こんにちは。まさおです。
昨日取り上げた沖縄県立球陽中の採点ミスについて、県教育委員会が記者会見で詳細を説明しました。採点のもととなる正答表に誤りがあったことが明らかになりました。
今回は「沖縄県立球陽中の採点ミス」の続報です。
発覚遅れの背景もわかってきました。
県教委の記者会見内容
11/26、沖縄県教育委員会の金城教育長が沖縄県庁で記者会見し、詳細報告と謝罪を行いました。
以下の記事に詳細が掲載されています。
上記記事のポイントは以下の通りです。
- ミスがあったのは算数の文章問題1
- 正答表に誤った解答を記載していた
- 複数の職員が複数回チェックするも誤りに気づけなかった
- 同校の過去問は販売されておらず、開示請求が必要
- 開示請求をした関係者が正答表の誤りに気づき、11/4に学校へ連絡
- 11/5、全受検生の採点をやり直したところ74名の得点に影響
- 1名が繰り上げ合格となった
- 学校側は繰り上げ合格者を受け入れる意向
上記記事の赤下線部分がこの問題発生の背景部分だと思います。県教委は再発防止に全力を尽くす旨を表明していますが、どう制度設計をするかがポイントになると思います。
作問ミス・採点ミスが起こる前提の制度設計が必要
沖縄県教育委員会は再発防止に全力を尽くすということですが、具体的な手法についてはこれから検討ということになると思います。
今回の問題で重視しないといけないのは「複数の職員が複数回チェックしたにもかかわらず正答表自体に誤った正答を記載していた」という問題です。
実際の問題と正答を見たわけではないので何とも言えないのですが、算数の文章問題で複数の職員がチェックして正答を間違うというケースは、
・問題条件の記述の仕方に不備があり解釈が異なってできる
・作問に関わった職員が全て散漫なチェックで解答ミスを見逃した
のどちらかしか考えにくいと思います。
制度設計の基本は、「ヒューマンエラーは必ず起きる」という前提に立つことで、複数チェックやチェック記録の充実である程度のミスは減らせても全廃は不可能と考えることが大事です。
個人的にはチェック体制の甘さの方を疑っています。80名募集の小さな学校の入試問題のチェックにどれだけの人がどれだけの時間を割いていたのかわからないですよね。
今回のように大問題に発展したことで体制強化となりますが、「より細かくチェックする」といったようなレベルでは再発は免れないと思います。
入試問題の早期公開を徹底すべき
前回のブログでも再発防止についての提言をしていますが、ポイントは2つだと思います。
- 試験当日に複数名で生徒と一緒に問題を解く体制を作る
- 大勢の人が問題を解いて正答表と比べれば解答間違いに気づける
- 試験当日に気づければ合格発表までに対処が可能
- 試験問題と正答表をWebサイト上で早期に公開をし、世間一般からのチェックを受ける
- Webサイト上で公開すれば、塾関係者などが内容を確認してくれるので間違いの指摘をもらえる
ポイントは学校内の少数のチェックから、より大勢のチェックに広げるということです。
採点ミスは、該当受験生の人生に大きな影響を与える大問題なので、試験時のチェックと試験終了後の振り返りを充実させて、早く対応できるようにすることが大事です。
今回の問題も4月に発覚していれば小さな影響で済んだものが、12月を目前にしての発表となるとやはり大きな問題と言わざるを得ません。
丁寧な検証と丁寧な制度設計が必要だと思います。
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