとして、授業内での活用をあまり義務付けない(期待しない)方が話は進むのかもしれません。その場合は、ICT機器の活用能力を図る検定などを年度末に受けさせるなどの仕掛けが必要になると思います。

StuDX Styleとはどんなサイトか

上記のような前提を踏まえて「StuDX Style」のサイトを見てみると、むしろこういう作りになるのも納得という感じがします。

上記サイトのトップ画像でわかることは、「STEP1」は「つながる」がテーマになっています。つまり情報共有や意見交換といったコミュニケーションツールとしてのICT機器の活用という話になっています。

授業での活用の前に、まずは機器の理解が必要なのは当然なのですが、現場の先生方はこれをどのように受け止めているかが少しに気なります。
これを学校生活のどの時間で対応するのかから悩んでしまうのではないかと思いました。

一方で、このサイトの内容自体は、ICT機器の初心者にはわかりやすい内容になっており、これをきちんとなぞっていくことで生徒を一定の機器操作ができる水準まで引き上げていくことは可能なように見えました。

学校の先生の役割の再定義が必要

ここまで見てきて感じることは「学校の生成の役割が変わってきている」ということです。もはや主要教科の学習指導に軸足を置くのではなく、主要教科の学習におけるモチベーション管理やツール利用のおぜん立て、困ったときのサポートといった役割に変化していると捉えた方がわかりやすいということです。

・授業の新出単元はデジタル教科書と解説動画で生徒が映像で把握する
・教師はその指示と進行管理をして、進まない生徒をフォローしやる気を引き出す
・日常の学習におけるICT機器の活用をサポートして、生徒に自己解決する方法を身につけさせる
・先生が主役で物事を教える時代は終焉が近い

このような整理になってくると考えた方が進みが早いということです。
各自治体におけるGIGAスクール構想の推進には温度差が出てくると思いますが、旧来の教師の役割にしがみついた自治体が遅れていくのは明白です。
各自治体の動きを見つつ、気になるニュースはこれからも発信していきたいと思います。

まさお
まさお

GIGAスクール構想の目的の理解が全てのスタートラインだと改めて思います。少なくとも「中学生になったらブラインドタッチくらいはできる」というレベルの指導力を学校が発揮してくれれば、GIGAスクール構想はかなりの成果を上げると思います。人材育成と子どもたちへの教育機会をどう作るかがポイントになっていくはずです。

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