こんにちは。まさおです。
10/20、千葉県教育委員会の定例会議で「令和3年度教員等の出退勤時刻実態調査結果」が報告されました。中学教員の1カ月の平均残業時間は67時間と報告され、過酷な労働時間の実態が浮き彫りになりました。
今回のテーマは「千葉県教員の出退勤時刻実態調査」を取り上げます。
学校における働き方改革が急務だと思います。
千葉県の調査詳細
千葉県の「教員等の出退勤時刻実態調査の結果」は葉県教育委員会のホームページにて閲覧可能です。
この調査は、千葉市立を除く県内尾公立小中高校と義務教育医学校・特別支援学校の教員33,965人を対象に、6月1日~6月30日を調査期間としてまとめられています。
校種別残業時間
最初に校種別の教諭等(管理職以外)の平均残業時間です。こちらの資料が出展です。
校種 | 平均残業時間 |
---|---|
小学校 | 49時間49分 |
中学校 | 67時間6分 |
義務教育学校 | 56時間56分 |
高等学校 | 42時間42分 |
特別支援学校 | 30時間26分 |
平均 | 50時間39分 |
残業が月45時間を超える教諭等の割合
月45時間以上の残業をしている教諭等の割合を校種別に見てみます。
月45時間というのは民間企業の一般的な残業時間の上限で、世間一般ではこれ以上残業してはいけないと言われる水準です。
校種 | 45時間以上残業をする 教諭等の割合 |
---|---|
小学校 | 59.5% |
中学校 | 72.9% |
義務教育学校 | 76.2% |
高等学校 | 37.4% |
特別支援学校 | 14.3% |
平均 | 53.6% |
平均時間っも45時間以上の残業割合も非常に高く、これが毎月続いているとするとまだまだ学校の働き方改革は道半ばと言わざるを得ないですね。
月当たりの時間外が80時間を超える者の割合
さらに、時間を伸ばして、月80時間以上の残業をしている者の割合も調査されています。元資料はこちらの2ページです。
以下の表は市町村立学校の数字です。
校種 | 校長 | 副校長・教頭 | 教諭等 |
---|---|---|---|
小学校 | 4.4% | 32.9% | 10.4% |
中学校 | 4.2% | 50.9% | 34.5% |
義務教育学校 | [0%] | [75.0%] | 27.6% |
特別支援学校 | [0%] | [80.0%] | 0.4% |
中学校や義務教育学校では副校長・教頭の半数以上が月80時間以上の残業をしているという調査結果です。
これ以外にも意識調査編もあり、3%弱の教員は児童生徒のために際限なく仕事をすることをいとわないという結果も出ています。
教育というのは子供たちに直接かかわる仕事であるため、「これでよい」というゴールが定めづらいところもあります。一方で、心身の健康を保たないとい良い教育は行えません。健康があっての教育ですから、バランスを取らないといけないと思います。
構造上の問題にどうメスを入れるか
何度かこのブログでも取り上げていますが、学校における働き方改革は多少の成果があるような報告も多いものの、全体としては世間一般とは程遠い労働実態と言わざるを得ません。
これは、構造上の問題に鋭く切り込むことができず、目先の小さな改善の積み上げで成果を上げようとしていることが原因だと思います。
教員の絶対数の増加(非常勤や学生アルバイトを含む)と部活動の外注化(課外活動として独立)を中心に、教員の本来の業務の範囲を明確に定義することが大事だと思います。
千葉県では、働き方改革推進プランを策定し、教員以外への積極的な外注目標を掲げています。この数値の達成状況やこの数字の達成が教師の勤務時間の実態にどう影響を与えているのかを冷静に判断した方がよいと思います。
国の強いリーダーシップがあるわけではなく、各自治体が苦労しながらなんとか働き方改革を推進しようとしている様子がよくうかがえます。
国の予算措置が改革のキモになるのは明白です。最近教員の過酷な労働がいろいろなメディアで取り上げられていますので、ぜひ国には本腰を入れて取り組んでもらいたいです。
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