こんにちは。まさおです。
2022年度入試が終わりましたので、各都県の公立高校入試の状況を少しずつ振り返っています。
今回は「長野県公立高校の一般入学の5か年推移」です。
長野県は平成15(2003)年度入試から現在の前期選抜・後期選抜制度を導入していますが、新型コロナへの対応などを背景に2025年度から制度をマイナーチェンジし、前期選抜の募集枠拡大と学力試験導入、後期選抜に面接導入を決めています。
前期募集の倍率5年推移(全日制)
長野県公立高校の入試は、平成15(2003)年度から現在の自己推薦型の前期募集と学力検査実施の後期選抜の形式で入試を行ってきました。
現行の前期募集には学力検査がなく、面接・小論文・実技検査から各高校が指定したものが実施されます。
募集定員は、普通科・総合学科などで全募集定員の50%以内、理数科などでは全募集定員90%以内で各学校が定めます。
2018年度から2022年度までの最近5か年の募集人員・受検者数・合格者数・倍率は以下の通りです。
区分 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
募集定員 | 4,318 | 4,122 | 3,925 | 3,821 | 3,861 |
受検者数 | 6,526 | 6,475 | 5,715 | 5,451 | 5,429 |
合格者数 | 4,229 | 4,046 | 3,849 | 3,718 | 3,700 |
倍率 | 1.54 | 1.60 | 1.48 | 1.47 | 1.47 |
グラフにしてみると以下のような感じです。
2018年度は1.54倍で、2021年度以降は1.47倍となっています。
概ね安定した倍率の入試になっていますが、他の県に比べると少し倍率が高く、受検生の3分の1は不合格になる入試です。
2025年度で募集枠を少し広げるのも、前期選抜の倍率を少し下げて早期に合格を決めてしまいたいという思惑からだと思います。学力検査なしの入学者が増えることへの懸念から前期に学力検査導入が進んだと捉えるのが自然でしょう。
後期と実質的な差がないことから、数年後には一本化の議論が出てくると思います。
2025年度からの「長野県公立高校 新たな入学者選抜制度」
後期選抜倍率5か年推移
後期選抜は全募集定員から前期選抜合格者を除いた数が募集定員となります。
2018年から2022年までの5年間の推移は以下の通りです。
区分 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
募集定員 | 10,982 | 10,642 | 10,302 | 10,062 | 10,203 |
受検者数 | 11,067 | 10,812 | 10,161 | 9,728 | 9,907 |
合格者数 | 10,337 | 10,131 | 9,657 | 9,197 | 9,343 |
倍率 | 1.07 | 1.07 | 1.05 | 1.06 | 1.06 |
グラフにすると以下のような感じです。
2018年度も1.07倍で受検者の93.4%が合格する入試でした。
2022年度も1.06倍で受検者の94.3%が合格する状況で、ほぼ横ばいの入試となっています。
ある意味、低倍率が安定化しており、出願先さえ間違えなければ確実に合格できる平穏な入試だと思います。
新制度では後期選抜の募集定員が減ることから、若干倍率が上がる可能性がありますが、前期選抜での合格者が増えるため、実質的な変化は少ないと思います。
むしろ、2月上旬に入試を終えてしまった生徒が増えることで中学校が少し落ち着かなくなるかもしれません。
長野県の2025年度導入の新入試制度の特徴は、学力検査問題を2セット作るということにあります。全国の自治体で入試問題の作問ミスが見つかって謝罪するケースが多い中、2セット学力検査問題を作るのはかなりの負担になると思います。
数年間、新制度でやってみて適切な総括と改善ポイントの整理が進むとより効率的な入試制度になると思います。
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