高校入試の倍率の考え方 ~敵にも味方にもなる倍率の見方~

合格発表高校入試
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「倍率」を正しくとらえると合格可能性は飛躍的に高まる

高校入試が近づいてくるとニュースサイトや新聞などで倍率が発表されます。
ここで理解してほしいのは、「倍率」とは何を表している数字かということです。

1.受験生が見るべきは「実質倍率」
2.実質倍率の数字は、当日上位何%以内に入れば合格できるかを表している

※実質倍率を把握すれば自分が全受験者の内、どの程度の順位を目指すべきかがわかる

ではさっそく詳しく説明していきます。

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倍率には「応募倍率」と「実質倍率」の2種類がある

1.応募倍率とは
出願者数が確定すると新聞などに出るのが「応募倍率」です。
応募者数÷募集定員で計算されます。
例)募集定員100名の学校に173名が応募すると…173÷100=1.73倍が応募倍率となります。
例えば都立高校の2019年度(2019年2月実施)入試の倍率はここから確認ができます。
他の都県でも教育委員会のホームページに出ていることが多いです。

実際は当日欠席する生徒もいるし、都立は辞退者も出たり合格者数の調整もあるのでもう少し倍率は下がるのです。

2.実質倍率とは
実質倍率は当日の欠席者や辞退者の状況も踏まえて最終結果として出た倍率です。
173名応募があった上記の高校の実際の受験者が141名だったとすると…141÷100=1.41倍が実質倍率となります。

最終結果は受験前にわかりませんから、前年のデータで傾向を把握するという使い方をします。
例えば都立高校2019年度(2019年2月実施)入試の実質倍率はここから確認ができます。
「普通科」または「専門学科・その他」のボタンを押してみてください。
一例として都立目黒高校の応募倍率と実質倍率を男女で比較してみます。

学校名募集定員応募者応募倍率受験者合格者実質倍率差異
目黒(男子)1001731.73141901.57-0.16
目黒(女子)911751.921611041.55-0.37

応募倍率は2倍近くても最終的には1.6倍弱ぐらいまで倍率が下がることがわかります。

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実質倍率を知ると何かよいことがあるのか!?

実質倍率はただの数字なので、これを見たから合格率が上がるということにはなりません。
ただ、入試に臨むときの心構えが変わってきます。

実質倍率は試験当日にとるべき順位を想起させる。
自分が何位以内に入る必要があるかを理解し、緊張感をもって当日を迎える。
それにより合格可能性はやや上がるはずです。

1.57倍の倍率の学校では、157名中100位以内に入れば合格ということを意味します。
この感覚が一発勝負の入試ではすごく大事です。
よく合格率50%の合否判定を見た受験生が、2分の1の確率で合格すると思っていることがあります。
この間違いは別の記事で説明しますが、大変危険な考え方です。

入試は原則として当日の得点による順位で合否を決めます(一部部活など調査書点の取り扱いも影響しますが)。
特に似たような成績の受験生が集まる公立高校入試では1.1倍と1.3倍では許されるミスの感覚が異なってきます。
ましてや1.5倍を超えるとベスト答案を当日出さなければ不合格の可能性がついて回るでしょう。

入試当日に一番重要なことはつまらないミスを以下に減らして本来の実力通りの得点を取るかです。
過去問題の事前演習が重要な理由も時間配分などを誤って大量失点しないことにあるわけですが、実質倍率を把握して、当日同じ部屋で受験している生徒のどれくらいの位置にいないと不合格の可能性があるかを理解することで、緊張感を持って試験に臨む心構えができてきます。

まとめ

・入試で重要なのは実質倍率
・実質倍率から当日とるべき順位のイメージを持つ
・入試当日は緊張感をもって、1点のミスで下がる順位を意識する
・ミスが減ればその分だけ合格に近づく

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